見出し画像

調子が悪い日に、ゴルフを崩さない方法

『調子が悪い日は、やることを小さくする』

うまくいかない日は、何かを足すより、減らすほうが助けになることがあります。


朝イチから、嫌な予感がする日

早朝のゴルフ場。

今日も暑くなりそうで、蝉の声が時間とともに大きくなっていきます。

少しでも涼しいうちに回ろうと早起きしたものの、まだ眠気が残っている。ティーグラウンドで素振りをしても、なぜかしっくりきません。

ドライバーを構えた瞬間から、今日は少し嫌な予感がしていました。

案の定、一打目は右へすっぽ抜けます。

乾いた「カツン」という音が、いつもより硬く耳に残る。二打目も似たような感触で、何をしても噛み合いません。

そんな朝は、確かにあるものです。


「なんとか立て直したい」が、いちばん危ない

調子が悪いと感じると、つい普段以上に丁寧に振ろうとしたり、大きく振って取り返そうとしたりします。

ゴルフを始めたばかりの頃は特に、一つのミスを次のショットで帳消しにしたくなるものです。

けれど不思議なことに、調子が悪い日に限って、いつもより難しいことを試したくなります。

うまくいかないからこそ、何か新しい動きや特別な打ち方が必要な気がしてしまう。

この気持ちは、私自身も何年ゴルフを続けていても、完全にはなくなりません。


私にも、意地になって崩れた朝がある

レッスン前に自分で軽く球を打つ朝があります。

そんな時、感触が悪いと、私もつい意地になってしまいます。

「昨日はこれで良かったのに」

打感がそろわず、スイングの細かい部分を触り始める。
するとレッスンが始まってからも、「さっきは何が悪かったんだろう」と頭の片隅で考えている自分がいます。

目の前の生徒さんに集中しなければいけないのに、自分の不調を引きずっている。

そういう経験を重ねる中で、調子が悪い日ほど「やることを減らす勇気」が必要なのだと、少しずつ感じるようになりました。


Fさんが試した、難しいロブショット

以前担当していた、50代のFさんのお話です。

Fさんは熱心な方で、難しいショットに挑戦したくなるタイプでした。

ある日、練習中にこう言われました。

「先生、ロブショットを教えてください」

ロブショットとは、ボールを高くふわりと上げ、グリーンに柔らかく落とす打ち方です。

見た目にも格好よく、うまく打てると気持ちのいいショットですが、基本のアプローチよりも動きが複雑になります。

「今は、まだ必要ないと思いますよ」

そうお伝えしたのですが、Fさんは使いたい状況を次々と挙げ、なんとか教えてもらおうとします。

その熱意に根負けして、注意点を説明しながら、少しだけ練習してもらいました。


増やしたことで、基本まで分からなくなった

ふわりと上がって、ポトンと落ちる球は楽しいものです。

Fさんも夢中になって練習していました。

練習を楽しむことも大切なので、その時は「これも良かったのかな」と思っていました。

ところが、そのあとドライバーを打ち始めたFさんが首をかしげます。

「いつもより飛ばないです。右にも曲がります」

ロブショットで使った複雑な動きが頭に残り、普段のスイングまで分からなくなっていたのです。

そこで、その日は難しい打ち方をいったん横に置き、腰から腰までの小さなスイングに戻ってもらいました。

数球打つうちに、乾いた打球音が少しずつそろい始めます。

「今日は、増やす日じゃなくて、戻る日ですね」

Fさんが笑った時、私にも今日の言葉が改めて腑に落ちました。


小さくすることは、諦めることではない

『調子が悪い日は、やることを小さくする』

これは、諦めなさいという意味ではありません。

調子が悪い日にたくさんのことを考えると、判断も動きも、さらに複雑になります。

だからこそ、狙いや意識を一つか二つに絞り、崩れ方を小さくするのです。

ゴルフが上手な人も、いつも絶好調なわけではありません。

違いがあるとすれば、悪い日に無理やり好調へ戻そうとせず、その日の状態でできる形を選んでいることだと思います。

Fさんの場合なら、難しい動きを増やすのではなく、基本のスイングへ戻ることが「やることを小さくする」でした。


今日から試せる、小さな二つの選択

練習場でうまく当たらないと感じたら、まずスイングの大きさを小さくしてみてください。

フルスイングから、少し振り幅を抑えたスリークォーターへ。
それでも難しければ、腰から腰までのハーフスイングにします。

一球うまく打てても、すぐに大きく戻さず、同じ振り幅を何球か続けてみてください。

コースでは、無理に一打で遠くへ飛ばそうとしないことです。

350ヤードのホールなら、175ヤードを二回打てばグリーン付近まで運べます。

アプローチが得意なら、150ヤード、150ヤード、残り50ヤードという組み立てでも構いません。

調子の悪いものを無理に直そうとすると、その日の感覚だけでなく、もともと持っていた自然な動きまで崩してしまうことがあります。


悪い朝が、悪い一日になるとは限らない

朝から調子が悪いと感じた日。

最終ホールのグリーンでスコアカードを見ながら、首をかしげている自分がいるかもしれません。

「調子は悪かったのに、いつもよりスコアがいいな」

少し傾いた日差しの中、グリーンの上をトンボが横切っていきます。

朝は耳に刺さるようだった蝉の声も、帰る頃には少し遠く聞こえる。

調子を良くできなかった日でも、崩れずに帰ってこられたなら、それも十分にいいゴルフです。
あなたが最近、調子が悪いはずなのによい結果だったなと感じたことがあれば教えてください。


あなたは最近、調子が悪かったのに、意外とうまくまとまった経験はありますか?


いいなと思ったら応援しよう!

トモティー|大人から始める、やさしいゴルフ⛳️ 応援ありがとうございます😊