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思い通りにいかない日ほど、ゴルフは深くなる

『雨風は対応力を育てる』

思い通りにいかない日ほど、自分のゴルフがよく見えることがあります。
雨風の日は、少ししんどいけれど、大切な感覚を育ててくれる日なのかもしれません。


傘を差したまま、クラブを握る朝

雨がぱらつく朝のコース。

空は白く低く、芝は濡れてきらりと光っている。
傘のビニールに雨粒が当たる音が、静かなコースにぽつぽつと響いている。

いつもより靴が芝に沈む感触。
グローブの内側に伝わる、じんわりとした湿気。

「晴れた日じゃなかったな」

そんなふうに、少し肩が落ちる瞬間があります。

ゴルフを始めた頃、私は雨の日のラウンドが本当に苦手でした。

距離は出ない。
傘は邪魔。
グリーンは重い。
クラブを握る手も、なんとなく落ち着かない。

「こんな日にわざわざ来なくてもよかったかも」

そんなことを思いながら、ティーグラウンドへ向かっていた記憶があります。

もしあなたも、雨風の日のゴルフは苦手だと感じているなら、
それはとても自然なことだと思います。


「思い通りにいかない」が本番

晴れていて、風もなく、気温もちょうどいい。

そんな日は、ゴルフがとても気持ちよく感じます。
でもコースに出ると、そんな条件ばかりが続くわけではありません。

風が吹けば、いつもより一番手大きいクラブが必要になることがあります。

雨でグリーンが重くなれば、普段より少ししっかり打つ必要があります。

芝が濡れて地面が緩くなれば、少しのダフリでも大きく距離が落ちることがあります。

コースは、いつも「想定外」を用意しています。

練習場の打席は平らで、マットも同じ。
毎回、同じように構えられます。

でもコースでは、同じ状況が二度とないと言ってもいいくらい、条件が変わり続けます。

だからこそ、雨風の日のラウンドは、対応力を育ててくれる時間になるのだと思います。


私自身が一番苦手だったこと

少し自分の話をさせてください。

私は長い間、雨風の日ほど気持ちが弱くなるタイプでした。

「今日は条件が悪いから仕方ない」

そう思いながら、いつもより雑になっていたんです。

ルーティンを省いたり、素振りを端折ったり。

心のどこかで「どうせうまく打てない日」と決めつけていたのかもしれません。

そんな私の見方が変わったのは、ある先輩ゴルファーの言葉でした。

「いい条件のときだけ打てても、本当の力はわからない。
崩れた日にどう動くかを見ると、その人のゴルフが見えてくる」

その言葉を聞いてから、雨の日の自分を振り返るようになりました。

そこで気づいたのは、私は条件の悪さに対応していたのではなく、条件の悪さを言い訳にしていたということでした。


生徒さんが雨の日に変わった話

ある40代の男性の生徒さんにも、似たようなことがありました。

ゴルフ歴は2年ほど。晴れた日には100を切れそうなスコアが出るのに、雨や風の日になると120近くまで崩れてしまう。

そんな悩みを持っておられました。

雨の日に一緒にラウンドしたとき、ひとつ気になることがありました。
濡れた芝の上で、ボールの手前を少し打ってからインパクトしていたんです。

晴れた日や練習場では、そこまで大きなミスに見えない。
でも地面が柔らかくなると、水や芝が先にフェースにかんで、極端に距離が落ちてしまう。

距離が落ちる。
焦る。
力が入る。
また違うミスが出る。

まさに負のループに入っているように見えました。
そこで応急処置として、こうお伝えしました。

「右打ちの場合は、ボールをいつもより1個分だけ右足寄りに置いてみましょう。クラブも一番手上げて、無理に飛ばそうとしなくて大丈夫です」

すると、大きくスコアを崩さずに回ることができました。

もちろん、それはあくまでその日の対応です。

でも、その雨の日のおかげで、普段は見えにくかったすくい打ち気味の動きに気づくことができました。

後日のレッスンでそこを少しずつ整えていくと、晴れた日のショットにも変化が出てきました。

その生徒さんから後に、
「雨の日でも前ほど怖くなくなりました」
と聞いたとき、私はとても嬉しかったです。


今日の言葉「雨風は対応力を育てる」

雨の日は、悪い日ではありません。
晴れた日には隠れていたものを、そっと見せてくれる日でもあります。

距離が出ないなら、番手を変える。
グリーンが重いなら、少し強めに打つ。

風があるなら、低い球を選ぶ。
濡れた芝なら、無理にきれいに上げようとしない。

その一つひとつの判断が、対応力を育ててくれます。

思い通りにいかない日ほど、ゴルフの本質に近づいているのかもしれません。

条件が悪いからこそ、考える力がつく。
その力は、晴れた日のプレーにも静かに返ってきます。


今日から一つだけ試してみてください

次に雨や風の日にラウンドするときは、ひとつだけ試してみてください。

「今日は何を楽しめるだろう」
そう考えてみることです。

いつもの距離。
いつものスコア。
いつもの感覚。

それらを一度、横に置いてみる。

今日の風、今日の雨、今日の芝に合わせて、クラブと目標を選んでみる。

もちろん、うまくいかない日もあります。

でも、それは自分の悪いところを責めるためではなく、これから整えられる場所を教えてくれているのだと思います。

完璧に対応できなくて大丈夫です。

暗い顔で「今日は最悪だ」と思いながら回るより、
「この条件で何ができるかな」
と考えられたら、それだけでゴルフは少し楽しくなります。


雨上がりの芝の緑が、いちばんきれいだと知っている

ラウンドが終わるころ、雨が上がって空が明るくなる。

濡れた芝が光を跳ね返して、いつもより鮮やかに見える瞬間があります。

傘をたたんで、少し湿ったグローブを外して、
「今日はよく頑張ったな」と思えるあの感覚。

思い通りにいかない日を越えてきた体は、それだけで少し強くなっています。

雨の日のゴルフは、晴れた日より少しだけ多くのことを教えてくれます。


あなたは、雨風の日のコースでどんな気持ちになりますか?

よければコメントで聞かせてください。


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