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春のこわいもの/娘について

今朝、通勤途中の住宅地。入学式に出かける親子が自宅前での記念撮影をしていた。
微笑ましい光景が、昨夜読んだ川上未映子のせいでサスペンスっぽく見えてしまった。

桜の時期が旬の短編集の最後「娘について」は、15年も会っていない元親友からの着信に驚く”わたし”の描写から始まる。

 べつに自分が何かをした覚えもないのに、不安とも後悔ともつかない感情が突きあげて緊張が走り、一瞬で汗をかく。そういう予期せぬ小さな再会が、わたしは怖い。

「春のこわいも/娘について」より引用

ずっと会っていなかった中学とか高校時代に仲良かった奴から突然電話がかかってきたら、と想像した。
現実は、僕の古い友人が携帯番号を知っているわけがない。
それでも想像した。
恩師の訃報ぐらいしか思い浮かばない。
もしくは、僕を思い出して見下すような気分になっている人物の気まぐれか?

そう考えたら、いつか連絡を取りたいと思っていた幼馴染や同級生には、やはり今後も連絡できないと思った。

2011年、原発汚染情報の混乱で一人の仲の良かった友人を失った。永く会っていなかった彼が僕を原発反対デモに誘わなければ、今も関係は続いていたはず。
そのことをまた思い出してしまった。

今あらためて、フィルターバブルに覆われた人間同士の関係を憂う。


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