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靴下には6つの部位がある。 靴下はどうやって作られているのか、基本のすべて!

こんにちは!
靴下工房Toréを運営しているアクルです。

これまで大手アパレルOEMの現場で、中国工場と一緒に数百万足の靴下を作ってきました。

このnoteでは、その経験をもとに、普段あまり意識されない靴下の仕組みをできるだけ分かりやすく書いています。

靴下はとても地味な存在ですが、実は身体・工業・文化が交差する、なかなか奥の深い世界です。


毎日履いているのに、意外と構造を知られていないのが、靴下です。
地味なので。

シャツやパンツなら、生地を縫い合わせているので分かりやすいですね。
ニットなら、編んでいる。

でも靴下はなんでしょうね、あの形がどうやって生まれるのか、いまいちイメージしにくいですよね。

今日は、靴下の部位の名前と、どうやって編まれているのか、そして柄はどうやって作られているのかを解説してみようと思います!



靴下の地図

靴下には、部位ごとに名前があります。
上から順に見ていきます。

履き口
 
一番上の部分です。ポリウレタンなどの伸縮糸が編み込まれていて、ずり落ちないように足首を支えます。締め付けが強すぎると足首に跡が残り、弱すぎると靴の中で靴下がたまります。このバランスを取るのが設計の仕事のひとつです。

身部(レッグ)
足首からふくらはぎにかけての部分です。靴下のスタイル——くるぶし丈、クルー丈、ハイソックス——はここの長さで決まります。柄が入るのも主にこの部分です。

かかと(ヒール)
踵を包む立体的なポケット状の部分です。靴下を編む機械は基本的に筒状に回転しながら編みますが、かかとだけは往復運動で編みたてされます。この往復が、あの立体的な形を作ります。歩くたびに摩擦と圧力が集中するため、ここの設計がそのまま靴下の寿命に直結します。

足部 
足の甲(インステップ)と足底(ソール)に分かれます。ソールにはクッション性のためにパイル編みが入ったり、インステップには通気性のためにメッシュが配置されたりします。

つま先
靴下を編み終えたあと、最後に縫い合わせて閉じる部分です。縫い方が履き心地に直接影響します。これはあとで詳しく書きます。

こんなふうに分かれてます

丸編み機という機械

靴下は、丸編み機という機械で作られます。

円筒状に並んだ針が回転しながら糸を編み、筒状の生地を連続して作る機械です。上から見ると、針が円形に並んでいます。

一般に、針が細かく多いほど生地は薄く滑らかになり、針が粗いほど厚みのある表情になります。

靴下の現場では「ゲージ」や「針数」で、この生地の細かさを表します。

薄手のビジネスソックスは針数の多いハイゲージ、厚手のトレッキングソックスは針数の少ないローゲージで編まれます。

同じ「靴下」でも、機械の設定がまったく異なります。


こんな機械でくるくる編みます

シングルシリンダーとダブルシリンダー、二つの機械

丸編み機には、いくつかの種類があります。

靴下でよく使われる代表的なものに、シングルシリンダー機ダブルシリンダー機があります。

シングルシリンダー機は、ひとつのシリンダーに並んだ針で編んでいく機械です。現場ではK式と呼ばれることもあります。

現在の靴下生産で広く使われており、効率がよく、コンピューター制御によって柄・パイル・メッシュなど多様な表現ができます。

ダブルシリンダー機は、上下に二つのシリンダーを持ち、表目と裏目を組み合わせた編み組織を作りやすい機械です。

リブ編みのように、縦の畝があり、横方向に自然に伸びる生地を作るのに向いています。

ここで大切なのは、「ダブルシリンダーだから高級」「シングルシリンダーだから安物」という単純な話ではないことです。

靴下の品質は、素材、針数、裏糸、編み密度、先縫い、仕上げまで含めて決まります。

ただ、リブの立体感や自然なフィット感を重視する靴下では、ダブルシリンダー機が選ばれることがあります。

一長一短です

編み方で何が変わるか

靴下は、部位によって編み方を変えることができます。
同じ一足の中に、複数の編み方が共存しているのです!
すごいですよね?すごいんです。

平編み(天竺編み)
最もシンプルなベースの編み方。
凹凸がなく、薄く軽い。

リブ編み
縦に畝(うね)のある編み方。
横に伸びやすく、フィット感がある。
履き口や身部によく使われます。

パイル編み
ループを大きく引き出してクッションを作る編み方。
足底に使われることが多く、衝撃を吸収します。
トレッキングソックスや厚手ソックスのソール部分がふかふかしているのはこれです。

メッシュ編み
部分的に隙間を作る編み方。
通気性を高めるため、夏向けソックスや甲の部分に使われます。

いろいろ細かいことができます

ジャガード編みと、柄のしくみ

靴下に柄が入るとき、どうやって複数の色が出るのでしょうか。

靴下の柄の多くはジャガード編みで作られます。
ジャガードは組織の名前ではなく、柄を出すための制御技術です。

平編みやリブ編みの上に、ジャガードの制御を重ねて色と柄を作るイメージです。

丸編み機には複数の糸を同時に供給できる仕組みがあります。
コンピューターが針ごとに「どの糸を使うか」を制御しながら編むことで、表面に色の柄が生まれます。

使われなかった色の糸は、生地の裏側に渡ります。
靴下を裏返すと、表の柄に対応した糸が横に走っているのが見えますよね。
これをフロートといいます。

針が細かく多いほど、柄の解像度が上がります。
細かいダイヤ柄やドット柄はハイゲージ機でないと表現できません。
逆にローゲージでは、シンプルなボーダーや大きな幾何学柄が向いています。

柄の細かさと機械のゲージは、切り離せない関係にあります。

すごく複雑なことができます すごい

仕上げの二工程

編み上がった靴下は、仕上げ工程に入ります。

つま先のかがり(先縫い)
編み終わったつま先の開口部を縫い合わせます。
縫い方は主に二種類あります。

リンキングは、編み目を一目ずつ専用機の針に刺してかがる方法です。
縫い目がフラットで、靴の中で指先に当たる感覚がありません。
高い技術が必要で、手間もかかります。

ロッソは、機械で自動的に縫い合わせる方法です。
効率がよく量産向きですが、縫い目に厚みが出やすい。

どちらで縫われているかは、靴下を裏返してつま先を見ればわかります。

ボーディング(セット)
金属製の足型に靴下をはめ、高温の蒸気や熱でセットする工程です。
素材や機械によって条件は変わりますが、この工程で最終的な形とサイズが固定されます。
棚に並ぶあの整った形は、ここで生まれています。

筒みたいに出てくるものをこう仕上げます

知ると、少し変わる

靴下の部位、機械の種類、編み方、柄の作り方、仕上げ。

ここまで知ると、靴下売り場での見え方が少し変わります。

この靴下はどちらの機械で編まれているのか。
ジャガードの柄の裏はどうなっているか。
つま先はリンキングか、ロッソか。

手に取って、確認したくなりましたね。なったはずです。

靴下は毎日履くものですが、意外と知られていない道具でもあります。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

靴下工房Toréでは、「派手ではないけれど毎日履ける靴下」をテーマに靴下を作っています。

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