小さな粒と、小さな気づきと
お菓子を食べ終わった息子が、小袋の中に入っていた乾燥剤(シリカゲル)の粒を床にぶちまけた。
最近の息子は、なんでも開けようとする。
袋を見るとすぐに端っこを持ち、力いっぱい引っぱって、ちぎるように開ける。
力の出し惜しみも、強さの調節もできない。
中身を自分の目で確かめるまで、ほかの一切のことは頭から消えている。
その真剣な顔がおかしくもあり、とはいえ気を抜くとすぐ散らかるので、目が離せない。
ばらまかれた瞬間、いつものように「もうやめてよ……」と言ってしまったけれど、そこで一旦止まってみた。
息子には、お菓子の袋と乾燥材の袋の違いなんて分からない。
悪気のない行動に怒るより、一緒に片づける遊びにしたほうがいいかもしれないと思った。
プラスチックの小さなごみ箱を持ってきて、「ここに入れようか」と言うと、すぐに応じてくれた。
ぱらぱらと心地よい音を立てながら、ふたりで粒を拾ってゴミ箱に落としていく。
シリカゲルはきれいな球体で、大きさは全部揃っているものだと思っていたのに、意外にもまちまちだった。
袋ごとの重さが同じなら、不揃いでも問題ないのかも。
調べるほどではないものの、そう推測してみた。
急いでいたら見落としてしまうような細かいことに、息子のおかげで立ち止まる瞬間がある。
そんな時間が、強制的にではあるけれど、持てるのもいいなと思う。
足裏にくっついた最後の一粒までつまんで捨てきった途端、息子はちがう遊びを始めた。
今度はチラシや書類を入れている箱から、気になるものを引っ張り出している。
終始この調子なので、整った部屋なんてとうてい望めない。
でも、今はその流れに身をまかせている。
息子の世界の方が、毎日ちゃんと広がっているから、いいんだ。
そうやって、自分に言い聞かせている。
読んでくださって、ありがとうございました。
