疲れているときは、仕事を増やす返事をしない
はじめに
疲れている日に限って、連絡が重なることがあります。
「これ、今日中に確認できますか」
「少しだけ見てもらえますか」
「この件、対応お願いできますか」
「急ぎではないんですが、できれば早めに」
そう言われたとき、つい反射的に返してしまうことがあります。
「はい、大丈夫です」
「確認します」
「今日中に見ます」
「やっておきます」
その場では、そう返したほうが早い気がします。
相手を待たせずに済むし、話も止まりません。
でも、疲れているときの「大丈夫です」は、あとから自分を苦しくすることがあります。
返事をした時点では、そこまで大きな仕事に見えていなかった。
でも実際に手をつけてみると、確認することが多い。
別の作業も残っている。
思ったより時間がかかる。
気づけば、今日の自分では抱えきれない量になっている。
そんなことが、仕事ではよくあります。
疲れているときは、作業そのものだけでなく、返事の仕方にも少し気をつけたほうがいいのかもしれません。
疲れていると、軽く引き受けてしまう
元気なときなら、少し追加の仕事が来ても対応できることがあります。
予定を見て、優先順位を考えて、今日やるか明日に回すかを決める。
必要なら相手に確認する。
難しければ調整する。
でも疲れていると、その判断をする力も落ちています。
本当は少し考えたほうがいいのに、考える前に返事をしてしまう。
本当は確認が必要なのに、「たぶん大丈夫」と思ってしまう。
本当は今日中にできるか分からないのに、「今日中に見ます」と言ってしまう。
これは、責任感がないからではないと思います。
むしろ、責任感があるからこそ、すぐに返そうとしてしまうことがあります。
相手を困らせたくない。
仕事を止めたくない。
頼まれたことには応えたい。
できない人だと思われたくない。
そういう気持ちがあると、疲れている日ほど、余裕がないまま引き受けてしまいます。
返事をした瞬間に、仕事は増える
仕事は、手を動かし始めたときだけ増えるわけではありません。
「やります」と返事をした瞬間に、その仕事は自分の中に入ってきます。
まだ着手していなくても、頭のどこかに残ります。
忘れないようにしないといけない。
いつやるか考えないといけない。
間に合うか気にしないといけない。
相手への返答も気にし続ける。
つまり、返事をした時点で、仕事は少し自分のものになります。
疲れているときは、この「少し」が重く感じることがあります。
一つひとつの依頼は小さくても、いくつか重なると頭の中がいっぱいになります。
まだ作業していないのに、もう疲れている。
何から手をつければいいか分からなくなる。
自分で引き受けたはずなのに、あとから苦しくなる。
そういうときは、仕事の量だけでなく、返事の速さも見直していいのだと思います。
すぐに断る必要はない
仕事を増やす返事をしない、というのは、何でも断るという意味ではありません。
「できません」とすぐに言うことでもありません。
相手を突き放すことでもありません。
大事なのは、すぐに確約しないことです。
たとえば、疲れているときに
「今日中にできます」
「すぐ見ます」
「大丈夫です」
と返す前に、少しだけ間を置く。
そして、こんな返し方に変えてみる。
「確認してから返します」
「今日中に見られるか、今の作業を確認します」
「一度状況を整理してから返事します」
「急ぎ度を確認してもいいですか」
「明日の対応でもよいか確認させてください」
これだけでも、かなり違います。
すぐに引き受けるのではなく、一度、自分の手元にある仕事を見る。
今の体力で扱えるかを確認する。
相手の期待している期限を聞く。
そのための返事をする。
これは、仕事から逃げることではありません。
むしろ、雑に引き受けて後で苦しくならないための、仕事の進め方だと思います。
「大丈夫です」を少し分ける
疲れているときの「大丈夫です」は、少し危ない言葉になることがあります。
何が大丈夫なのかが、あいまいだからです。
今日中にできるという意味なのか。
内容を確認するという意味なのか。
対応まで終わらせるという意味なのか。
とりあえず見てみるという意味なのか。
相手と自分で、受け取り方が違うこともあります。
だから、疲れているときほど、「大丈夫です」を少し分けたほうがいいと思っています。
「確認することはできます」
「今日中に着手はできます」
「完了は明日になりそうです」
「今は判断できないので、確認して返します」
「急ぎなら、先に優先順位を相談したいです」
こんなふうに、返事の中身を少し具体的にする。
すると、仕事を必要以上に大きく抱え込まずに済みます。
相手にとっても、「どこまで対応してもらえるのか」が分かりやすくなります。
疲れている日の返事には、余白が必要
調子がいい日は、多少無理をしても持ちこたえられることがあります。
でも、疲れている日は違います。
一つ引き受けるだけで、思った以上に負荷が増えることがあります。
小さな確認が、頭の中に残り続けることがあります。
軽い返事が、あとから重い約束になることがあります。
だから、疲れている日の返事には、少し余白が必要です。
すぐに決めない。
すぐに引き受けない。
すぐに「できます」と言わない。
いったん確認する。
期限を聞く。
自分の作業量を見る。
必要なら、明日に回せるか相談する。
それだけで、仕事との距離が少し取りやすくなります。
まとめ
疲れているときは、仕事を進める力だけでなく、仕事を受ける力も落ちています。
そんな日に、いつもの調子で
「大丈夫です」
「今日中にやります」
「すぐ見ます」
と返してしまうと、あとから自分を苦しくすることがあります。
もちろん、仕事では返事が必要です。
相手を待たせすぎないことも大事です。
でも、すぐに確約することだけが、よい返事ではないと思います。
「確認してから返します」
「今日中に見られるか確認します」
「急ぎ度を教えてください」
「明日の対応でもよいか確認させてください」
そう返すことで、自分の状態と仕事の量を見てから、少し落ち着いて判断できます。
疲れているときは、仕事を増やす返事をしない。
それは、仕事を断るためではなく、引き受けた仕事をちゃんと扱うための工夫なのだと思っています。
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