『媚びる』と『喜ばせる』は、真逆です。 ブランディングから考えてみる
■ 氷点下の大晦日に、5万人が並んでいた
日系ホテルに勤めていた頃、年末年始は現場で迎えることが多かった。
ホテルの近隣のドームでは、毎年大晦日に芸能事務所Jのタレントによるカウントダウンコンサートが行われていました。外気が氷点下になるような寒さの中、5万人を超えるファンの女性たちが、グッズを購入するために長蛇の列を作っていました。
不平不満の声は、ほとんど聞こえませんでした。
皆さん、静かに、そして嬉しそうに並んでいました。
毎年その光景を見ながら、私はひとつのことを感じていました。
これが、究極のブランディングだと。
■ クレーム対応の現場で陥りやすい罠
30年間、ホスピタリティの現場でクレーム対応を担当してきました。
その経験の中で、一つの罠があることに気づきました。
クレームに向き合い続けていると、いつの間にか「お客様に媚びること」が顧客満足だと錯覚しやすくなります。無理な要望にも応える。理不尽なクレームにも謝り続ける。それが「お客様第一」だと思い込んでしまう。
しかし、それは違うと思っています。
■ 「媚びる」と「喜ばせる」は、真逆です
芸能事務所Jのタレントが5万人のファンを氷点下の中で並ばせても、誰も不満を言わなかったのはなぜか。
それは「媚びた」からではありません。質の高いパフォーマンスと演出で、ファンの心を掴み続けたからです。
「媚びる」とは、自分の基準を下げて相手に迎合することです。「喜ばせる」とは、自分の基準を上げて相手の期待を超えることです。
似ているようで、方向が真逆です。
媚びることで得られる満足は、一時的なものです。しかし圧倒的な価値を提供し続けることで生まれるブランドへの信頼は、氷点下の中でも人を動かします。
■ 目指すべきは、追いかけられる存在
クレーム対応の本質も、ここにあると思っています。
お客様に媚びるのではなく、誠実に向き合い、圧倒的な価値を提供し続けること。それが結果として、お客様から追いかけられる存在につながります。
お客様を追いかけるのではなく、お客様から追いかけられる。
ブランドの強さとは、突き詰めればそういうことではないかと思っています。
「うちの場合はどうなるか」を一緒に考えたい方は、ぜひいらしてください。
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