「なぜ、よそで成功した施策がうちでは機能しないのか」 オーダーメイドコンサルの視点から
玄関先で、立ったまま
日系ホテルに勤めていた頃の話です。
ベルデスクでのお荷物のお渡しが遅れ、スタッフの対応も良くなかった。そのクレームを受けた私は、埼玉の行田まで直接お詫びに伺いました。
最初は、医院にも上げていただけませんでした。
玄関先で立ったまま、どれくらい時間が経ったでしょうか。ふとしたきっかけで、私がルフトハンザで仕事をしていたことをお伝えしました。
その瞬間、空気が変わりました。
経営者の女性は、かつて日本航空のクルーだったのです。航空という共通の文脈が、閉じていた扉を静かに開けました。
これが、サービスリカバリーパラドックスというものだと思っています。誠実な対応が、クレームを縁に変える。そしてその縁は、普通の出会いよりもずっと深いところから始まります。
その方はその後、ご来館のたびに私と「カスタマーサービスとはどういうものか」を話し合う関係になりました。
教科書と真逆の提案
ある日、その方がこんなことをおっしゃいました。
「集客のために営業時間を長くして、患者さんの無理難題にも応えているけれど、正直しんどい。でもそうしないと患者さんが来なくなるんじゃないかと思って」
私は少し考えてから、こう申し上げました。
「思い切って、営業時間を絞られてはどうでしょう。患者さんとの対応にも、一定のラインを設けられてはどうでしょう」
カスタマーサービスの教科書とは、真逆の提案でした。
私がそう申し上げたのは、その方の状況を見ていたからです。疲弊した状態で診療を続けても、質の高いサービスは提供できません。無理な要望に応え続けることで、本当に大切にしたい患者さんとの関係も損なわれていく。
私自身のポリシーとして、「質の良いお客様に残っていただく」という考え方がありました。不良な顧客は丁重にお断りする。それによって、本来大切にすべき関係が守られると思っていたからです。
しばらくして、届いた言葉
しばらくして、その方から連絡がありました。
「営業時間を絞ったら、心理的な不安が軽減されました。そして売上も良くなりました」
この経験が、私のコンサルティングの原点になっています。
「もっとお客様に寄り添いましょう」と言うのは簡単です。ただ、その方の状況、性格、事業の文脈を見ずに、教科書通りの提案をしても意味がないと思っています。
提案に際し、私がこころがけること
AMEXで日本初のWXPプログラムに携わったときも、航空やホテルの現場にいたときも、感じ続けてきたことがあります。
相手のニーズを的確に把握することから、全ては始まる。
業種、規模、社歴、そして経営者の意思決定スタイル——それを把握した上で初めて、提案の形が決まります。これが私のコンサルティングがオーダーメイドである理由です。
「うちの場合はどうなるか」を一緒に考えたい方へ
個別の状況に合わせた話は、セミナーや個別相談でお伝えしています。
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