『本屋、はじめました』を読んで考えたこと(下)- 初年度の売り上げと利益
こんにちは。「本屋を始めたい夫婦」の夫です。
今日も前回の記事の続き。辻山良雄さんが本屋Titleを始めるまで、そして初めてからの数ヶ月間をリアルな数字(初期投資や経費、導入したツールなどまで)を綴った「本屋、はじめました」を読んで学んだことを記していきます。
自分自身の備忘録として気軽に書き始めましたが、まさかの三部作に。それだけ学びになったこと、考えたことが多いということ。今回はいよいよ、本屋を開店してからのリアルです。
いきなり余談。妻が児島青さんの「本なら売るほど」を買ってきた。待ち望んでいた一冊!!この記事投稿し終わったらすぐ読みます。
店に命が吹き込まれる瞬間
どんなに良くできた店でも、誰かがレジでお買い物をしてくれるまでは、店とは言えません。Titleもそこで本が売れて、初めて店としての息が吹き込まれたようでした。そこからは、どこで開店を知ったのか次から次へとお客さまが押し寄せ、レジは順番待ちになりました。
<中略>
店は二十一時閉店ですが、最後のお客さまを送り出したのがそれを二十分ほど過ぎたところ。シャッターを閉めてお金を数えてみると、売上は五〇万円ほどでした。月の売上目標は二五〇万円くらいと決めていましたが、特に一日の予算を決めているわけでもなく、開店景気は見込んでいたとはいえ、十二〜十三万円売れればいいなと思っている日曜日で、それを大きく上回る売上は上々のスタートと言えるでしょう。お札の束を数えていると、それが初めて自分で稼いだお金のようにも思え、しばらくそれをじっと見ていました。
辻山良雄さんは開店前から店を知ってもらうため開店準備と並行してブログを書きながら、ウェブサイトを作り、開店1、2ヶ月前からウェブサイト、公式Twitter(X)なんかもスタートしていたそうです。
その結果、開店初期には「ブログを見てきました」という人も多かったんだとか。しかしそれでも開店初日に50万円はすごい。
僕たちは開業するかもわかっていない段階でこうして発信活動を始めましたし、本屋をやると決まったらかなり早い段階から力を入れていきたいと考えています。ギャラリーイベントもスタート段階から企画して、自分たちが好きなアーティストさんの展示会やトークイベントと合わせてオープンできたら楽しいだろうな…と夢想中。
開店してしばらくは、もともと開店を知っていた業界関係者や、独立系書店を回るような本好き・本屋好きが多く訪れ、リトルプレスや専門書などを多く買っていったそう。最初の頃は「わざわざきた」人が体感7割くらいだそうです。
一方、徐々に年配の方や子連れの夫婦など、近所の人も増えてきたそうですが、意外なことにそうした近所に住んでいそうな人も高額な専門書や、いわゆる本好きが買いそうな本を買っていったそう。
Titleにくるお客さまがどこに住んでいるかを細かく気にするよりも、Titleに来るお客さまはどんな本を読むのか、そして読まれる本にはどのような共通点があるのかを探していくほうが、店の品ぞろえを考える際に重要だと思います。
<中略>
開店して一週間も経つと、想定していたよりも、実用的な本が売れていないことに気づきました。駅前の大きな書店ではなく、わざわざTitleに来てくれるようなお客さまは、やはり他にはないものを買う傾向があります。一方で、「こうしたこだわっていそうな店には、自分がいつも買っているような本はどうせ置いてないだろう」と思い、そもそも店に入ってこなかったり、さっと見回してすぐに出ていってしまうお客さまも多いということです。
本屋のラインナップは、辻山良雄さんの趣味にあったコアなものを4割、広く受け入れられそうなものを6割程度と考え、趣味性の高い文学や芸術、歴史・民族などと、実用性の高いレシピや家庭の医学、ビジネス書や旅行ガイドなどを並べていました。
広く受け入れられそうな実用性が高いものは売上を期待して入れたはずが、趣味性の高いものの方が売れた、というのは意外な発見です。
この辺は選書するにあたって注意したいところ。30代ビジネスパーソンである僕が読む本は実用的なビジネス書が多い。けど、そうした本が欲しければビジネス街の紀伊國屋とかにいくのが一番いい。僕もそうしてる。
つまり、今僕が読む本、好きな本と、独立系書店に来る人とは層が違う。ここの感覚を掴めずに選書すると痛い目を見そう。
幸い、妻はその辺が得意だと思う。ZINEにもアンテナ張って買ってる(僕は参考文献が数十ページあるような重たい本が好きなのでZINEはほとんど買ったことがない)。
妻はマンガも王道のところから少しズレたものをピックアップしてくる(数年後にそれがドラマ化してたりするから、アンテナの精度は高いんだと思う)。
とはいえ僕は僕で、5年、10年平積みされているようなビジネス書を初版で持ってたりする。小説も教科書に載るような古典を中心に通ってきているので、「王道」を見つける力はあると思う。
僕と妻は本の好みが大きく違うからこそ、この辺のバランスをとっていけるんじゃないかな。この辺は一人じゃなくて、二人でやることの強み。
また、Titleでは学習参考書やライトノベルを扱わず、コミックもごく少数とのこと。その理由は、学習参考書は品揃えが重要(シリーズが揃っていたり、赤本だといきたい大学の本がないと意味がない)だけど、小さな本屋ではどうしても中途半端になってしまうから。ライトノベルやコミックについては、何が面白いのか説明したり、おすすめできるほど自分が詳しくないからとのこと。
この感覚も大事にしておきたい。学習参考書は大型書店に勝てないし、ニーズも細分化されていて個人書店には向かない。自分が詳しくないものを扱ってしまうと、本好きのニーズに応えられない。
ですが意外なことに文藝春秋やコロコロコミックなど、一般的な雑誌は置いているそう。その理由はショーウィンドウにそれらを並べて「あなたが欲しいものがあるかもしれませんよ」と伝えるため。
なるほど。マンガ週刊誌みたいな書店はおろかコンビニでも買えそうなものを置く意味はないと思っていたけど、そうしたものを置くことでターゲットを広くとることができるのか。
初日50万円というかなりの売上を出したものの、開店景気も落ち着いた二月、三月は目標の250万円に届くかどうかという水準。そしてそうした時に何をするかが重要。
売上は種をまく時期と、刈り取る時期とがあり、悪くなった時期に何をするかで、その後の展開が違ってきます。
<中略>
Titleでも三月あたりから根気よく本の紹介をし続け、いろいろなメディアにも出ることにより、コアな本関係者以外にも少しずつTitleの名前が浸透していったようで、一般のお客さまが来られるようになりました。それから売上も再度伸び始め、六月末には開店景気のあった一月の売上を上回り、三百万円に達しようかというところまで至りました。ある程度底打ちすることで、その店が通常だとどれくらいの人が来て、いくらの売上になるのかがわかります。それにイベントなど通常とは別の要素を積み増しして、売上を伸ばしていくのです。
僕もマーケティングの仕事をして痛感しているのは、新しいことを始めた最初、売上を出すのは簡単だということ。何も言わずに来てくれる人、どこからか探し出してくる人、いわゆる「アーリーアダプター」が一定数存在する。付き合いで買ってくれる友達もいると思う。
難しいのはそこから一般のお客さんに広げていくこと。アーリーアダプターは一度は来てくれるけど、次また新しいものを見つけにいくので、常連になるわけではない。
もちろんアーリーアダプターが最初に来て、売上に弾みをつけて、さらには拡散なんかもしてくれて、一般に広がっていくという側面もあるけど、やっぱりそうした人と一般のお客さん、常連になる人とはタイプが違う。
Titleではウェブサイトに「毎日のほん」というコーナーを用意して、毎朝一冊簡単な紹介文を添えて更新しているそう。それをTwitter(X)にも投稿しているそうですが、それによって店頭でも「毎日のほんを楽しみにしている」と言ってくれる人がいるんだとか。
しかも「毎日のほん」はアーカイブも残さず、本の表紙も載せずタイトル、著者名、出版社、140文字ほどの紹介文だけ。
たしかにこの形だと、どんな本なんだろうと気になって本屋にいくかもしれないし、アーカイブが残らないからTwitter(X)をフォローしておこうとなりそう。
上手いやり方。
新しく入荷した本の写真を撮ってSNSにあげるとかは多くの本屋がやっていると思うけど、ちょっとやり方を変えるだけで来店につながる仕組みになっている。全く同じことをやる必要はないけど、毎日コンテンツを生み出せる仕組み、それが来店につながる仕組みは考えておきたい。
その本を手にとり、ぱらぱらめくって眺めながら、思い浮かぶことを二、三のセンテンスにして言い切るのです。
またその際には、なるべくその本の帯などで宣伝している文句とは重ならないように気をつけています。
<中略>
書店の店頭によくある書店員が書くPOPもまったく同じことが言えます。自分の思ったことを素直にそこに書くことがそれを見たお客さまにいちばん伝わります。最初は下手でもいいから書いているうちに、自分なりの方法が見つかるのです。
<中略>
商いの基本からいうと、売りたい商品をほめ、紹介するのはどの商売でもあたりまえのことなので、それは店頭であろうが、ネット上であろうが同じことだと思います。本を紹介し続けるのは、Titleはこういう店ですよということを広く紹介するためでもあり、店のファンづくりと思いやっています。それを見る人が増えれば、店に来るお客さまも増えます。
(ここまで書いていて思ったが、このペースだと全然終わらない。上・中・下の三部作で収まらない。なのでここからはペースアップして、箇条書きスタイルで端的にまとめていきます。最初からそうすればよかったのか…)
本屋の接客
Titleには書店によくあるPOPがない。本の内容は読めばわかるので、本屋は本一冊一冊がきれいに見えるように並べることが肝。本屋はなるべくお客さまと本との出会いを邪魔しないようにする。小さな店だとPOPが多いとうるさくなってしまう。
そのため店のレイアウトも、店員の視線を感じにくい雰囲気になっている。視線を感じるとゆっくり本を選びにくい。
本の並べ方は「意外性」を重視。かといって独りよがりな独自性を出してわかりにくくならないようにすることとのバランスが大事。基本的なジャンルわけは抑えながら、はみ出たものを入れていく。それが引っ掛かりポイントとなって、人の足・視線を留める。
本屋に接客は必要ないとされるが全くないのも問題。こちらから声をかける必要はないが「人は誰かに何かを薦められたがっている」のも事実。何か紹介してくださいと声をかけられることもある。
積極的にコミュニケーションを取る必要はないがレジで「前から来たかった」と言われた時に少し会話したり、SNSで紹介した本が買われた時に「見ていただいたんですか」と声をかけたり、自然なコミュニケーションは必要。そうした話からもう一冊買ってもらえたりする。
正直、本屋の接客なんてあまり考えたことがなかった。レジで「ブックカバーおつけしますか?」と聞かれる程度。大型書店だとその程度だけど、小さな書店にいくともうすこし一言二言、会話、というほどでもないやり取りが発生している。
この感覚の違いは何なんだろう。でもそうした小さなコミュニケーションが2回目の来店のきっかけになるというのは、思い返せばたしかにある。
イベントの力
Titleでは本の著者や、本の装飾の原画展などのイベントを開催。他にも写真やイラストの作家の展示会も行っている。ものによってはかなりの売上、来店に繋がったものもある(会期中に170冊売れたり、新聞に取り上げられて道案内の電話が毎日かかってきたり)。
展示会などのイベントはファンに来店を促すことはもちろん、ぼんやり「いつか行ってみようかな」と思っていた人に来てもらうきっかけになる。
展示会は作家・出版社から要望をいただくこともあるが、こちらから依頼することもあり、半々ほど。スペース料などは頂かない代わりに、他にはないオリジナルなものを用意するようにお願いしている。展示のために作った作品やリトルプレスが中心だが、そうしたものがあると不便な場所でも人が来てくれる。
トークイベントも月に3~4回行っており、イベントの時に店舗の什器を動かして30人弱を収容。新刊発売をきっかけに依頼がくる、依頼するの両方があるが、企画をして「依頼する」ことが重要。店発信のイベントを中心にしないと店のコンセプトと外れたイベントになるため、ハンドリングしていく。
僕もイベントはかなり力を入れていきたいと思ってる。著者を呼んだトークイベントもやりたいけれど、Titleがある東京と違って僕がいる大阪はもう一つ難易度が上がりそう(著者も出版社も東京の方が圧倒的に多い)。
とはいえちゃんと企画してやっていくビジョンは持っておきたいし、ギャラリーイベントにはもっと力を入れていきたい。アート、絵画系の本も多く扱いたいし、シナジーは生まれると思う。
なにより、自分が作った空間が「本を買う場所」以上のものになって欲しい。普通は出会えない人に出会えるとか、普通は聞けない話が聞ける、普通は見れないものが見れる、普通は知り合わない人と知り合える。ハードルはいっぱいあるけど、そういう場所を作りたい。
本屋の仕事を拡張する
本屋はただ「本を仕入れて売る場所」ではなく「本をさまざまな形で扱い、仕事にする」もの。実店舗以外の事業はこれからますます重要になっていく。
Titleでも開店後すぐ、通販をやっていないのかという相談をいただくようになり、実店舗を補完する「売り場」としてウェブショップをオープン
ウェブショップはTitleで売れる本の特徴を見た上で、実店舗での売り方が反映されることを意識。取扱点数を増やす、珍しいものを仕入れるのではなく、TitleのSNSで紹介した本、Titleで売れた本に対して、丁寧に紹介文を書いて売っている。
数あるウェブショップの中で選んでもらうためにオリジナリティあるサービスを考える。SNSでの本紹介が店の特徴として認知されていたので、季節ごとに本を紹介したエッセイを1枚の紙にまとめて同封。顔の見えないお客さまとのやりとりが無機質にならないように心掛ける。
オンラインショップはSTORESを利用。
他にもブックレセプションも行っている。雑貨屋やカフェなど本屋以外で本を置きたいという店から依頼を受けて選書する仕事。依頼主の店の雰囲気や客層を確認した上で選書を行うが、Titleらしさを失わないように意識。店舗をやっているとどういう人がどういう本を買っていくのかイメージができるため、選書にも活かすことができる。
本屋の仕事を拡張するアイデアはいろいろと膨らませているところ。というか、おそらく僕は性格的にも、能力的にも(本屋のレジに座って価値を発揮できるタイプではないと思う)、本屋”以外”で売上を作る方法を複数考えてからじゃないと「本屋をやる」という最終決断をしないと思う。
noteやYoutubeでのコンテンツ発信による収益を目指したり、書籍の執筆など出版事業もやりたい。マーケティングの経験を活かした仕事も考えられるかもしれない。
実店舗を構えビジネスをやる。そんなに生優しいことではない。
市場環境が変わったからといって柔軟にビジネスモデルを変えられるわけでもないし、コロナパンデミックみたいな、実店舗に直接的に損害を与える環境変化もあるかもしれない。
僕は「本を読む」という行為は100年後も残っていると思っているけれど、数百年前は王侯貴族か宗教家くらいしか本を読んでいなかったわけだから、「本を読む」という行為そのものが廃れていく可能性だってゼロじゃない(ゼロに近いとは思っているけど)。
本屋の仕事を拡張して、少なくとも30年くらいは自分たちが食っていけるくらいには稼げるようにしておきたいし、拡張した仕事をうまく回して自分が作った場所が50年、70年、自分の次の世代に引き継げたら最高だなと思う。
新刊を仕入れる
新刊は取次が決めた店のランクとパターンにより、自動的に送られてくる仕組みになっている。店の実績によるため、大型書店ほどいい本が入ってくる。
こうした配本制度は選書しなくてもいい(仕入れが自動になる)というメリットもあるが、店に合わない商品も大量に入ってきてしまう。そのためTitleは自動配本を断っている。
自動配本がないということは全て自分で選書して注文を出さないといけないということ。日々のリサーチ、出版社に新刊案内を送るよう依頼し、必要な本を注文している。
出版社によっては小さな本屋からの注文を受け入れてくれない場合がほとんどで、日販など取次を通すことになる。日販の倉庫にある本なら新刊発売から2、3日遅れで大手出版社の本を手に入れることができる。
著者をフォローすることも重要。新刊が出たら扱いたい著者のSNSをフォローしておき、事前情報を察知。出版社の知り合いがいればあらかじめ声をかけ、発売と同時にフェア・イベントができないかなどを相談。そうした企画が実現すれば起爆剤になる。
新刊の仕入れは、調べれば調べるほどイメージが難しくなる。
取次があって、パターン配本で自動で送られてくるのがデフォルトで、断ってもいいけれど、出版社に直接依頼してもいいけど小さな本屋を相手にするところは滅多になく、話題書だと大手に配本が偏り頼んでも手に入らないことも多い。
ここが多分、一番難しくて苦労するところだと思う。僕たち二人ともに経験もノウハウもない部分。
でもまあ、みんななんだかんだやってるわけだし、何とかなるだろう、と楽観的に見ています。
本屋店主の日常
11時オープンだが9:30に店に行き、荷物を開梱。店に行く途中で銀行に寄って振込や両替金の確保を行うことも。
毎朝3箱ほど、単行本で30冊ほどが入ってくる。お客さんからの注文品は抜き取り、それ以外を棚に並べる。
この時難しいのが、新しい本を入れるために、どの本を外すか。当然、売れた分だけの仕入れじゃないので新しい本を入れるために返本を決断しないといけない本も出てくる。返本する本を決めたら返本用の段ボールに荷造り。居場所のない本が散らかっていない状態を開店までに作る。
その後、店を掃除し、音楽をかけ開店。開店したらTwitter(X)で開店報告。注文してくれたお客さんに届いたことの報告連絡を行ったり、売れた本の追加注文、新刊の確保、入荷した本の紹介文を書く、イベントの企画や連絡、メディア掲載やウェブサイトの更新などを接客の合間にこなしていく。
21時に店を閉め、清算作業。その後、カフェの片付けを行う。晩御飯はコンビニか、カフェで食べるか、帰りに外食。
店の定休日も溜まっている仕事やイベント出演などで大体終わり。
やはり自分の店を持つのは大変。裁量がありやりがいと幸福感はあるだろうけど、仕事時間は普通の会社員より伸びるのは間違いない。
僕はそこまで心配していない。もともとハードワーカー気味だし、仕事が終わってから仕事以外の生産活動をやってきたし、土日もいろんなプロジェクトに首を突っ込んで、何も予定がない完全フリーな日がほとんどない期間を過ごしていた経験もある。
個人的には、仕事のしんどさ、労働時間より、自己決定、裁量、雑な言い方をすれば「やりがい」の方が大事だと思う。裁量のない仕事、命令され、周りに振り回される仕事は一時間でもどっと疲れるが、自分で選び、自分の判断で動ける仕事は1日12時間やってもそんなに疲れない。
1年間のリアルな売り上げ
この本のすごいところは開店一年目の決算資料を最後に載せてくれているところ。
そこを見ると、本屋Titleが開業した2016年(10月決算なので1月半ばに開業してから10月末の期間)の営業成績を見ることができます。
それを見ると、書籍の売上が約2000万、カフェ・その他が700万ほど。カフェはフードメニューの開発が遅れ予想を下回った一方、書籍の売上は想定以上だったそう。
そして仕入れを除いた粗利が850万円ほど。そこから家賃、光熱費、消耗品などの経費が170万円ほど引かれ、給料(辻山良雄さんと奥さんの役員報酬とアルバイト代)が420万円ほどで、最終利益が250万円。
辻山良雄さんほどうまくやれるかはわからないけど、それでも勇気づけられる数字。
本屋Titleは借入を行わず自己資金1000万円でやっているけど、もし借入して5年返済だとして、1年間の返済が220万円くらい(日本政策金融公庫のシミュレーション)だから、借入していても利益が残る水準(本屋Titleの営業成績は約10ヶ月分なのでもうちょい余裕がある)。
僕たち2人でやっていくなら当面は給料を気にしなくていい(しばらくは貯金で食いつなげる)と考えると、思ったより現実的な数字に見える。
借入の返済を考慮したとしても、最低限の生活費くらいは稼げる可能性がある。
リブロで長年の経験がある辻山良雄さんと、僕たちでは全然違う点もあるけど、逆に僕たちの方が強い部分もあると思う。
オンラインで認知を広げるマーケティングは僕の得意分野だし、いずれ紹介したいけど妻は革細工が得意で僕の財布や家で使っているコースターなんかを作っているので、利益率の高い雑貨を作ることもできる。前回の記事で触れたように、アートなどより単価の高いものも扱うことができると思う。
ということでここまで全3回に渡って「本屋、はじめました」を読んで学んだこと、考えたことを記してきましたが、何も考えず思ったことを書いていたらどんどん肥大化してしまい、後半はかなり駆け足になってしまった。
この記事には3つの役割がある
一つは僕自身が「本屋やりたい!」を具体的にイメージするために学んだことをしっかり記録しておき、自分のアイデアを残しておくこと。読んだだけでは頭から消えていくけど、書くことで記憶に残る量は増えるし、何より自分のアイデアやイメージを言葉にすることができるのが大きい。
(文章の構造とかなにも考えずに書いているので、かなり読みにくい記事だと思う…)
もう一つは、こうしてnoteにアウトプットしておくことで、いざ本屋をやるために動き出した時、僕たちのことを知っている人を一人でも増やしておくこと。
夫婦二人で本屋をやる、といっても実際には二人でやるわけじゃない。いろんな人にアドバイスをもらい、協力してもらい作っていく。こうした記事を残しておくことで、もしかしたら本屋を始めた時、興味を持って訪れてくれる人が出てくるかもしれない。
そして三つ目は、妻に僕のアイデアを伝えること。本屋経営や業界に関する本は何冊か読んで、妻とも喋っているけど、やはりこうして文章にすると伝わり方は全く違う。本屋Titleの実話からいろんなヒントが得られることはもちろん、僕がどんなことを思い、考えているのかも少しは伝わると思う。(だからちゃんとここまで読んでね)
ので、最後に妻へのメッセージ。
「本屋、はじめました」をリビングに置いておくから、218ページからの「文庫増補章 その後のTitle」の部分だけでいいので読むこと。
ここまで紹介したのは開業1年目までの内容だけど、最後は開業して5年経って辻山良雄さんが学んだこと、考えたことが書かれている。その中には、大手書店を辞めて独立系書店を始めて5年が経ち「後悔していないのか?」新しく本屋を始めようとする人へのメッセージも書かれている。ここはぜひ、僕の言葉じゃなく、辻山良雄さんの言葉で読んでほしい。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップは本屋開業費用に使わせていただきます!