AIと作った理想の「本屋&カフェ」が、商標侵害と1,800万円の壁にぶち当たった
夢を語るのは簡単だけど、目に見える形にするのは難しい。そして自分の夢をGeminiとディスカッションしたら、1800万円のコストを突きつけられただけでなく、商標侵害リスクまで明らかになった。
こんにちは。本屋を始めたい夫婦の夫です。
以前の記事でGeminiと店舗イラストを作りましたが、その時はシンプルに僕がkeynoteで描いた雑な図面をイラスト化してもらっただけでした。
が、これはGeminiの使い方として、スジがよくないと思う。
もしGeminiじゃなくて店舗デザイナーや建築家と話をするなら、こんなやり方はしないはず。理想のイメージを少しずつ言語化して、相手からの質問に答えて、一緒にイメージを固めていくと思う。
ということでこの記事ではGeminiとディスカッションしながら作り上げた店舗イメージ(めっちゃいいものができた)、それだけでなく、店舗イメージを実現するための現実的なコスト(心が折れる)、さらにはやり取りしていて気になった法律的なリスク(ま、話半分で)などをGeminiと話し合いました。
ディスカッションの始まり:タスクではなく、目標を伝える
まず最初にGeminiには具体的なアウトプットを出すのではなく、「最終目標」を伝えた上で「最終目標を達成するために必要な質問」をするように依頼。

Geminiから与えられた質問はこの4つ。
建物の外観とファサード(顔)について
空間のゾーニング(1階と2階の役割分担)
内装の「質感」とターゲット層に響く雰囲気
お手元のKeynoteの平面図について
本当は大元のアイデアからディスカッションしたかったけど、これまで何度も「古い一軒家を買ってリノベして、1階を本屋、2階をカフェ&ギャラリーにしたい」と伝えていたので、それを参照している様子。
(別の機会に「他のチャットでのやり取りを全て無視した上で」と聞いてみると、また違ったディスカッションができるかもしれない)
これに対して一つ一つ、丁寧に答えていく。これが案外難しい。
例えば2つ目の質問には次のように回答。
1階は本屋で、壁一面に本棚。階段下のスペースにレジカウンターを用意し、雑貨(トートバック、マグカップ、コースターなど)を扱う。島陳列の場所を2つ用意し、新刊本、注目本、フェアなどピックアップコーナーを作る。
2階はカフェ&ギャラリーで、階段を上がって右手側にカフェカウンターがある。カフェカウンターの中にはマグカップやコーヒーマシーン、電子レンジなどの調理器具が置かれている。お客さんが座るカウンターは壁側に沿ってL字に配置。壁に向かうことで、コミュニケーションよりも読書に集中できる環境を作る。壁には絵画などアート作品を並べておく。1階で本を買い、2階でコーヒーを飲みながら本を読み、少し読み疲れて顔を上げた時にアートが見える、そんな空間にする。しかしコミュニケーションをとる、グループ客も想定し、壁側のカウンターの他にソファーとローテーブルで4〜5人程度のグループ客が楽しめる場所も用意する。
こんな感じのやり取りを何度かして、僕が作ったkeynoteの平面図もシェアして最初にアウトプットされたのがこちら。

ツッコミどころはいくつかある。まず外観から見える店内が、1階平面図と一致していない(階段がなくなってる)。建物の規模に対して2階カフェが小さすぎ(というよりは1階が広い)。
そこでまずは外観を修正することに。
本屋の外観を完成させる
店舗の規模感をもう少し小さくする
外から見た店内を平面図と一致させる
などの修正を行なった結果、でてきたのがこちら。

Geminiは「1階の全面ガラスを通して見える内装を、提供していただいた平面図(image_1.png)および横面図(image_0.png)に完全に合わせました」と自信満々に回答しているけど、提供した平面図とのズレはあるし、何より階段がエッシャーの騙し絵みたいになっている。
とりあえず雰囲気は「A.木と古レンガ」が近いので、それを元に調整してもらうことに。何度かやり取りした結果が、、、

かなりイメージに近い外観になってくれた。
とはいえ店舗の形はもう少し間口が狭く、奥に長い形をイメージしていたし、道路側に向かって外から見えるショーケースを用意したかったんだけど、、、
まあ外観はあくまで外観なので、ざっくりでいい。
こだわりは、道路側をガラス張りや大きな窓にして、外から店内が見えるようにすること。
個人経営の小さな書店ということで、隠れ家的な雰囲気もいいんだけど、気軽に立ち寄れる、開かれた空間にしたい。遠方からきた人がすぐに見つけやすいように、仕事帰りに前を通りかかった近所の人がふと中を覗いて「あ、この新刊出てたんだ」と見つけて入って来れるように。
逆に2階のカフェ&ギャラリーは隠れ家的な雰囲気にしたい。外の喧騒から離れて、読書に集中できるような空間。なので窓を小さくしてもらった。
外観が整ったところで、次は1階本屋の内観イメージ。
変な扉が出現した1階本屋

すでに平面図は渡していたけど、ここでもやはり「必要な質問があればしてください」とディスカッションを依頼。
階段の手すりなんて全く意識していなかったし、他にも「ショーケースには何を並べるのか?」や「トイレの扉は何色か?」など細かな点を聞いてきた。正直、今の段階でそうした細部が必要なのかわからないけど、できる範囲で答えていく。
最初に出てきた画像は平面図とズレがあったので修正を依頼。レジカウンターもネット検索ででてきたイメージに近い画像を渡すなど何度かやり取りして出来上がったのがこちら。

規模感も陳列も、かなりイメージに近い。
本棚の奥に謎の扉があるけど、多分トイレ。平面図ではレジ横に設定していたけど、勝手に移動させられた。でも出来上がりを見ると違和感はないのでOK。
こだわったのは規模に合ったシンプルさ。両面を全部本棚にすることで、ある程度の蔵書量は確保できる。島陳列のところに背中合わせの背が高い本棚をおけばさらに本を増やせるけど、それよりは開放感を重視することに。
レジを奥に配置したのもこだわり。一般的な店舗では万引き防止のため、出入り口側にレジを置くことが多いらしいけど、ガラス張りで外から中が見える外観的に、レジが手前側だと圧迫感がありそう。
これくらいの規模感だと、レジカウンターが奥にあっても十分全体を見渡せるし、2階カフェ&ギャラリーとの導線も考えると、奥で良さそう。
次は2階カフェ&ギャラリー。
建物の構造上の矛盾が解消されないカフェ&ギャラリー

ここでもまずは「必要な質問をして」と依頼。カフェカウンターの素材とか、あまりイメージしていなかったけど、Geminiが提案した「カフェとしてのアクセントを加えますか?」を採用。僕が深緑が好きなので、深緑のタイル張りカウンターにすることに。
が、ここからが結構大変だった。
最初にアウトプットされたのは、駅前のスタバのようなかなり広いカフェ。いやいや、民家の2階だよ?ということで規模感を修正したり、平面図に合わせるよう指示を出したり…
いい感じになってきた!と思ったら、平面図にはない謎の扉が出現したり…
少し前のGeminiだとやり取りしているうちにどんどん変な方向にいって、別チャットでやり直し、というのが多かった印象だけど、今のGeminiはそんなことない。ちゃんと指摘したら直してくれる。
そうして完成した2階カフェ&ギャラリーがこちら。

ちなみに、1階の構造的に階段がこの向きになるはずがないんだけど、ここだけは修正できなかった。具体的に指示すれば修正できるんだろうけど、言葉で支持するのが難しい(平面図と違うよ?と言っても治らなかった)。
ま、今はイメージを固めていきたい段階で、実際にどのような場所になるのかは物件次第なのであまりこだわっても仕方ない。
その辺に目をつぶれば、めちゃくちゃいい空間になったと思う。
1階の本屋で本を買い、2階に上がってコーヒーを飲む。
カウンターを壁向きにしているのは読書に集中しやすいように。このカフェはがやがやコミュニケーションをとる場所ではない。静かに本と向き合える場所。
本と向き合って、ちょっと目が疲れてきて顔を上げたら、アートが目に入る。
僕が考える理想の読書体験。
2階カフェ&ギャラリーでは、作家さんを呼んでトークイベントができたらと考えているので、そのイメージも作ってもらった。

キャパは15人くらい。トークイベントだけでなく、読書会や絵を描く体験だったり、いろんなイベントをやりたい。
作成してもらった1階、2階のイメージを元に、資料化してもらったのがこちら。

ちょくちょくツッコミどころはある。
2階カフェ&ギャラリーの壁向きカウンターがカフェのカウンターの後ろまで伸びている。1階本屋はトイレの位置が正されたけど、玄関の位置が変わっている。断面図では1階にカフェのカウンターがきている。
ツッコミどころはあるものの、イメージするには十分。これらを元に平面図や断面図をもっとしっかり作り込んで改めて依頼すれば、ちゃんとした形になると思う。
僕が作った平面図はkeynoteに四角形を配置しただけの簡単なものだけど、次にやる時は、間取り図作成ツールなんかを使ってドアや階段、窓などを丁寧に記載してあげよう。
聞くのが怖い、コストの話
ここまで自由にディスカッションをしてイメージを固めてきた。その結果、かなり自分の作りたい場所が視覚化された。
それはいいとして、大事な質問が「実現性はどうなの?」という部分。そこでGeminiに「作成したイメージだと、どれくらいの床面積が必要なのか?」「古い一軒家を購入してリノベする場合、リノベ費用はいくらくらいか?」を確認。
まずは大きさ。

1フロア面積30平米ほどで、2階部分を合わせて60〜70平米。
案外、現実的な回答。
というのも、僕が近所の不動産で、現実的に買えそうな価格帯で調べていたところ、多いのが2階建で60平米前後か、3階建で90平米前後だったから。
つまりうちの近所にある物件ではよく取引されている規模感の住宅で実現できそうということ。
続いて怖いのがコスト。
こうした数字はAIのアウトプットを信用しすぎると危険だけど、素人からすればある程度の参考にはなると思う。Geminiの回答がこちら。

約1,200万〜1,800万円…
まあ、覚悟していた範疇ではあるが、物件の取得費用を合わせたら自己資金じゃ全然足りない。かなりの事業用ローンをしないと難しそう。
ただGeminiいわく、大きいコストは次の2つ
「1階の全面ガラス張り」によって構造補強が必要になる可能性がある
本棚を高価なオーク材で壁一面に埋め込んでいるため工賃と材料費が高い
なので、1階は全面ガラス張りじゃなく、大きな窓などにする(外から店内の雰囲気が見えればOK)ことで、構造補強が必要ないようにする。本棚は木材を購入して自分でDIYするなどでコストを抑えることを提案。
その結果がこちら。

ちょっと抑えたとして、初期費用1000万円前後。ここにいろんな仕入れなどを加えたら、物件取得費用とは別に1500〜2000万円くらいの開業資金が必要になるんだろうな…
ハードルは高いけど、ここまでしっかり作り込んだ空間なら、カフェ&ギャラリーの売上も期待できるだろうし、融資を受けても現実的かもしれない。中途半端なものを作ってお客さんが来ないより、ちゃんとリスクを背負っていい場所を作った方が、ビジネスとして成立する可能性も高いだろう。
今の仕事を続けながら頑張って貯めるか…(社会情勢的に、待っている間に金利も物価も上がってさらにハードルが上がりそうな予感もする)
次のフェーズは売上予測を立てていくことか…
しかし、本棚をDIYするかどうかは慎重に検討したい。
コストが下がるだけでなく、DIYしながら少しずつ、自分たちサイズのお店が出来上がるプロセスは、多くの人の関心を呼ぶかもしれないというメリットもある。
とはいえ、本棚は本屋の顔。いいアート作品はいい額縁に入れて飾ってあげることで価値が伝わるように、いい本はいい本棚に置いてあげたい。この辺はどうしてもトレードオフになる。
書店名がアウトでは?Geminiに法律相談
と、ここまで進めてふと思ったのが「toto book store」という名前、アウトじゃない?ということ。
この名前については以前の記事でも少し触れている。
「アート と(to) 本 と(to) コーヒー」や「お客さん と(to) 私たち と(to) 本」のような、何かと何かがつながる本屋、目的に対して方向性をもって進んでいく(going to , to do)ためのヒントが得られる場所、いろいろな「したい(want to)」が叶う場所にしたい。
そんな思いでつけた仮の店名。
↓
「toto」という名前自体に本屋のニュアンスはないので、アートギャラリーは「toto gallery」、カフェは「toto cafe」、オリジナル雑貨を展開するときは「toto craft」、出版事業をやるなら「toto publishing」とか、ヨコテンもしやすい。
が、ここでちょっと思ったのが、トイレメーカーの「TOTO」から商標侵害で訴えられるのでは?という部分。なので早速Geminiに確認。
その回答がこちら。
結論から申し上げますと、「toto」という名称をそのまま使用し、特に「toto gallery」や「toto cafe」といった展開を検討されている場合、法的リスク(商標権侵害および不正競争防止法違反)は極めて高いと言わざるを得ません。
Geminiはその理由について細かく教えてくれたけど、本屋だけならともかくヨコテンした時にリスクがあるみたい。
「toto gallery」については「TOTOギャラリー・間」があるため、見た目の類似度だけじゃなく、業種も被っているのでかなりリスクがあるらしい。
TOTOがギャラリー運営しているのは知らなかった。宝くじにも「toto」というものがあるらしい。ロトは知ってるけどtotoもあるのか…こちらは表記、読み方が一致しているのでさらにアウト。
こういうリサーチはAIを使う大きなメリット。ありがとう。Gemini。
現実的なリスクがどの程度か(TOTOが個人書店を訴える可能性はあまり高くないと思う)はともかく、もしアウトになった場合、影響範囲がものすごくでかい。店舗やウェブサイトを変えるだけでなく、栞やブックカバー、オリジナル雑貨なども変えないといけない。
ま、この辺はGeminiのいうことを鵜呑みにするんじゃなくて、ちゃんと専門家に確認した上で判断するけど、確かに感覚的にも危ない名前ではある。
続けてGeminiと「どんな名前がいいか?」「totoをこのようにすれば法的リスクを下げられるか?」なども話し合いましたが、今日のところは秘密。
「これで行こう!」という名前が決まったらお伝えします。
ということで今回、Geminiと色々ディスカッションしながら、作りたい本屋のイメージを固めて、費用や法的リスクまで相談してみました。
Gemini、だいぶ進化してますね。ちょっと前は作ってもらった画像に修正を支持するとめちゃくちゃなアウトプットになったり、やり取りを重ねるうちに前の条件を無視するようになったり、「一発でいいアウトプットを引き出せるか」が勝負だった印象。
ですが今回、ちゃんとディスカッションすることができた。
もう少しイメージが固まってきたり、僕が今わかっていない部分(いわゆる街の本屋でどれくらいの売上、集客が見込めるのか?SNS発信などで主体的に増やすマーケティングが効くのか?など)が見えてきたら、一緒に事業計画書を作ってもらおうと思う。
Geminiとディスカッションすることで捗りそうなもの
融資を受けるための事業計画書の作成
地域情報、類似店舗事例に基づく売上予測
マーケティング、販売促進のアイデア
関連事業のアイデア
どんどん勧めていきます。生の数字もどんどん出していくので、いいね、フォロー、シェア、コメント、ぜひ応援お願いします。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップは本屋開業費用に使わせていただきます!