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【騎士様はウザくて面倒だけど、私の大切な人】第3章 「鏡のように映る、影の守護者」

第3章テーマは、ミラーリング効果
ミラーリング効果は【相手の仕草や言葉、態度を無意識に真似することで、相手に「この人は自分に似ている」と感じさせ、好感度を上げる心理的効果】です

しかし、心理学に沿いながらも「冷静に考えるとおかしい行動」になる場合もあります

それでは、第3章 「鏡のように映る、影の守護者」をお楽しみ下さい

前回のあらすじ

――高校に入って、私は少しずつ言葉を減らすようになった
気づけば、周りが気になって、自分の歩幅を測ることが増えていた

「琴音、待て!おい、今、息止めたろ?」
「……え?」
「俺も今、息止めてた!よし、完璧だ!」
「……なんで一緒に止めるのよ……」

ある朝、教室で机を拭いていると、後ろから同じ音が聞こえる。振り返ると、悠馬がまるで影のように私の机を真似して拭いていた

「悠馬くん、それ……私の机じゃないよ?」
「わかってる!でも、君が拭くなら俺も拭く!同じ動きは、同じ心を作るんだ!」
「……掃除係じゃないのに」

気まずくて視線を逸らすと、悠馬も同じタイミングで視線を逸らす
私が本を閉じれば、後ろでバンとノートを閉じる音がする

「……そんなに一緒にしなくても……」
「いや、同じ動きを続けることで絆が深まるんだ!剣の型と一緒だ!」
「……剣術の話じゃないけど……」

文化祭の日。私は裏方で案内板を描いていた
すると突然、教室の入口に「守護班」と書かれた札を持った悠馬が現れた

「今日からこの教室は俺の守備範囲だ!どんなトラブルも通さない!」
「え……えぇ……」
「入るときは、俺に合図を送れ!安全確認をしてから案内する!」

クラスメイトは笑いながらも面白がって協力し始め、知らぬ間に「守護班」という謎の集団ができてしまった

「悠馬くん、そんな大げさなことしなくても……」
「いや、琴音の周りは特に警備が必要だ!今日だけじゃない、これからもずっとだ!」

気づけば、悠馬の周りには「班員」として任命された男子数名がいて、彼らも一緒に私の動きを真似していた

「琴音がペンを置けば、俺たちもペンを置く!琴音が立てば、俺たちも立つ!これぞ究極の守護術だ!」
「……何それ、カルト集団みたい……」

――あの頃の私は、彼の行動がますます理解できなくなっていた
でも、彼の目だけは、いつも真剣で、まるで鏡のように私を映していた

――文化祭が終わっても、悠馬の「守護班」は解散しなかった
むしろ、彼にとってはそれが日常の「任務」になったようだった

ある日、放課後の教室で。私は窓際の席で、本を開いたままぼんやりと外を見ていた
すると、後ろで同じタイミングで椅子を引く音がした

「……悠馬くん?」
「俺も今、景色を見てる!同じ景色、同じ空気、同じ心だ!」
「……本は読まないの?」
「読む予定だったけど、君が外を見たから、俺も外を見ることにした!」

私がため息をつけば、悠馬も同じ深さでため息をつく
「……どうして、そこまで真似するの?」
「君が感じる風を、俺も感じたいんだ!これが一番強い“共感”なんだ!」

気まずくて本を閉じれば、悠馬も自分のノートをパタンと閉じる
「……もう、好きにして」
「わかった!君の“好きにして”も、俺はちゃんと一緒にいる!」

別の日。体育館の廊下でモップをかけていると、悠馬が隣にモップを持って現れた
「俺も同じラインを掃除する!同じラインは同じ未来に繋がるんだ!」
「いや、体育館広いんだから……別の場所掃除してくれても……」
「ダメだ!君の動きが最優先だ!」

周りの友達は笑いながら見守っていた
私はもう驚くことを諦めて、ただ黙ってモップを進めた

それでも、時々彼のほうをちらっと見ると、満足げにモップを動かす悠馬の姿が目に入る
なんだか、鏡を見ているみたいだった

「琴音、疲れたら言えよ!休むなら一緒に休む!」
「……私、別に休まないけど……」
「なら俺も休まない!同じペース、同じ心拍数、同じ呼吸!」
「……呼吸は勝手にしていいのに」

下校時。私が靴を履くと、悠馬も同じタイミングで靴を履く
「……ねえ、そんなに真似して楽しいの?」
「楽しいとかじゃない!これは使命だ!同じ動きは、君を完全に守る最高の戦術なんだ!」

私は思わず笑ってしまった
「……本当に、変わらないんだね」
「もちろんだ!俺は変わらない。ずっと君の影になる。それが俺の誓いだ!」

――あの頃の私は、少しずつ自分のペースを取り戻したかった
けれど、振り向くと、いつも同じ動きをする彼がいた
それが面倒で、煩わしくて……でも、少しだけ安心していたのも、事実だったのかもしれない

次章へ

↓最後に、第3章のイメージ楽曲と背景画像のトリックアート解説をお楽しみ下さい↓


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