【ヒロインは全部計算で動いてる】第1章 「偶然を演出しすぎる女」
迷言です
今回作成した恋愛ゲームシナリオは【ヒロインは全部計算で動いてる】
今回使用した恋愛心理学は以下の通りです
第1章 セレンディピティ効果(偶然の出会い効果)→たまたまの出会いや偶然が「運命」と感じられて、恋に落ちやすい
第2章 単純接触効果(ザイアンス効果)→会う回数が多いほど好感度が上がる
第3章 自己開示効果→自分のプライベートな話をすると、相手も心を開きやすくなる
第4章 吊り橋効果→緊張やドキドキを恋愛感情と錯覚しやすくなる現象
第5章 ピーク・エンドの法則→「一番盛り上がった瞬間」と「最後の印象」が強く記憶に残る
この組み合わせが優れている理由は以下の通りです
「偶然→接触→信頼→興奮→記憶」
という恋愛の典型的な感情遷移に沿っており、読者も感情移入しやすい流れになっています
これらの心理学をどのように使用するのか?次回以降を楽しみにお待ち下さい
お待ちの間、第1章を見て頂ければ幸いです
第1章 「偶然を演出しすぎる女」
春の風が、駅のホームにふわりと舞い込んできた
通勤ラッシュの騒がしさのなか、俺は少しだけ季節の匂いを感じていた。ポケットから出そうとしたハンカチが滑り落ちたのに気づいたのは、電車が来るほんの数秒前だった
「これ、落としましたよ」
柔らかな声が背中越しに届く。振り返ると、制服姿の女子が、俺のハンカチをそっと差し出していた。長い黒髪に、控えめな笑顔。名前も知らないその子に、なぜか見覚えがあった
「…ありがとう。助かった」
彼女は軽くうなずくと、隣の車両に乗り込んでいった
それだけの出来事。だが俺の頭の中には、なぜかその“偶然の出会い”が妙に焼きついていた
──翌日
「おはようございます。…また会いましたね」
同じ時間、同じ駅、同じホーム。彼女が再び現れた
しかも、俺がよく買うコンビニのパンを手にしていた
「もしかして…このあんパン好きなんですか? 私もなんです」
そんな偶然あるか?
だが彼女はごく自然に微笑み、まるで当然のように俺と同じ電車に乗り込んだ
数日後。通学路にあるカフェの窓辺
一人で勉強していた俺の向かいに、ふいに彼女が現れる
「ここのケーキ、評判なんですよ。…あ、隣、いいですか?」
偶然が重なりすぎている
俺は心のどこかで疑いながらも、なぜか拒めなかった
彼女の名前は月島さゆり
大人しそうな見た目とは裏腹に、行動力があるというか…なんというか、とにかく“現れる”のが異様にうまい
「最近、よく会いますよね。なんだか運命みたい」
その言葉に、俺の心は揺れた
──だがこの時、俺はまだ知らなかった
彼女が、“偶然”を演出するために、どれだけの労力と情報収集をしていたのかを
翌週、俺はクラスのレポート課題で図書館を訪れていた
普段なら空いている平日の午後。しかしその日、いつもの席に彼女が座っていた
「また会いましたね。運命、重ねちゃいましたね」
俺は笑ってごまかしたが、内心ではさすがに妙だと感じ始めていた
だが、タイミングの良さや偶然の一致は、俺の理性よりも感情を優先させた
その夜。帰宅してスマホを開いた瞬間、背筋が冷えた
──“フォローされました:tsukishima_sayuri”
俺が鍵付きで運用していた裏アカウントだった
誰にも教えていない、写真も投稿していない。唯一、通学中の風景だけを上げていた
次の朝。彼女が話しかけてくる
「この前の坂道の写真、すごく綺麗でした。…朝日が差す瞬間、ちゃんと見てたんですね」
ぞわりとした
あの写真、昨日の朝5時に投稿したやつだ
「なあ、なんで俺の裏アカ知ってんだ?」
俺が問うと、彼女は一瞬だけ困ったような顔をしたが、すぐに微笑みに戻った
「…偶然、です。あなたが“運命”だって信じたくなるくらい、素敵だったから」
偶然。何度も繰り返されたその言葉が、急に薄っぺらく聞こえた
彼女は、俺の登校ルート、投稿のタイミング、趣味、立ち寄り先…
すべてを事前に調べ、“偶然”を何度も作り出していたのだ
ストーカー。そう言えば簡単かもしれない
でも、俺は…その“異常な努力”を前に、完全に拒むことができなかった
彼女の目は、まっすぐ俺を見つめていた
「ねぇ、私たちって…やっぱり運命ですよね?」
…その瞬間、思ってしまった
もしこれが“偶然”じゃなかったとしても
俺は、彼女と出会ったことを──運命だと思いたい
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