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【聖夜までに恋をひとつ】第3章 「ギャルは愛を急ぎすぎる」

第3章のヒロインは、星宮 りあ(ほしみや りあ)です

このシナリオはクリスマスの週に書く恋愛シナリオのメインヒロインを決める為の企画シナリオで、各章の❤の数にてメインヒロインを決める予定です
スキの対象は以下の4通りです

各章のヒロインの話の❤の数
各章のイメージ楽曲❤の数(SoundCloud内)
各章のX投稿❤の数(#迷言さんの小説紹介内)
各章のX投稿❤の数(#迷言さんの楽曲紹介内)

それでは、第3章 「ギャルは愛を急ぎすぎる」をお楽しみ下さい

序章おさらい

「ねぇ、今日めっちゃいい感じじゃない?どしたん?」

そう言って星宮りあは、俺の顔を覗き込んだ

至近距離
距離感という概念が存在していない
俺の心の中の警報が鳴りっぱなし

「……なんか、雰囲気変わったよね?」
「俺、朝から牛乳こぼしただけなんだけど」
「いや、そういうことじゃなくて~」

りあはケタケタ笑って肩を叩いてくる
軽い。軽すぎる
俺の人生の中で、ここまで自然に触れてくる女子は初めてだ

「でさ」

急に声のトーンが落ちた

「クリスマス空いてる?」
「早すぎだろ質問が!!」

「いや、行けるなら押さえとこうと思って」
「なにを!?俺を!?」
「うん。枠」
「枠って言ったな!?俺、なんか予約制!?美容院か!?」

りあは真顔でスマホを開き、スケジュールアプリにさらっと俺の名前(たぶんフルネーム)を入力しようとしている

「予約入れるな!!まだ俺たち仲良くなって10分!!」
「え、10分で予定入れちゃダメなタイプ?めんどくさ~」
「ギャルの判断基準どうなってんだよ」

笑いながら文句を言ってるのに、どこかその目は本気だ

その“軽さ”の裏に、妙な期待と不安みたいな温度がある

……やめろ、気づかせるな
俺が弱いのは、そういうちゃんとした「気持ち」だ

「ていうかさ」

りあは俺のスマホを覗き込みながら言う

「先パイよりアンタの方が安心するわ」
「いや、俺なんもしてないけど」
「“なんもしてこない男”が安心なんだって。レアキャラ」
「レアにしないでくれ」
「あ、そうだ」

りあは突然、自撮りモードでスマホを上げた

「ちょ、なんで俺映すの!?」
「いいから笑え。加工すっから」
「その言い方どうなの!?」

カシャッ

終わった
SNSの世界に俺の安定した未来はない

「投稿していい?」
「いや心の準備――」

すでに画面には

“誰かさんとランチ♡”

という文言が入力されていた

「お前、早いって」
「え、違うの?アンタじゃなかった?」
「いや俺だけど!?やめろその曖昧さ!!」

りあはニヤニヤして投稿ボタンに指を置いたまま、俺を見る

「困ってる顔、結構好きなんだけど」
「人の反応をおもちゃみたいに観察するな」
「いや違うよ。好きって言ったじゃん」
「言ったけど意味違うよな!?」

りあは笑っているのに、どこか寂しそうな目をしていた
それが、妙に引っかかった

「……投稿すんの、やめとく?」

唐突に弱い声で言う
その質問の裏にある意味が、少しくらい俺でもわかる

(ああ、この子……拒まれるの、怖いんだ)

だから笑う
だから軽くする
だから「匂わせ」みたいな形で、逃げ道を残す

ずるいのか、優しいのか、その境界がどこにあるのか、俺にはまだわからない

「……好きにしろよ」

気づけば、そう言っていた

りあは一瞬だけキョトンとし―次の瞬間、嬉しそうに目を細めた―

「……え、なにそれ。ちょいしんどいんだけど」
「こっちも巻き込まれてしんどい」
「……ふふ、じゃあ投稿する」

光の下で見たその笑顔は
いつもみたいに軽くない
ほんの少しだけ、震えていた

屋上に出ると、空気が一気に冷たくなった
昼休み終わり前の時間、ここはいつも静かだ

「寒っ……でもこの空気好き」

りあは柵にもたれながら、空を見上げて言った
さっきまでのテンションはどこへいったのか、声が少し落ち着いている

「ねぇ、アンタさ」

いきなり呼ばれると心臓に悪い

「クリスマスの件、真面目に考えてくれてる?」
「待て、まだ10分しか会話してない俺に重くない?」
「10分で恋って始まんないわけ?」
「いや早すぎるって言ってんだよ!」
「時間で恋語る男ってさ、つまんない」
「論破がエグい」

言葉は軽い
でも視線は、逃げ道を許さないくらい真っすぐだ

「……あたしね」

りあは靴先で地面をコツコツ鳴らした
その仕草が妙に落ち着きなくて、らしいなと思う

「ほんとはさ、ゆっくり仲良くなるとかしたいんだよ?」
「え、意外」
「うっさい、意外とか言うな」

りあは頬を膨らませる
でもすぐにそれを隠すように笑った

「……でも、あたしさ、サボり癖あるじゃん?」
「授業の話してんのか恋愛の話してんのかわかんない」
「両方」
「真顔で答えるな」

風が吹く
りあの金髪が揺れて、光を反射する

「……好きになるの、遅いとさ」

りあは小さく息を吸った

「あとで追いつけなくなるの
 誰かに先越されて、気づいた時にはもう遅いの
 そういうの、嫌なんだよね」

冗談じゃない声だった
笑っているみたいなのに、笑ってない

「だからさ―先に言っとく
 あたし、たぶんアンタ好きになる」
「おい、未来形で宣言すんな」
「予告状タイプの恋ってかっこよくね?」
「犯罪みたいに言うな」
「え、犯罪級に可愛いってこと?」
「違う。違うけどなんか反論しづらいのやめろ」

りあはふふっと笑う
それでも、目はどこか怯えている

「ねぇ」
「なに」
「アンタってさ、もし好きになられても逃げないタイプ?」
「逃げる前提やめろ」
「逃げられたことあるから聞いてんの」

その一言に、胸が少しだけ痛くなる

「……逃げたりしないよ」

気づけば、自然に言っていた

「ただ俺は、無責任に返事したくないだけだ」
「……うわ、それ反則」

りあは笑った
涙が出る寸前みたいな笑顔だった

「アンタそういう言い方するからさ
 もう半分好きなんだよね」
「いやそれは早い」
「ギャルは急ぐの。流行遅れ死ぬほど嫌いだから」

意味不明。でも刺さる
やっぱりこの子は言葉のセンスがバグってる

その時

「……ねぇ、手」
「急に何」
「いいから。ほら」

差し出された手は、思ったより小さかった
俺が握ると、りあの肩が一瞬だけ跳ねた

「……やば。今のでまた好きになった」
「加速度どうなってんだよ」
「知らん。勢いで生きてんの」

でもその手は、ちゃんと震えていた
強がっているくせに

「ねぇ」

りあは俺の指を離さず、言葉を続ける

「……あたしさ、本気で好きになってみたいんだよね」

 風が止んだ気がした

「でもね」

りあは苦笑しながら続ける

「サボり癖あるからさ
 早く好きにならないと死ぬかも」
「いや意味はわからないけど」
「わからなくていいよ。感覚で理解しろ」
「理不尽な恋の教科書みたいだな」
「うん。でも、アンタなら読めるかも」

その言葉は、妙にあたたかかった

序章へ

↓最後に、星宮 りあのイメージ楽曲をお楽しみ下さい↓


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