【聖夜までに恋をひとつ】―恋の締切、12月24日―
迷言です
今回作成した恋愛シナリオは【聖夜までに恋をひとつ】
このシナリオはクリスマスの週に書く恋愛シナリオのメインヒロインを決める為の企画シナリオで、各章の❤の数にてメインヒロインを決める予定です
スキの対象は以下の4通りです
各章のヒロインの話の❤の数
各章のイメージ楽曲❤の数(SoundCloud内)
各章のX投稿❤の数(#迷言さんの小説紹介内)
各章のX投稿❤の数(#迷言さんの楽曲紹介内)
締切は、この物語を執筆予定の25年12月13日迄
果たして、どのヒロインの物語になるか?
では、ヒロイン紹介を兼ねた序章をお楽しみ下さい
序章:恋の締切、12月24日
『クリスマスまでに彼女を作らないと、俺は何かに負ける気がする』
朝、目覚ましより先にそんな言葉が頭に浮かんだ瞬間、俺・天ヶ瀬晶(あまがせ あきら)は、自分で自分にドン引きしていた
なにに負けるんだよ
世間?
リア充?
去年の俺?
いや、そもそも「勝ち負け」で測っていい類いの感情じゃないだろ、恋愛って
布団の中でゴロゴロ転がりながら、天井を見つめる
冬の朝特有の、ほんの少し白んだ光がカーテン越しに差し込んで、部屋の輪郭を淡く塗っていた
(……でも、負けたくないって思ってる時点で、もうだいぶ手遅れなんだよな)
別に「彼女いない歴=年齢」を気にしてるわけじゃない
周りには普通にモテるやつも、モテないやつもいて、俺はそのちょうど真ん中あたり―
「話しやすいし、いいやつだよね」で終わる安全圏
そこが楽で、そこに甘えてきた
けど、十二月に入って、商店街のBGMがクリスマスソングに侵食されてくると、なんというか、心のどこかがザワザワし始める
(聖夜までに恋をひとつ。……こうやって言葉にすると、企画感すごいな)
企画。そう、これはもう「企画」だ
俺の人生初の、ガチ恋愛企画
そう自分に言い訳して、やっと布団から抜け出す
制服に袖を通して、ネクタイを適当に締めて、鏡の前で寝癖を手ぐしで誤魔化した
「……うん。今日も“普通”だな、天ヶ瀬晶」
整いすぎてない顔立ち、やや眠そうな目、無頓着な髪
教室のどこに置かれても背景に馴染むタイプの高校二年生
そのくせ、こうやって自分の感情だけはややこしく絡め取ってくる、面倒な観察者気質
(まあいい。どうせ企画倒れで終わる可能性の方が高いし)
ふと、胸の奥がチクリと痛んだ
―それでも、今年は、何か変わってほしい―
そんな小さな祈りみたいなものを、無理やり笑いで誤魔化しながら、俺は家を出た

冬の朝の通学路は、息を吐くたびに白くほどける
見慣れた住宅街、見慣れた電柱、見慣れたコンビニ
全部がいつも通りなのに、「クリスマスまでに彼女を作る」という謎の締切だけが、俺の視界に赤字で点滅していた
(とはいえ、恋愛って締切でどうにかなるもんじゃ)
そんなことを考えながら校門へ向かう途中で、ふと前方の人影が目に入った
風に揺れる、真っ直ぐな銀色の髪
淡い光を含んだ、氷みたいな青い瞳
歩くだけで、空気の温度が一段階下がったように感じる気配
(……氷室先輩)
うちの学校で知らないやつはいない、高三の氷室雪先輩
生徒会所属、成績優秀、先生からの信頼厚い、いわゆる「完璧美人」のテンプレをそのまま現実に落としてきたような人
表情はほとんど変わらないのに、存在感だけは妙に突出している
俺みたいな中間層男子からすれば、遠くから眺めて「やべぇ、本物だ……」ってなる展示品みたいな存在だ
(いや、展示品って言い方は失礼か。……でも実際、話したことないしな)
すれ違うだけの距離になると、自然と背筋が伸びる
俺が勝手に緊張しているその瞬間だった
氷室先輩の視線が、ふっとこちらを向いた
青い瞳が、真正面から俺を射抜く
(え、ちょ、待って。目、合った? なんで? 俺なんかに?)
心臓が、唐突に一段高く跳ねた
逃げ場を失った視線のまま、固まる俺
すると、氷室先輩の唇が、わずかに弧を描いた
いつも無表情だと噂される彼女が、ほんの少しだけ―笑った
「今日のあなたは…面白いですね」
【『氷点下の論理と恋の確率』へ続く】
そして、先輩が角を曲がって消えた瞬間
意味不明すぎて、ただただ困惑だけが残る
まだ一限も始まってないのに、俺の今日のログにはすでに謎のフラグが立っていた
―この違和感の正体は、後で嫌でも思い知らされることになる―
それが始まりの一歩だなんて、この時の俺は知る由もない

学校に到着して、上履きに履き替え、いつものように教室へ向かう
途中、理科室の前を通りかかったところで、廊下の空気が一気にカオスに変わった
「……うわ、今日もやってる」
理科室の扉は半開き
その前の長机の上には、配線、金属のパーツ、謎の液体が入った小瓶、よくわからないセンサーらしきものが所狭しと並んでいる
―その真ん中にいるのは―
(辰城ことは)
うちのクラスメイト
くしゃっとしたショートボブ、琥珀色の目
顔立ちは可愛いのに、寝癖と生活感のなさでいつも残念な方向に印象が爆発している、天才肌の女子
理科教諭も扱いきれない「準・特別枠」扱いで、学年ではちょっとした有名人だ
今も、片手にドライバー、もう片手に何かの基板を持ち、机いっぱいに広がる装置群と真剣に格闘している
(相変わらず、朝からフルスロットルだな……学校ってもっとこう、眠気と戦いながら始まる場所じゃなかったっけ)
そっと通り過ぎようとした―その瞬間―
「……あ」
ことはが、ふいに顔を上げた
琥珀色の視線が、真っ直ぐ俺を捉える
やばい、見つかった
「天ヶ瀬くん」
「え、あ、うん?」
名前呼ばれた
ちゃんと覚えられてた
それはそれで嬉しいけど、ことはが俺の名を呼ぶ時は、大体ロクでもない予感しかしない
案の定、彼女はにっこりと―いや、若干獲物を見つけた肉食獣みたいな目で笑った―
「あなた、今日の“サンプル”にちょうどいいや」
【『天才少女、恋を実験する』へ続く】
そして次の瞬間
俺は、遠ざかる彼女の声も空気も全部置き去りにできず
声をかけるタイミングを完全に失い、そのまま俺は静かに後退した
(……なんだ今日。まだ教室入ってないのにイベント2件目ってどういうこと?)
今年の冬は、明らかに例年と違う匂いがしていた

午前の授業をなんとか乗り切って、昼休み
購買のパンを片手に廊下を歩いていると、前方から派手な金髪が跳ねるのが見えた
(ああ、星宮)
同じクラスのギャル、星宮りあ
くっきりした目元にギャルメイク、元気な金髪ポニテ
スタイルも良くて、女子の中心みたいな存在
でも男子の間では「可愛いけど、なんか愛が重そうでこわい」という噂もある
実際、本命に対しての距離詰めがすごいらしい
「――って、あ、晶じゃん!」
星宮がこちらを見つけた瞬間、テンションの高い声が飛んできた
次の瞬間、俺のパーソナルスペースは完全に消滅する
ぐいっと距離を詰められて、顔の至近距離に星宮の顔
シャンプーの匂いと甘い香水の匂いが混じった空気が、一気に肺に流れ込んでくる
「ねぇ、今日めっちゃいい感じじゃない?どしたん?」
【『ギャルは愛を急ぎすぎる(星宮りあ編)』へ続く】
どう返せばいいのか考えてると――
遠くから友達の声が飛んできて、星宮はくるりと振り返る
「またね〜!晶!逃げんなよー」
ひらひらと手を振りながら、ギャル軍団の中へ消えていく
残された俺は、壁にもたれて深く息を吐いた
(……やっぱ今日の俺、おかしいのか?
いや、俺はいつも通りのはずなんだけど。周りの女子の“認識”の方が狂ってない?)
胸の奥で、さっきの「ドキってする」という言葉だけが、妙に鮮明に残っていた

午後の授業が終わり、帰りのホームルームも終了
解放された教室から廊下へ出ると、冬の夕方の光が窓から斜めに差し込んでいた
ひと息つきながら廊下を歩いていると、角を曲がった先に小さな影が立っているのが見えた
(……あれは)
黒髪ロング、白い肌、薄い表情
制服の着こなしはきっちりしているのに、どこか現実から半歩ずれている雰囲気
後輩の黒羽夜宵
神社の家系で霊感が強いとか、占いが当たりすぎるとか、いろいろと噂の絶えない子だ
彼女は俺に気づくと、静かに一歩前へ出てきた
そして、真っ直ぐに俺の目を見る
視線が絡んだ瞬間、空気の密度が変わった気がした
音が遠のき、時間がゆっくりになる
(ちょ、なんだこの雰囲気。ホラー映画の前振り?)
そんな俺のツッコミを無視するように、夜宵は口を開く
「今日も、やっぱり感じます。先輩の気配…“覚えてないだけ”ですよね」
【『前世の恋人は、あなたです(黒羽 夜宵編)』へ続く】
そして
夜宵は小さく会釈した
「今日は、それだけです。失礼します」
すっと身を翻し、廊下の向こうへ消えていった
残された俺は、しばらくその場から動けなかった
(……運命の相手、ね。普通の高校男子の生活に、「運命の相手」ってワードが自然発生する世界線、どこで間違ったんだ)
ぞわりと背筋を撫でていく感覚と、何故かほ
んの少しだけ温かいものが胸の奥に残っていた

校門を出て、夕焼けに染まる通学路を歩く
空はオレンジから群青へと色を変えつつあって、その境界線が、今日一日の俺の心みたいにぐちゃぐちゃに混ざり合っていた
(……朝から今までで、イベント四件
普通の高校生の一日として、明らかにオーバーキャパじゃない?)
そんなことを考えながら少し歩くと、小さな公園の前に出た
ブランコと滑り台と、ベンチがひとつ
そのベンチに、見慣れた後ろ姿がちょこんと座っていた
(橘……まひろ?)
ふわふわの茶髪セミロング、とろんとした柔らかい目
小動物みたいな雰囲気で、カーディガンを肩に掛けている後輩、橘まひろ
彼女はベンチの横に積もった落ち葉を見つめながら、ぽつりと話しかけていた
「この子、今日いっぱい頑張ってたよ。偉いね」
……落ち葉に
(よし、いつも通りだな)
ある意味、一番“安定しておかしい”のが彼女だ
いろんな物に話しかけるくせに、人の気持ちだけはやたら正確に読み取る、不思議系の癒し枠
「橘?」
声をかけると、まひろはぱっと顔を上げた
そして、ふわりと笑う
「――あ。やっぱり、天ヶ瀬先輩」
「“やっぱり”?」
「今日、すごく会いたかったんです。理由はありませんけど」
【第5章『癒し系後輩は、心を見抜く(橘まひろ編)』へ続く】
それ以上、特別な会話があるわけでもなく
少しだけ他愛ない話をして、自然に「じゃあ、また学校で」と別れる。
別れ際、まひろがふわりと手を振る姿が、やけに印象に残った

どのヒロインが一番魅力的かコメント欄にて教えて下さい
参考にします
家に帰り、自分の部屋のドアを閉めた瞬間、全身から力が抜けた
制服のままベッドに倒れ込み、天井を見上げる
「……今日だけで…5人?
しかも全員、なんか普通じゃなかった…」
口に出してみると、改めて数字の暴力を感じる
朝の氷室先輩から始まり、ことは、星宮、夜宵、まひろ
それぞれが、それぞれの“おかしさ”を抱えていて
それに引っ張られるみたいに、俺の中の何かも少しずつズレ始めている気がした
頭の中に、今日の出来事を整理するみたいに、フレーズが浮かんでくる
【雪の論理に惹かれた】

完璧美人だと思っていた先輩の
「今日のあなたは面白い」という、あの一言
あれはきっと、ただの挨拶じゃない
先輩なりの「興味」の表現だ―と考えた瞬間、自分の頬がじんわり熱くなった
【ことはの天才性に守られたい】

実験台にされるのはごめんだけどあの集中力と天才っぷりに、ちょっとだけ背中を預けてみたくなる自分もいる
【りあの勢いに押されたい】

距離感バグってるギャル近すぎる顔、匂い、笑い声全部がうるさくて、全部が眩しくて、でも嫌じゃない
【夜宵の前世設定、わりと好き】

「運命の相手」なんて、普通なら笑い飛ばすところだそれなのに、彼女が言うと、どこかで信じてしまいたくなる自分がいる前世なんて覚えてないくせに
【まひろの優しさ…反則では?】

理由もなく「会いたかった」と言われることがこんなに胸に来るなんて、正直、知らなかった
ひとつひとつのフレーズが、胸の奥に静かに沈んでいく
(……俺は「普通の恋」がしたかったはずだ)
ふと、そんな考えが浮かぶ
平凡な俺に似合う、平凡な恋
特別ドラマチックじゃなくていい
―ただ隣にいて、笑い合って、少し手が触れて―
そういう、当たり前のやつ
なのに、今日出会った(いや、正しくは「改めて意識した」)
五人は誰ひとりとして、俺の想定していた「普通」の枠に収まっていない
(……いや、もしかして。俺が本当に惹かれるのは、最初から“普通じゃない誰か”なんじゃないのか?)
その仮説は、認めたくないような、でも妙にしっくりくるような
胸の奥をじわじわと温めて、少しだけ怖くさせる
窓の外では、街のイルミネーションが少しずつ増え始めている
クリスマスまで、あと少し
恋の締切まで、あと少し
「……よし」
ベッドの上で、そっと拳を握った
「決めた。聖夜までに、俺は― “ちゃんと”誰かを好きになる―」
誰かに言うには、まだ早すぎる宣言
でも、今日一日で出会った五つの“おかしさ”が、確かに俺の背中を押していた
この日を境に、俺の中で「気になる誰か」を探す日々が始まる
