英語学習での手段の目的化は回避したい
※この記事の内容を解説する音声コンテンツも用意しています。音声派やながら聞き派の方はこちらをどうぞ:
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手段の目的化は英語学習でよくあるアンチパターンです。これはたとえば:
毎日30分勉強する
毎日学習アプリを15分使う
など、XXをYY分やる、といった形でよく表現される、「目標っぽい手段」のことです。今回は、手段の目的化を回避するようにつとめることが重要であることを説明します。
英語学習の目的はひとつ
英語学習の目的は何でしょうか。それは、「英語の技能を習得すること」ですよね。キャリアアップとか、英語でコミュニケーションとか、英語の技能習得の先に何かある人もいるでしょうが、「英語の技能を習得」というのは誰もが通過する点です。この目標が人によってブレることはありません。
つまみぐい的にちょこちょこ手を出す人は英語学習をしているわけではなく、目的化した手段の何かしらにとりくんでいるだけです。英語アプリの使用は学習過程の1/n, one of them であり、それを使うことが目的ではありません。
作業そのものが好きなのであればそれは問題にはならないのですが、「英語学習してるけど、英語を習得したいと思ってはいない」って人はあまりいないですよね。「英語学習ごっこ」をして遊んでいる人の方が少数派のはずですし、「英語を習得する」という方向性ありきでなにかしていくのがふつうです。「英語を習得したいですか」という質問にたいして、「はい」と回答できるのであれば、その人は手段の目的化を回避すべきです。
また、すこし横道ですが、「英語学習の目的は人によらずひとつ」であることは、「目的を自分で設定すること」が語学学習でナンセンスになることを意味します。やり方、学習法は人それぞれで個性が出ますが、「語学学習で最終的に何をしようとしているのか」はユニークです。このあたりの話は別の記事でもしています:
TOEICや英検を目的に据えるのは健全では、と思う人もいるかもしれませんが、個人的には、「TOEICや英検を目的に据えること」も、今回触れたい手段の目的化に重なるはずです。あたりまえなのですが、民間英語資格の類はその人の英語力を測るためにあるものであり、それ自体が目的にはなりません。「英語の技能を身に着ける>ついでにTOEICや英検もとれるようになる」という流れのほうが、自然じゃないですか。
「語学学習の目標はなんですか」と問われたさい、「英語の技能を習得することです」と歯切れよく回答できるし、そこに個性や文脈は出ないということです。ここがブレる人が手段の目的化をさせたがるのですが、それはよくないよね、というのが今回の話の幹です。新しい自分になりたいとか、キラキラキャリアアップとか、英語学習で一発逆転ホームランのようなことも、語学学習そのものについて考えるときにいっさい検討する必要はありません。
オンライン英会話の罠
手段の目的化が顕著に現れやすいのがオンライン英会話です。言わずもがなで、オンライン英会話は学習過程における手段のひとつであり、決して、オンライン英会話をすることが目的ではありません。
ただ、現実として、オンライン英会話をすることが英語学習をすることになっている人が、とても多いと僕は感じています。
僕は知人友人から、「オンライン英会話始めたんだー」という声を聞きますが、そのような人がオンライン英会話の他に何かしている様子はありません。彼らにとって、オンライン英会話をすることが英語学習をすることになっていて、オンライン英会話を補助的に役立てる、という意識はたぶんありません。
オンライン英会話には目的意識が必要です。受け身でセッションをこなして何かが成長することはなく、また、数をこなせば結果が付いてくる、みたいな妄信的な期待がかなうこともありません。
そして、オンライン英会話の大きなメリットは「自分の気持ちを音で表現する訓練、相手の気持ちを音から汲み取る訓練ができること」です。気持ちを音で伝えるというのはとても楽しく、何度でも繰り返し、いろいろな人に対してやってみたくなるものですが、オンライン英会話であればそのような楽しい訓練を好きなだけ行えます。
英語学習過程をふたつの要素に分けると、理論(知識)と訓練(技能)になります。そして、訓練の一部分を担うのがオンライン英会話であり、これは理論的要素とわけて考える必要があります。
また、訓練=オンライン英会話でもありません。訓練の手段は他にもあり、リピーティングやオーバーラッピングなどの古くからある手段でも訓練として機能します。
訓練は技能ではない
文法などの一般化された情報を別系統で仕入れ、訓練の場で繰り返しの実践を行うことで、一般化された英語的感覚を自分のものとして習得する、これが、地味で時間のかかる王道のやり方です。
ここで、技能を習得するための手段が訓練である、といえるのですが、技能=訓練ではないことにも同時に注意する必要があります。つまり:
リスニング→たくさん聞いて訓練
リーディング→たくさん読んで訓練
ライティング→たくさん書いて訓練
スピーキング→たくさん喋って訓練
とはならない、ということ、目的の操作だけをそのままおこなうことは訓練とはいえない、ということです。
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