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なんのアテにもならない小説創作の話

私の小説を書く特技は「色気のある文体」である。

この技は、私が街を歩けば犬も棒に腰を振るようなセクシーお姉さんなら、母の腹の中で既に体得していたかもしれないが、私自身は猿も木の上で微動だにしないほど発情期に無害な通りすがりのメガネだ。

若い頃はそれなりだったが、今はすっかりババァになったおかげで特に犯罪に巻き込まれたり、男女のもつれに巻き込まれて絡んでしまう事もない。

下手したら欲求不満女にしか見えないのは解せぬが、小説創作をする上で一つの武器として振るうことが出来る。


さて、今月の企画ですが!概要はこちら↓


今回は自分語りということもあり、自分にとって一番得意なことを語らせてもらおうと冒頭の文を書きました。

少し前のかし子嬢とのお遊び記事にも書いたのですが、私の小説の書き方はちょっと特殊。

まずは小説の「テーマ」に対して「登場人物」を作り血肉を与えて細かく錬成。
次に動作確認としてなんでもいいから小説を何本か書き、トライアンドエラーを繰り返しながら登場人物に話を作ってもらう書き方。

毎月の企画小説は、自分が血肉を与えた登場人物がお題を見て私に「自分をこう使え!」とプレゼンし、それを採用ながら作る、登場人物の他力本願でいつも書いている。
人格として生きている登場人物を私がモデリングして書いている、それが一番しっくりくる説明です。

たった2工程のこの書き方にしてから楽になり、やっと小説らしきものを書けるようになったので、やっとこれから小説を書いていく練習に入れると、日々のストレッチと空振りのやる気欠かさないようにしている。



かつての私はただ小説が書きたくて、物書きの荒野をさまよっていた。
ネットで調べた一般的な小説の書き方がどれも合わず、四苦八苦しながら文を書く最適を探し求めては撃沈の数ヶ月。

思い返せば小学生の時に作文や日記も先生の言うとおりに一度も書けなかった。
あの頃より体に毛量も皮下脂肪も増えた大人になったし、年の数だけ経験値も積んだからどうにかなるんじゃないか?と思ったが、人生の問屋はそう簡単に卸してくれない。

無理なものは無理と受け入れるしかないのかと、折れた心ととぼとぼ歩いていたある日、雲の隙間から神様が私に呟いた。

「文章がブスな奴は官能小説を書け」

なるほど。

構成が云々とか書き方にこだわらず、とにかく表現力をつけろ!話はそこからだってことか?
言われてみれば。
どんなにいい話が浮かんで的確なプロットを立てても、表現力が皆無ならただの箇条書きになる。
例えば最高の伏線とトリックが仕上がったプロットを打て、いざ文章に起こしたとしよう。

真っ黒なインクを星空にこぼしたような夜。

カラスとか、黒猫とかもなんか窓の近くにいて、みんななんか嫌な気分になって、古い洋館の広くて四角い部屋に集まった人達は、隣の人を疑ってなんかキョロキョロした。

「キャー」

女の悲鳴。

「なんだ」「どうした?」
「隣の部屋に泊まってるアメリカから来た金ぱつでおっぱい大きいジョアンナさんがいないぞ」
「な、なんだって!金ぱつでお尻も大きいスミスさんの奥さんが!」
「パツキンでパイオツカイデーの奥さんがいながら浮気っぽいことなんかこそこそしてた旦那さんもいない!」

ガチャ。

し、死んでる!
誰が彼女を殺したんだ、みんながみんなをもっと疑ったふりして、旦那を本当はめっちゃ疑った。

ヒントはジョアンナさんのビジュだけのミステリー

こんな文章だと宝が持ち腐れるどころか、犯人は読む前から作品を殺す作者に決定だ。
先に犯人は作者と伝えてから下手な文章のトリックを楽しむ新手の古畑任三郎スタイルになる。
まぁ、ミステリの犯人は俯瞰したらどれも創作した作者ですけども。

それはさておき。

なるほど、ある程度の表現力が身についてから書き方を模索するのもありだ。
私は説得力と股関節の柔軟さだけは頷ける天啓に妙に納得し、指針を変えた。

今思い返すと、文章を書きたいのに書き詰まった私が、某マンガ原作ドラマの「バカとブスは東大に行け」のセリフを聞き間違えただけかもしれない。

だがこの聞き間違いを胸に人生で初めて「二次創作」の世界に飛び込んだ。
二次創作は、プロの作家が全て私の苦手なことを作り込んでくれたものを拝借して、自分の書き方で文章を展開出来るからだ。
言って仕舞えば、レトルトカレーを温めて美味しく食べるようなもの。
でもこれが文章における表現力の筋肉をつけたり、自分の強み探しに大いに役立った。

私は二次創作でエロい小説を書き殴り自信をつけてから、なんの因果か小説媒体でもないnoteで一次創作小説を書き始めた。

そしてエロい小説で培った「色気のある文体」の褌一枚腰に巻いて、もう1年仁王立ちしている。

立ってる場所はおかしいかもしれない。
でも、なんしか私には官能ごとが性に合った事だけは確実である。
おかげでこの親にも言えない謎の特性に目覚めてから、文を書くことがとても自由で楽しくなった。

なんでBLにしたのかは、女性を主役にしたり女性の話を書くととんでもなくつまらない堅苦しいだけの話になるから、男性にしただけである。

以下、私が1年かけて絞り出した色気のある登場人物、の書き方のごく一部。
私のやり方なので、この世の全てではありません!

レッツ #noteでBL !!

冒頭に書いたように私はペーペーなので、こんなヒヨッコ参考にもならないと思う人は読むのはここまででいいです。
それでもコメントを書いてくれる優しい人は、目次ですっ飛ばして「まぁ頑張れよ」とエールだけでもください、お前もな!って返します。
その往復があれば2人の友情はズッ友です。

色気のある人の話し方

テレビや動画、街中で聞いた言葉でもいいが「この人話し方が色っぽいな」と感じることはないだろうか?
ただのインタビューや、食レポ、子供相手の何気ない会話なのにどうも下半身がソワソワして気もそぞろになる話し方をする人。
食レポはたまにちゃんとエロいか。

色気を感じるのは言葉選びの判断がものを言う部分が大きいが、話すテンポも重要である。

個人的に色気を感じる話し方をする有名人といえば、壇蜜さん、野村萬斎さん。
壇蜜さんはとにかくとして、野村萬斎さんを挙げると「どこが?」とよく言われるが、この人ほど人の本能に訴えるような話し方をする人はなかなかいない気がする。
萬斎さんのしっかりとした発声もあるが、たっぷりとした声でのんびりと話す余裕と、所作もいい。
丁寧にゆっくりと少し低めの声で、伝えたい単語をしっかりと浮き上がらせながら、さらに抑揚をつけて話す人はなんだか口調がエロいのだ。

そしてエロい話し方は人の言葉は脳に残る、性欲は本能だから訴えかけられてしまうのかもしれない。
ついでに言えば唇に特徴がある人が多く、厚みがあったり薄くても上下均等ではっきりと動かして話す人が多く、食べる時も唇は横でなく、縦に開く人が多い。


「エロ」と「色気」の違い

「エロい」と「色っぽい」は個人的に違うと思っている。

「エロ」は愛らしさやコミカルさ、そして追われている獲物のような捕食される側の雰囲気がある。
「色気」はじっとり、ゆるやか、獲物を追い込んでいく捕食をする舌なめずりの雰囲気が漂う。

アニメや漫画にラノベ、セクシービデオは「エロ」が多用されている。

読者が登場人物と一緒に肉食の強者に追い込まれて、必死にあえいで空気を貪るような忙しない目線を楽しめる。
BLなら受け目線展開されるのが多く、受けは萎縮したり、泣いたり、怒ったり、拗ねたり、早急に息をし、汗や体液でぐっしょり濡れているのに乾いたような、冷たさとヘルシーさもある。
パッと見た分かりやすさが欲求をフルで満たしてくれるのだ。
ジャズのスキャットみたいに即興で手拍子みたいに打ち出す。
ゾンビ映画では追い込まれている人間の目線である。

映画や小説、官能ものや春画などのいわゆる濡れ場は「色気」がある。

読者は登場人物と一緒に、恋人や可愛い人を追い込んでいき、必死にあえぐ、もしくは一緒にあえぐような目線を楽しめる。
BLなら誘い受けや攻めの目線で押さえつけたり、忍び寄ったり、引き込んだり、快感の声は恍惚としてのんびり、息遣いなどのじっとりした、呼気と体温で窓ガラスが曇るほど水分が多い。
パッと見た分かりやすさより、肌や肉、空気なら水蒸気まで使い体内を満たしていく表現。
ジャズのセッションに近く、みんなで空気を読みあって合わせて作る。
ソンビ映画なら人間をじわじわと追い込んでいくゾンビの目線である。

私は後者の「色気」を書くのが得意だと思っているし、書いていて楽しい。

上に書いた「エロ」と「色気」の例は個人的に思うことであって絶対ではありません。
「エロ」い受けを色っぽく書くことも出来るし、でも一般的にはこんなイメージかな。と個人的な意見を書いただけです。


あえぐ声は「あいうえお」と「やゆよ」

エロくて色っぽいと言えばあえぎ声。
私はシンプルに「あいうえお」と「やゆよ」の多用で書く。

あぁ、いぃ…ッ、う、ぇ……お。
いやぁ、ぃやッ、いやよぉ

カタカナは多用はしない。
切羽詰まった瞬間の息遣いにアクセントとして入れると、読んでいる人も一緒に脳内で息を詰まらせる。
読点とカタカナはテンポを早めて急にスピードアップとストップ、句点とひらがなは柔らかさとスピードダウンの舵取りに使う。

「あえぐ」は、苦しそうに息をする。息を切らす。不調に苦しむ。上手くいかず悩む。
意味通り、苦しくて追い込まれている感覚があってどうもセックスなどの幸福感よりは、スポーツに近い印象で達成感を私は感じてしまう。
セックスも焦燥と達成感はあるけど、私はプレイ自体を楽しむスロウな余裕と幸福感が色気を生むと考えている。

挿入する側はサディスティックなイメージが強い。
相手を追い込んで支配したい欲求、セックスをシチュエーションとして楽しむなら思い切りカタカナで早くあえいだ方がスッキリはする。
でもこれは視覚的なイメージが強いので、疾走感のある「エロ」なんだよなぁ感が否めない。

アドレナリン量の多い早急で酸素の少ないプレイに使うが、挿入時の声には使い分けが必要。

「い」は力が入っている時にでる音なので、母音が「い」の音も抵抗や体を硬くしている時に使う。
「う」も力が入っている時もあるが、抜けていく時にもでる音。
「あ」「え」「お」は快楽やリラックスなので「や」「ゆ」「よ」も同じく。

最初からガンガン打ち込む書き方の後に、失速させたり、緩やかに初めて追い込んだりの抑揚が必要。
これはセックスだけでなく、ミステリーやサイコスリラー、ホラーなどの人を追い込む手法でも応用できる。
息遣いを湿り気を感じるテンポ、読んだ字面だけでも追われてる感を読者に感じさせるのが個人的なゴール。

攻めが挿入するときは力が入り、抜く時に力も抜ける、その呼吸を受け側も同じく共有させるとリズムよく違和感のない官能的ないい「あえぎ」が書けるし、実践するとパートナーとの時間も楽しくなる。

余談。

子供の泣き声に気持ちが焦るのは、人に備わった庇護欲や本能もあるが鳴き声はだいたい「あいうえお」と「やゆよ」で構成されている。

赤ちゃんの場合は濁点が入る。

こっちはわざと不快感を与える音に本能的になっているらしい。
人間の赤ちゃんは守ってもらわないと生きていけないので、気を引いて放って置けないようにするために不快な音を出して気を引くらしい。
確かに濁点の多い音は不快感がある。

「ボケ」「ゲロ」「ダレがそうしろ言うたんじゃボケェ!!」はごっつことイラつくわハゲ!と不快感返ししたくなるよね。


普段の会話は「はひふへほ」と「なにぬねの」

普段からの会話で登場人物に色気を印象付けたり、しっとりした落ち着いた口調にしたい時は「なにぬねの」と「はひふへほ」な気がする。

「はひふへほ」に関しては言わずもがな、柔らかな雰囲気と安心感を彷彿させる音。
普段の会話で意識して混ぜると温和に聞こえてモテると、どっかのモテ女講座の人が実しやかに言っていた。

ちょい待ち。

その伝説が真なら、バイキンマンはドキンちゃんよりモテるのでは?
アニメ「それ行け!アンパンマン」のカリスマ悪役バイキンマンの口癖は「ハーヒフーヘホ〜ッ!!」
登場シーンや何か悪巧みが思いついた時など、セリフの端々に「はひふへほ」を多用している。

これが最強のモテムーブなら、BLにも応用できるのでは?

バイキンマンがいつも通りアンパンマンに殴られた後、物憂げに「はぁひ。ふぅへ…ほぉ」と虚空を眺めたら、元腐女子のママや専業主腐が放って置かない気はする。
ふむ。方向性はさて置きモテてるか!…違うか?

まぁそのくらいひらがなの「はひふへほ」は落ち着きや優しさを表せるし、柔らかで余裕のある色気が出せる。

「ちょっと待って、はぁはぁしちゃう」
ぅん。そんなコトに興味があるんだ?」
ら、ねぇ…やく」

漢字とカタカナの使い分けもあり。早いエロはカタカナ、のんびり色気は漢字少なめ、母音は大事

そして最近気がついたのは「なにぬねの」の破壊力。
フォロワーの月は東にさんに「関西弁の誘い受けエロい」と言われて気がついた。
関西弁は代表格のなんでやねん!を中心に「なにぬねの」を言葉の始めや最後に多用する、それがちょっとフェティッシュな惹きつけをするのかもしれない。

ぇ。まだベットいかない?」
んか、…ぬるぬるしてきちゃった」
ぁに?もっとして欲しい?」

うちのヒロインの有時さんは、本能男子のリキには「ベット」文学男子の巴には「お布団」と、相手によって誘い使い分ける時もある

「上品」と「下品」の扱い

エロい下ネタをはっきり言うとコロコロコミックが出来上がる。
「○んこ」「○んこ」「ア✴︎ル」等、はっきり書く方がエロさを感じる場合は言う人の表情や言い方の陰湿さでエロを出せるが、小説だとそこに色気を足すのはなかなか難しい

普段から上品な口調の理性的な登場人物が、急に下品なことを言うとドキッとするし、荒々しくはっきりとものを言う人が上品に話すと聞き耳を立ててしまう。
あとは、下品な言葉をそのまま投げると悪口や不快感もあるし、攻撃的にも聞こえて私が書きたい「色気」とは別物になっていく。
罵られて官能的になる人を書くときは効果的かもしれないが、私はあまり好んで書かない。
罵る側にも品位がある方がより鋭利に心と下半身に刺さると思う。

「お前はバカだ!そも言葉がガキくさいんだよっ!!」
「あなたからは知性が感じられない。それを証拠に言葉も稚拙ですよね」

前者は突き放してくる、耳に入った途端に悪口と取れる一言。言われる側に注力して書くとSとMが浮き上がる。
後者はゆっくり追い詰める、一瞬罵られたことが分かりづらい。品のある言葉はそれだけ人を惑わせるし妙なねばりがある。罵る側に注力すると色気を書きやすい。

品のある人に品のないことを言わせるのはエロいけど、色気は登場人物の表情や体の状態の描写によるから、小説ではかなり高度で時間のかかる描写になって大変だけどやり甲斐しかない。

一番簡単なのは上品な言葉遣いの間に下品、ないし直接的な言葉を挟んで上品で締める。
もしくは、日本語ならではの「お」を付けて控えめで理性的な部分を足すと禁欲的なのにどこか色気がある話し方になる。


最後に

BLはファンタジーSFなので、経験が無いものでももりもり書ける。

アナルセックスを経験した人は少ないし、性器の違い、体調や感覚の違いでオーガズムも違うのでほとんどが想像と本やネットで拾った情報でしか書けない。
もしくは自分が体験に当てはめて、さらに想像していくしかない。

個人的に「エロ」「色気」や「変態」を書ける人はオープンスケベだと思う。
そして書けない、書きたくない、読み専は言わずもがなムッツリスケベ。
別にどっちがいいとか悪いとか、好みの話でなく、めっちゃシンプルに考えてそうだと思う。

性描写が書けたり、色気がある人物が書けるから偉いなんてことはないです。
でも一つ言えることは、もし書けるならどんどん書けばいいと思う。その場合は必ず指定の場所でですけどね!

小説サイトは周りの人に自慢しにくい「人より長けた部分」を披露できる場所でもあるから、見えないオシャレみたいに恥ずかしがらずに出していってほしいなぁ。

官能小説は不自然な体位や心理戦のおかげで表現力が上がるし、それが脳内の言語化にもつながり、さらにいろんなホルモンドバドバ出るので美容にもいいと思う。

私も二次創作をやめてから、官能系は書かないようにしてましたが、文章力の向上のために最近また書き殴ってます。
talesやるやる詐欺も2ヶ月目に突入したので、そろそろちゃんと練習していこう。



BLって懐深い文学です。
そんなわけあるか?!な展開が最高に高く評価されたり、それは人間には無理です、が最高にエロかったり。
ご飯の「味濃い美味い!」が罷り通り、むしろそれが一番!それがBLという文学で自由な芸術だと思う。

読者も寛容でハードルが低いし、自分が出来ない体験をあえて文字化したりする事で作者も読者も疑似体験できる素晴らしい体験ツールでもある。

性描写はパンツを脱ぐのではなく、ウエストゴムを引きちぎる勢いで書け。
言わずもがなだが、室内でね!

そして一晩置いて読み直し「これは、あれやな…」と思った部分は添削すればよし。



毎回恒例の企画参加作家さんの「まとめ記事」は今日明日中に私のnoteに固定します、まとめ読み、一気読みにどうぞご活用ください!

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