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夜に口笛を吹くと?

自転車の補助輪でカッパ釣りをした思い出を記事に書いたとき、いただいたコメントの中に気になったものがありました。

多かったのは「学校のトイレ」に関するものと、昔読んだ漫画でした!
懐かしくて楽しかったです!

その中に混じっていた「夜に口笛を吹くと〜」や「夜に爪を切ると〜」などの謎の地方迷信が気になった。

これってそもそも一体なんなん?

「夜に爪を切ると親の死に目にあえない」「夜に口笛を吹くと蛇がくる」他には「霊柩車を見たら親指隠せ」や「リカちゃん人形の足を齧ると救急車の味がする」「頭痛がすると雨が降る」などいっぱいある。

都市伝説と言うには都市部の話でもないし。なんなら都心部でも言うやろし。

今ちょうど怪談やらなんやらの資料を並べてるので、ちょいっと調べてみたら、ちゃんと文献がありました。

俗信ぞくしん
日常生活を左右するものとして、世間で広く信じられてきた言い伝えや迷信。
禁忌、予兆、占卜せんぼく、呪術、諺、憑き物、妖怪など。

大辞林より抜粋

今ほど情報が簡単に入らなかった時代に作られたもので「頭痛がすると雨が降る」のように、天気を予測したり、体調不良の根げんを見抜いたりするのに使われたようにも推測できる。



コメントの中にあった「トイレのお化け」に関するものも実は俗信の派生と思える。
常光 徹の著書「日本俗信語辞典・身体編」の しり の項目によると、子供が夜にトイレに入ると『カイナデ』という妖怪が出るので用便は昼間に済ましとけという俗信が京都にある。

ただ尻を撫でるだけの、言い訳みたいな妖怪ですね。

カイナデには対処法もあり、やむお得ず夜にトイレに行く時は『赤い紙やろか。白い紙やろか』とまじないの言葉を言うといい。

この『赤い紙、白い紙』は年代によったら聞き覚えがあるかもしれません。

学校怪談にある話で、この場合は声の主が逆転し『赤い紙と白い紙どっちがいい?』とトイレの方から聞かれて、赤を選ぶと血まみれで真っ赤に、白を選ぶと血を抜かれて真っ白になって死ぬ話に派生している。

私の時代には真っ青になって凍死する青い紙の乱入バトルもありましたし、黄色い紙という場外乱闘まで勃発してました。

黄色い紙は「う○こまみれで死ぬ」という、一番避けたい死に際ランキング殿堂入り間違いなしの引導の渡し方です。

これはやる側もかなりリスキー(返り血ならぬ返り糞を浴びる)なので、混んでいるコンビニのレジで「温めますか?」と聞きながら『今は空気読んでやめて〜』って思ってるコンビニ店員みたいな気持ちで返事を待つ姿が想像できる。

誰か知らんけど、トイレの殺す奴は大変やな。

一番トイレらしい風情はあるけど、これを思うと死んでもトイレの怪異になるのだけは避けたい。

話が大幅にトペしましたが、元々はこの京都の『カイナデ』からかと思われる。
他にも鬼の手(ぬ〜べ〜ではない)便所の神様など色々あるけど、みんな一様に尻撫でる。

昔のトイレは、汲み取り式の便所だからこんな話ができたんでしょうね。
和式の便器の下に穴がありそこに屎尿を溜め、河川に流していた時もあるが、田畑の肥料にもした。

なので、トイレの穴から風が吹き上がる事もあったと思うので、それを尻を撫でられていると勘違いして子供が怯える→「ついてきて!」って起こされる→正直しんどい親の気持ち。

昔のトイレは外にあったから、人攫いへの考慮かもしれんけど、そんなところかなーと思います。

さらに河川に流していたとなると、我らがカッパ様もいっちょ噛んでくる!
河太郎(カッパ)の仕業というのもあるが、その場合は急に人は鬼の所業をかましてくるんですよ。

便所でカッパに尻を撫でられたら手を切り取る。

人間、対カッパになると急に情け容赦ない。
しかも続編があり、カッパ界隈には「カッパの妙薬」というのがあり、それの製法と引き換えに手を返してやるという、カッパサイドからしたら泣きっ面に蜂な取引を強いられる。

でも、河童といえば尻子玉。

人間サイドからしたら、撫でられるだけならいいけど、尻子玉までいかれたらちょっとおふざけというかカツアゲがすぎる部分もある。


まぁ、同意なく他人の尻は触るなって戒めですね。
カッパと変態は肝に銘じておかないといけません。

日本のトイレの美しさはこんな俗信を恐れた日本人の必死さの賜物かもしれない。
あんなに綺麗で明るいと『トイレの花子さん』もたまったもんやないよね。


夜に口笛を吹くと〜』は、私が親から言われたのは「泥棒が来る」だった。
泥棒の集合の合図(?)が口笛だから、と言っていたが、そんな陽気なハイキング気分でやっとんたんか?と今では謎。
『蛇がくる』だと、蛇は人類の天敵と遺伝子に組み込まれていることから、怖いものが来るよ〜ってとこかしら。

夜に爪を切ると〜』は親の死に目にあえないが一般的。
これに関していうと、昔は照明が乏しかったので深爪しないように明るい昼に切りなさい!という優しい親心。

少し怖い話をすると。
夜は悪霊が徘徊されるとされていて、そこに体の一部である爪がこぼれると邪霊につかれ、本体にも影響が及ぶとされていた。
爪と指の間から霊が入るとも言われていたので、深爪も感染呪術的要素があったのかなぁ。

あとは、髪や爪は身体の分離可能な部分で、納棺の際に近親者が爪を入れる習俗からとか、夜の爪→夜爪→世詰(通夜)から死を連想されたなど、諸説あり。


最後に『リカちゃん人形の足を齧ると救急車の味がする』ですが、ごく一部の私の周りだけが言っていたようで、誰に聞いても「救急車ってどんな味やねん!」と笑われて終わる。

姉も親も知らない。
私だけが知っている俗信やった。

リカちゃん人形の足の味は、まぁ大体の変態の通過儀礼なので敢えて伝えるのは逆に失礼かとも思いますが。

はい、そうです!苦い、が正解ですね。

変態抑制だけでなく、子供が誤ってお口に入れないように玩具メーカーが味をつけてくれている涙ぐましい企業努力。

じゃあ、救急車の味は?

確かめたことがない。
これでは変態の名が廃る。

だが、慌てて到着した救急車を急に舐めて確かめたら、驚いた救急隊員にパトカーを呼ばれるかもしれない。

このような、一連の変態行動が発端で『救急車を舐めるとパトカーがくる』という変態俗信が生まれる落ちるんですね。

#なんのはなしですか
#賑やかし帯

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