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#089.音が割れる原因

前回に引き続き2021年1月9日に開催致しました「トランペット何でも相談室・オンライン」という企画がありまして、その時にオンライン上でお答えしきれなかったご質問の回答をブログにて回答しております。
前回の記事はこちらです。

そして今回の質問はこちら。

音が割れてしまいます。両方の唇が震えているというか、1オクターブ下の音も一緒に出てしまいます。
チューニングBbよりも下のFから上のFまでがよく割れます。改善方法を教えてください。
(原文から一部修正させていただきました)

実際のところは演奏している状態を見せてもらわないとわかりませんので、ここでは考えられる可能性を挙げてみます。


音の出ている部分はどこか

トランペットの音の発信源が「唇」というのはみなさんもご存知かと思いますが、もっとクローズアップして、唇のどの部分が振動しているのか(意識すべき点は唇の更にどこか)を理解することがまず必要です。

唇の意識すべき大切な部分は「口の中に入り込んだ唇」です。多くの方は外の部分(鏡で顔を見たときに見えている部分)を意識する方が多いのですが、そこはマウスピースと接触して「安定」を生み出す部分です。

トランペットから音を出すためには、マウスピースを当てることによって前歯の間(口の中)に食い込んだ唇部分が最も重要であると理解することが大切です。これを理解してセッティングを意識するだけでノイズが消える可能性もあります。

アパチュアが重要

音を出すのは唇かもしれませんが、その唇の振動を発生させるために必要なのは「空気の流れの発生」です。したがって、上下の唇の間に空気の通り穴(=アパチュア)を作ることが、音を出すためのセッティングの核になる部分です。

そして、その空気の流れるアパチュアの形状によって発生するサウンド、鳴り方が決まります。したがって、願っていない音やノイズが発生するのもこの部分であるということです。

かと言ってアパチュアの形状が厳密に「こうでなければならない」ということはなく、と言うか、人間はみんな歯並びも唇の形状もまったく異なりますので、正解はその人それぞれが持っています。
ただし、雑なセッティングや唇とマウスピースの接触(貼り付き方)がいびつだったり、唇とリムの貼り付きが弱くて滑ってしまうことでアパチュアの形状変化が起こったり不要な口周辺の筋力を必要としてしまうことがノイズ発生の原因にもなります。力をかけることだけでなく、逆にセッティングにかける力がユルユルであることも原因になります。根拠ない脱力は逆効果になりやすいので注意が必要です。

そして最も起こりやすいのが「口周辺に必要以上に力をかけることでアパチュアサイズがふさわしくなくなったり、アパチュアが潰れたりする状態」です。力をかけること自体が悪いというよりも、アパチュアを作り出す意識がないまま理由もわからず力を込めてしまうことに問題があります。また、高音域は口周辺を締め付けて、低音域は緩めてしまう不均等な状態も非常に良くありません。

たくさん試してみつけてみよう

唇が口の中にどのくらい入り込むか、そうした分量は、実際にいろいろと試してみて自己のベストサイズを見つけてください。そして、もしノイズが発生した時には、「こうなるとノイズが発生しやすい」「今この動きをしたらノイズが発生したぞ」など情報収集もしてみましょう。

研究や実験は取り組んだ分だけ糧となりますので、ぜひ時間をかけてじっくり試してみてください。

ということで今回はここまでです。
それでは、また2週間後の土曜日に!

「ラッパの吹き方:Re 加筆修正版」は隔週土曜日更新です。これまでの加筆修正した記事はこちらでまとめてご覧いただけます。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット 荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。