タイミー⑧|アラフィフがプロの品出し集団と働いたら、「向いている仕事」が見えてきた
やることがちゃんと決まってる仕事がいい。
そう思うようになったのは、
前回のタイミーの経験があったから。
前回のスーパーの早朝品出しタイミーでは、
ほとんど説明もないまま始まりました。
右も左も分からない初めての現場に入り、
「これお願いね」とだけ言われる。
分からないことは、その都度、
聞きながら進めるしかありませんでした。
ピリピリとした空気の中で、
返ってくる反応に気を遣いながら動いていました。
ただ一方で、
早朝の静かな売り場で黙々と商品を並べるのは、
自分に合っていると感じました。
でも、
何もルールが分からないまま、
手探りで仕事をするのは疲れる。
だったら──
品出しを専門にしている
“プロの現場”ならどうだろう。
きちんとしたルールの中なら、
迷わず動ける気がする。
一度、そんな世界を見てみたい。
そう思った私は、
人生で初めて品出し代行業者の行うタイミーに
挑戦してみることにしました。
これは私が45歳から“100の人生初”に挑戦している
『ミケチャレ』シリーズの第39弾。
心配性で考えすぎてしまう私が、
勇気を出して一歩踏み出すリアルな体験談です。
少し前から、
タイミーで募集が出るのを
待っていた会社がありました。
ホームセンターで働いていた頃、
棚卸を代行していた業者。
何万とある商品の全てを、
一夜で全部カウントしてしまう。
作業は速く、正確で、
とても頼もしいプロ集団でした。
今度は、あの人たちと働いてみたい。
そう思って、
会社をお気に入り登録して、
密かに通知を待っていました。
ある朝、
スマホがピコンと鳴りました。
—―早朝品出し募集。
待ちに待っていた募集です。
でも、
場所は自宅から車で1時間ほどかかる
市外のスーパー。
正直、ちょっと遠い。
それでも私は、
応募ボタンを押していました。
気合を入れて向かう
当日は、
朝から雨が降っていました。
その日、指定されたのは、
黒のポロシャツと黒いズボン。
今日は、あのプロ集団と一緒に働く日だ。
家を出る前、
鏡を見て少しだけ気合いを入れました。
まだ薄暗く、雨が降りしきる中、
ほとんど車が走っていない道路を慎重に進む。
通ったことのない道。
行ったことのないスーパー。
ワイパーの隙間から、
目を細めて入り口を探します。
指定されたのは屋上の駐車場。
けれど駐車場には、
チェーンがかかっていました。
焦りながら店の周りをぐるぐる。
ようやく入れる場所を発見。
隅っこに車をとめ、
店舗入口の1階まで急ぎます。
すると、ここで、
「細かいことを気にしてしまう自分」が、
突然顔を出しました。
傘を持って行っても、
置くところがなかったらどうしよう…
そんなどうでもいい「もしも」を心配して、
迷った末、傘を持たずに車を飛び出しました。
一目散にエレベーターへ。
しかし、
エレベーターはまだ動いておらず、
階段のドアも施錠されている。
どうやって下に行けばいいの?
気づけば、
始業時間がどんどん近づいています。
混乱した私は、結局、
車で上がってきたスロープを走って下りることに。
雨に打たれながら、
びしょびしょになって、
ようやく入り口にたどり着きました。
深呼吸しながら、
よし!と気合いを入れてドアを開ける。
不思議と緊張よりも、
ワクワクのほうが勝っていました。
まさかのエプロン事件
ドアを開けると、
すぐ事務所がありました。
「タイミーから来ました!」
息を切らしながら、
お決まりのセリフを言います。
すると店長らしき年配の男性が、
「これに着替えて」
と何かを差し出しました。
使い捨ての白い簡易帽子と
簡易エプロンでした。
え……?
プロ集団に混ざる時もこれなの?
気合を入れて着てきた
黒ポロシャツに黒ズボン。
その上から重ねるのは、
すけすけのクラゲのような白帽子と白エプロン。
なんか変じゃない?
給食当番?
違和感を感じながらも、
着替えて店内へ向かいました。
店内を進むと、
見たことのある黒いユニフォーム。
あのプロ集団です。
「すみません、タイミーで来た〇〇です。」
恐る恐る声をかけます。
「え?タイミーさんですか?!」
なぜか、目を見開いて驚かれました。
こんな反応は初めてです。
え……?
もしかして、日付を間違えた?
時間?
それとも、店舗が違った?
心臓がドキドキして、
変な汗が出てきます。
するとリーダーらしき女性は、
スマホで何かを確認し、私に言いました。
「その帽子とエプロンは要らないので、
脱いできてもらえますか?」
……要らない?どういうこと?
どうやら、店長らしき人は、
私を「スーパー側」のタイミーだと思っていたようです。
なんだか急に恥ずかしくなって、
急いで事務所に戻り、
帽子とエプロンを脱ぎ捨てました。
そして、
私も黒ずくめの格好に戻り、
もう一度現場へ向かいました。
ようやく落ち着いて仕事ができそうです。
さすがプロ集団
指示は的確でした。
担当した商品は、
お菓子やレトルト食品などの常温商品。
スタッフはバックヤードから商品を持ってくる。
そして、次々と通路に配置。
私は、
その通路に置かれた段ボールを開け、
ひたすら棚に並べていく。
空いた段ボールは床に放置し、
最後にまとめて崩して片付ける。
きちんと決められたルール。
無駄のない動き。
以前のスーパーとは違います。
ひたすら品出しをする
私は、頼まれた通路の商品を、
必死に棚に並べました。
ふと後ろを見ると、
プロ集団のスタッフのひとりが、
空の段ボールをものすごい勢いで積み上げていました。
はやっ!
思わず声が出そうになります。
同じタイミングで始めたはずなのに、
もう終わりそうな気配。
私の通路は、
まだ半分も終わっていない。
なんでそんなに速いんだろう…
私と何が違うんだろう?
気になって、
少しだけ後ろ姿を観察してみました。
そのスタッフさんは、
商品を一度にたくさん手に取り、
迷うことなくガサっと奥に入れていく。
雑なようでも、見た目はきれい。
さすが…
思わず感心し、
私もマネしてみることにしました。
すると、
段ボールと棚を往復する手の回数が減り、
品出しスピードも少しずつ上がっていくのが
自分でもわかりました。
それからは、
「速く丁寧に」を心がけて、
目の前の段ボールをひたすら空にしていきました。
全部の品出しを終えた頃、
「開店まであと5分です〜」
という店内アナウンスが流れました。
私たち、黒ずくめ集団は、
お客様に見られてはいけません。
あくまで影の集団なのです。
それからは、
通路に転がる空の段ボールを急いでつぶし、
ゴミや、入りきらなかった商品を裏へ戻します。
そして開店ギリギリで、
作業を終えることができました。
思いがけない一言
必死に動いたので、
終わったころにはもう汗だくでした。
でも、
あのプロ集団に混ざれた嬉しさと、
集中してやり切ったという充実感がありました。
お礼を言い帰ろうとすると、
リーダーに呼び止められました。
え?私、なんかミスしたかな…
ドキッとして振り向くと、
「もし良かったら……一緒に働いてみない?」
思いもよらぬ一言でした。
突然のお誘いに驚きアワアワする私。
「作業も速いし丁寧だから。
ぜひ一緒にどうかなと思って。」
自分の仕事ぶりが認められたようで、
素直に嬉しかった。
でも、場所が遠くて毎日通うのはきつい。
毎朝1時間の運転。
帰りも1時間。
「ごめんなさい。ちょっと遠くに住んでて…」
市外から来たことを伝え、
丁寧にお断りしました。
店を出ると、
もう雨はやんでいました。
汗で濡れた身体は、
不思議と嫌ではありませんでした。
光を反射する雨上がりの道を走る。
目の前が、
少しだけ明るくなった気がしました。
✨自分に向いている働き方
「プロ集団の仕事を見てみたい。」
そんな、
ちょっと憧れのような気持ちで
応募した仕事だった。
実際に働いてみて気づいたのは、
ルールや手順がしっかり決まっていると、
安心して働けるということ。
何をすればいいかが明確で、
指示も的確。
それを守ることで、
余計なことを考えず、
目の前の作業に集中できる。
あいまいな基準の中で働くより、
決められたルールの中で動く方が、
自分はずっと楽だった。
品出しが好きだと思っていたけれど、
もしかしたら好きなのは、
やるべきことが明確で、
ひとりで集中できる環境
なのかもしれない。
今回声をかけてもらえたことで、
自分を必要としてくれる仕事や環境は、
きっと他の場所にもある。
そんな小さな自信が、
少しだけ生まれていた。
世の中には、
まだ知らない仕事や働き方がたくさんある。
私は、そのほんの1%も体験していない。
そう思ったら、
もう少しだけ別の世界を見てみたくなった。
合わなければ、また次を探せばいい。
ちょっとだけ前向きなになれた。
次はどんな仕事に挑戦しよう。
まだ知らない世界に出会うことを、
少しだけ楽しみにしている自分がいる。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました!
挑戦するあなたのことも、
遠くからそっと応援しています✨️
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