【時短術】NotebookLMを活用した決算分析フロー
はじめに:溢れる情報を整理しきれない現実
決算シーズン。多くの保有銘柄を持つ兼業投資家にとって、1日に何件も適時開示が発表される中で、すべてのIR資料を精査するのは、物理的に不可能な状況があると思います。
私自身、投資経験は長いですが、時間が確保できないために保有銘柄の決算を「完全放置」し、痛い目を見ることが何度もありました。
そこで、限られた時間の中で『自分自身の思い込み(バイアス)』を排除し、決算資料から客観的なファクトだけを短時間で抽出するために構築した「NotebookLMを活用した決算分析フロー」を紹介したいと思います。
「NotebookLM」とは?
Googleが提供する、Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用できるAIリサーチツールです。一般的なAIとは異なり、「自分がアップロードした資料だけ」を情報源として回答するため、事実確認が命となる投資リサーチにおいては強力なパートナーとなります。
AIに「作業」を任せ、人間は「戦略」に集中
私がたどり着いた解決策は、AIに情報抽出・分析・判断などを丸投げすることではなく、「地道な情報抽出という苦行」をAIに肩代わりさせることです。
GoogleのAIツール「NotebookLM」に特化した専用プロンプトを用いることで、資料の読み込みから構造化までを自動化するワークフローを構築しました。
これにより、AIが整理した客観的なファクト(事実)をもとに、人間は「その企業の将来性や事業価値を見極める」という、投資家本来の思考・戦略立案に集中できるようになります。
圧倒的な効率化:数分で終わる分析フロー
サンプルとして、SBIホールディングスの公開IR資料を分析していますが、実際に人が確認するとなると、
動画:『2026年3月期 SBIホールディングス(株)決算説明会』
通常約100〜120分(1時間40分〜2時間)程度。『2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)』
12ページ以上の構成。密度の高い財務データや「重要な後発事象」等のテキストを読み込み、数値を照合するには、約30〜45分程度必要。『2026年3月期 決算説明会資料』
全154ページに及ぶ膨大なスライド資料。動画を視聴せずに、各スライドの図表や戦略を独力で確認・把握しようとした場合、1ページあたり平均30秒〜1分としても約60〜90分(1時間〜1時間半)程度。
これらを個別に、あるいは並行して精査する場合、投資家としての判断を下すための「確認」には、相応の時間を要する情報量となっています。
これに対し、私の実践している手順は非常にシンプルです。
ソース投入:
公式の決算短信・説明資料をアップロードします。
特定企業のIRページを参照すればすぐに入手可能です。プロンプト実行:
投資家目線で設計した「抽出特化型プロンプト」を入力します。
事前に準備したプロンプトを実行するのみです。ファクト確認:
1分程度で出力される構造化データを確認します。
ソース投入とファクト確認は、資料の分量によって異なりますが、数分程度でおわる作業になります。
【プロンプト公開】NotebookLM決算分析マニュアル
一次情報の時短分析術 はこちら👇
実際の出力イメージ(サンプル)
以下は、NotebookLMにSBIホールディングスの公開IR資料を読み込ませ、私が作成した専用プロンプトを実行した際の回答画面です。
以前作成した記事のプロンプトから少し見直したものになっており、通常版、簡易版、深掘り版と3つ作成しています。
このデータは、本プロンプトの「情報抽出・構造化能力」を 説明するための技術的サンプルです。 出力中の「計画超過」「上方修正あり」等の表記は、 プロンプトの出力フォーマットを示すものであり、 特定銘柄に対する投資評価・売買推奨ではありません。 投資判断はすべて読者ご自身の責任において行ってください。 なお、AIの特性上、数値が一次資料と異なる可能性があります。 必ず決算短信等の原資料をご確認ください。
(出所:SBIホールディングス株式会社 2026年3月期 決算短信および決算説明資料より引用・AI抽出)
以下、NotebookLMでの【通常版】の出力イメージです。



これ以外にも、確認するデータ量を減らしたい、さらに時短で確認したい方向けの「【簡易版】プロンプト」や、抽出した事実の裏側(経営陣の意図とリスクの見落とし可能性)を確認できる「深掘り分析用プロンプト」も準備しています。
この3つのプロンプトですが、プロンプトの一部を少し書き換えるだけで、ソースの引用元を
1:引用(Citation)バッジ形式(NotebookLM標準機能を使用)
2:テキスト詳細形式(『資料名』 P.〇)
と切り替えて出力することができるようになっています。
精度を担保する「適材適所」の使い分け
Gemini単体で最新情報を検索させるのは、ハルシネーション(事実と異なる情報を生成する現象)のリスクがあります。
以下、Geminiや他生成AIで発生するハルシネーションのリスクについて詳細を記載した記事になります。
GeminiやChatGPTではなく、NotebookLMを使う理由は、このツールが『アップロードした資料だけを情報の源泉とする』という極めて厳格な設計になっているからです。 一般的なAIのように、ネット上の不確かな情報や内部の学習済みデータ(古いデータ)を混ぜて『知ったかぶり』をすることが構造的に起こりにくいため、正確さが命の決算分析において、現時点では有力な選択肢の一つと考え、「資料読解はNotebookLM」という完全な棲み分けを徹底しています。
プロンプトの公開について
私が実務で使用しているプロンプト全文と、精度を最大化するための「ソース追加の具体的な手順」については、以下の記事にて詳しく解説しています。 決算ラッシュの情報整理を効率化したい方は、 ぜひご参照ください。
1銘柄1~2分。AIに嘘をつかせず、プロの投資家視点で隠れたリスクを暴き出す『専用プロンプト(完全版)』を手に入れる👇
有料記事で提供するプロンプトおよびノウハウは、 情報収集・データ整理の効率化ツールであり、 投資判断の根拠を提供するものではありません。
免責事項および注意事項
本記事およびリンク先の有料記事で提供する情報は、生成AI(NotebookLM)を活用した「情報収集およびデータ整理の効率化」という技術的ノウハウの共有を目的としたものです。
特定の有価証券の価値の判断、および売買を推奨するものではなく、金融商品取引法上の投資助言には該当しません。投資の最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。本ノウハウを利用したことによるいかなる損失についても、筆者は一切の責任を負いかねます。本記事で使用している分析出力フォーマット(「計画超過」等の 評価ラベルを含む)は、AIによる情報構造化の例示であり、 特定銘柄の投資評価を行うものではありません。
本記事で使用している銘柄およびデータは、分析手法の説明を目的としたサンプルであり、特定銘柄の分析・評価を意図したものではありません。
本記事内に掲載しているNotebookLMの画面キャプチャは、ツールの操作説明を目的として使用しています。Google および Google ロゴは Google LLC の登録商標です。本記事はGoogleが承認・推奨するものではなく、Googleとの提携・スポンサー関係を示すものでもありません。
本記事は、NotebookLMの基本的な操作(ログインおよびノートブックの新規作成)ができる方を対象としています。初めて利用される方は、Google公式のヘルプ等で基本操作をご確認の上、ご利用ください。
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