Someday Soon 歌詞と対訳
楽曲について
Someday Soon / written by Ian Tyson
作者はカナダを代表するフォーク・デュオ「イアン&シルヴィア(Ian & Sylvia)」のイアン・タイソン。1963年発表の彼らの 2ndアルバム「Four Strong Winds」に収録されたのが初出のようです。
この曲をより広く知らしめたのが、1968年にアメリカのシンガー・ソングライター、ジュディ・コリンズ(Judy Collins)が、アルバム「Who Knows Where the Time Goes」の中で当時恋人だったスティーヴン・スティルスの勧めで取り上げたカヴァー・バージョン。スティーヴンのアコースティック・ギター、そしてバディ・エモンズのスティール・ギターをフィーチュアしシングル・カットもされた彼女のバージョンは Billboard Hot 100 で55位とまずまず健闘といったところ。
しかしながら、叙情的なメロディとストーリー性、そしてロデオ(=カウボーイ)のイメージは、その後は主にカントリー・シーンに受け継がれ、タニヤ・タッカー、クリスタル・ゲイルなどカントリー・アーティストにより多数カヴァーされています。筆者にとっては広島の老舗カントリー・ライブハウス「クレメンタイン」のハコバン・ギタリスト時代によく演奏していた1991年のスージー・ボガス(Suzy Bogguss)のバージョンが印象的です。
曲を聴く前にイメージしたいこと
若い男に恋をした主人公の少女。でも娘の将来を危惧する父親は、彼と娘の間を取りなしてくれようとしない。彼女は「近いうちに彼と一緒に旅立つの」と切に願っていますが、それは結局受け入れられない願いのままなのでした……。トリーシャ・イヤウッドの「She's In Love With The Boy」も同様のプロットですが、いかにもロミオ&ジュリエット的な父娘間の確執は、特に保守的なアメリカ南部におけるカントリー・ミュージックの表現のモチーフになりがちなようです。
さらにこの曲については、その若い彼が「ロデオ乗り」であることがポイント。今や全米でスポーツとして確立されているロデオですが、その本質は向こう見ずな荒くれ男たちの命を賭した度胸試し。父親としてはそんな奴に娘はやれんと思うのは当然でしょう。主人公自身も「damned old rodeo」という表現で、彼の出自を恨んでいる箇所があり、その辺を意識して聴くと切なさが増しますよ……それではどうぞ!
歌詞と対訳
There's a young man that I know whose age is twenty-ONE
その若い彼は たしか21歳だったかしら
Comes from down in southern Colorado
コロラドの南部の 出身なんだって
Just out of the service and he's lookin' for his FUN
軍を除隊したばかりで 人生の楽しみを探してる
Someday Soon, goin' with him Someday Soon
近いうちに 一緒に旅立つの いつかもうすぐ
My parents cannot stand him 'cause he rides the RODEO
両親は彼のことを認めない 彼がロデオ乗りだから
My father says that he will leave me cryin'
父は言うの 先立たれて泣くことになるぞって
I would follow him right down the roughest road I KNOW
たとえ茨の道でも 彼について行くつもりよ
Someday Soon, goin' with him Someday Soon
近いうちに 一緒に旅立つの いつかもうすぐ
But when he comes to call, my pa ain't got a good word to SAY
でも彼が私を呼びにきても パパは取り次いでくれない
Guess it's 'cause he's just as wild in his younger DAYS
パパ自身 若い頃やんちゃだったから 僻んでるのね
So blow, you old Blue Norther, blow my love to ME
ねえ、北風さん 彼を私の元に吹き入れてちょうだい
He's drivin' in tonight from California
今夜のうちに カリフォルニアからやってくるから
He loves his damned old rodeo as much as he loves ME
私を愛するのと同じくらい ロデオなんかに夢中な彼
Someday Soon, goin' with him Someday Soon
近いうちに 一緒に旅立つの いつかもうすぐ
When he comes to call, my pa ain't got a word to SAY
でも彼が私を呼びにきても パパは取り次いでくれない
Guess it's 'cause he's just as wild in his younger DAYS
パパ自身 若い頃やんちゃだったから 僻んでるのね
So blow, you old Blue Norther, blow my love to ME
ねえ、北風さん 彼を私の元に吹き入れてちょうだい
He's drivin' in tonight from California
今夜のうちに カリフォルニアからやってくるから
He loves his damned old rodeo as much as he loves ME
私を愛するのと同じくらい ロデオなんかに夢中な彼
Someday Soon, goin' with him Someday Soon
近いうちに 一緒に旅立つの いつかもうすぐ
Someday Soon, goin' with him Someday Soon
近いうちに 一緒に旅立つの いつかもうすぐ
a good word……文字通りの意味だと「良い言葉」になりますが、慣用句的に「推薦」「取りなし」を意味することがあります。彼が私を呼びに来ても父が取りなしてくれない。昭和の父娘みたいな構図がアメリカにもあるとはね。いずこも同じ!
Blue Norther……アメリカの中西部からテキサス州にかけて、秋から冬に発生する非常に強力な寒冷前線やそれに伴う猛烈な冷たい北風のことを差す気象用語だそう。叶わぬ恋を瞬間凍結させそうな、なんだか切ない語感ですね。
いつかもうすぐ……前述のカヴァーとは別に、浜田省吾が1979年発表のアルバム「君が人生の時…」にこの曲を収録。独自の日本語詞がつけられていますがその内容は原曲の物語とは全く異なるものです。その日本語タイトル「いつかもうすぐ」は不思議な語感ですが、これはこれで切なさと美しさが同居しているので、ちゃっかり翻訳に引用させて頂きました。
