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わがままと配慮の境界線を行き来する

小学生と中学生の二人の不登校児・ホームスクーラーを育てています。
このシリーズでは、不登校児・ホームスクーラーの親歴三年を過ぎた私が、「(なんとなく)二周目に入ったな」と感じたことをきっかけに、これまで直面したさまざまな疑問や悩みを、ふたたび思い起こしほぐしてみます。
本記事は、以下の視点からお伝えしていきます。

「ずるい」「みんな頑張っているのに」は消えない

前回、「困ったこどもは困っているこども」という原点について触れました。

この話と共に、その子がその子らしくいられる環境を考える際に必ずぶち当たる言葉について、今日は触れたいと思います。「ずるい」の話です。何度もこの言葉に行き詰まりその度に考え問いを続けてきました。

「ずるい」という視点はかなり奥深く根深い、と行き詰まる度に思います。個々の能力も特性もバラバラなのが当たり前な社会の中で、ルールを敷きすぎればあぶれる人は増え、誰かの困りごとに焦点を当てすぎればそれは「ずるい」となる。じゃあどうしたらいいの?の経験値的最適解が、マジョリティに合わせるというやり方なのではないでしょうか。

そうやって社会は成り立ってきたことを考えると、決して間違っているとも言い難い。そして私も含めた多くの大人が、ずっとずっと、そういうマジョリティの中で「頑張って」きた過去があり、頑張ってきた、は尊重されやすい。

程度の問題は別として、マジョリティをベースとする社会の中で「ずるい」の視点は無くならないのだと思います。

合理的配慮の「合理的」って何だろう

我が子と「ずるい」の壁に当たる時、もう一つ感じていることがあります。それは、子ども自身もまた「ずるい」と言われることを「その通りだ」と感じている側面はあるということです。「ずるい」と言われながらそれをその通りだと感じる子ども目の前に、単にわがままを言っているだけでないこともよくわかり、複雑な思いがあります。

合理的配慮という言葉がありますが、ヒントは如何に「ずるい」「わがまま」を合理的配慮の側へ持っていくことにあるか、というふうに感じます。しかし、この「合理的」がまた、なんなのさ、という感じ・・・。

せっかくなので調べてみました。

障害者の権利に関する条約「第二条 定義」においては、「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。

文部科学省:合理的配慮について

私なりに噛み砕いた解釈をすると、平等にあるための「個別」の「環境調整」であり、かつ、調整側に過度に負担とならないもの、ということがポイントなのだ思いました。

ふと、かつて実際に「ずるい」の壁にぶち当たった例である、給食登校(給食の時間だけ学校に行く)は合理的配慮なのか、という問いが浮かびました。先ほどのポイントに当てはめてみます。

  • [背景] 長く不登校状態にあり授業に参加することだけでなく教室に入ることも心理的難しさがある

  • [個別化] 本人は「給食ならいけるかもしれない」と感じている

  • [環境調整] 給食だけの登校をよしとする

  • [配慮側の負担] 他の生徒と同じ場所で食べるので特別な物理的負担はなし、担任の先生は事前のやりとり(母親との会話)がある

こうして考えると、給食登校は不登校の子どもの心理的個別事情に配慮し、過度な負担を学校側に求めないという意味で、合理的配慮の一例になるのではないでしょうか。

配慮もよいが、教育環境は選べるものでありたい

ところで、教育全体で考えたとき、大きな合理的配慮の仕組として特別支援教育があります。一人一人の個別化ではどうにもならない配慮も、特別支援教育・教室があることで一定の仕組みで個別化の負担を減らしつつ、差分のニーズに対応することで回っていると考えると、できることなら頼りたい大事な仕組みであると感じられます。

一方で、不登校、発達特性などの多様化が止まらない中、積極的な理由でオルタナティブ教育を選ぶご家庭も増えています。自分に合った環境を選ぶことは大人の世界では当たり前ですが、義務教育という枠がある中では「枠にはまらないもの」となってしまいます。これってわがままなのでしょうか。

高校以降で選べる教育の仕組みは一気に多様になりますが、義務教育の時期に悩み抜いている小中学生とその親が多いことを考えると、なんとかしたい・なってほしい、という思いは強い今日この頃です。

🔗 参考資料

本記事執筆に関連する情報を掲載します。

📕発達障害・知的障害のための合理的配慮ハンドブック

専門書ですが、この機会に目を通してみました。私のような保護者の視点では少し難しく感じますが、海外のものも含め事例が多く載っている点は読みやすかったです。
合理的配慮の基本を知る上でも、一度目を通して解像度があがりました。


🌱 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
シリーズに興味を持っていただいた方へ、こちらのマガジンで発信していますので、ぜひご参照ください。

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