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「ベリフィケーション」とCodex

昨年書いた記事「特殊な「ベリフィケーション」の語はなぜ広がった?」にコメントをいただきました。

食品分野でベリフィケーションという言葉が使われるのは、Codex HACCPの7原則 12手順のなかの原則6 手順11「検証」にその意味合いがあり、手順通り実施しているかを問われることがあるからだと思います。検証にはバリデーションの意味もあり、誤解されやすいですね

Jさんによるコメント(記事内

Jさん、コメントありがとうございます。Codex HACCPにverificationの語があるとは知りませんでした。
食品以外の読者のために説明すると、Codex(コーデックス)は国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で制定している国際的な食品規格です。HACCP(ハサップ)は食品の衛生管理手法です。

日本食品衛生協会が公開しているCodex HACCPの対訳「Codex 食品衛生の一般原則」をざっと読んでみました。「6.定義」に次のように書かれています。

Validation of control measures【管理手段の妥当性確認】:管理手段または管理手段の組み合わせが適切に実施された場合、特定した結果にまでハザードをコントロールすることができるという根拠の入手。
Verification【検証】:管理手段が意図したとおりに機能しているか決定するため、モニタリングに加えて行われる方法、手順、検査およびその他の評価の適用。

Codex 食品衛生の一般原則

あれ?
このvalidationとverificationの関係は、食品分析分野(の一部)で使われる「バリデーション」と「ベリフィケーション」の関係とはちょっと違うように見えます。

validationのほうは、ある衛生管理法がちゃんと危害を防ぐかどうか確認するという意味なので、食品分析の「バリデーション」と同じです。しかしverificationは、その衛生管理法が稼働し始めた後に、ちゃんと機能しているかどうか確認するもの(ただしモニタリング以外)と読めます。
たとえば洗浄消毒手順の「検証」は、目視検査および監査のような手法によって定期的に実施すべきと書かれています。これ以外にも「定期的な検証」の表現が多数あります。

これに対して分析法の「ベリフィケーション」は「バリデーション済の分析法が個別の試験室で問題なく実施できるか確かめること」であり、その分析法を導入するときや分析法を修正するときに行うものではないでしょうか。また、目視検査や監査ではなく、バリデーションで行うこと(添加回収試験など)の全部または一部を行います。

つまりCodex HACCPのverificationは、validation済みの衛生管理法に対して実施するという点では食品分析の「ベリフィケーション」に似ていますが、完全にパラレルというわけではないようです。
それから、定義では「Verification【検証】」と原語と和訳が併記されていますが、対訳の本文中ではあくまで「検証」であり、カタカナの「ベリフィケーション」は使われていません。

ところでCodexには分析法の規格もあります。そっちではどうなってるの?
というわけで、お盆休み中の課題として、次は分析法のCodexを読み解いてみたいと思います。

タイトル画像はCopilotで生成
(昨年のベリフィケーション記事を書いたころに生成したもの。当時はCopilotの機能が今より低く、私の指示も適当すぎたので、めちゃくちゃ素朴な画像でした。)