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エッセイ 『わずか5ミリがもたらす気付き』


こんばんは!


会社員のかたわら、計21冊の(Kindle)本を出版しておりますツナギビトです。



先日、指を切りました。


と言っても、ほんの5ミリ程度の傷。

誰かが見た時、パッと見た肉眼では
気付かないほどの小さな切り傷。


何しろ、僕自身もいつ、どこで、
この傷ができてしまったのか分からない。

気づいた時には、
当たり前のようにできていた傷。


初めに気づいたのは、
会社でパソコンを操作している時でした。

キーボードをタイピングしながら、
いつもの業務をこなしていると、
指先にわずかな痛みを感じました。


何かにチクッと
刺されたようなわずかな痛み。


タイピングの手を止めて、
指先に目を凝らすと、
そこには小さな切り傷ができていました。

中指の腹の薬指に近い方に位置する
ほんの5ミリ程度の切り傷。

目を凝らさなければ、
指のシワと区別がつかないほどの
ちいさな傷。


「えっ? どういうこと?」


いつ、どこで、できたのか
全く見に覚えもない切り傷。


そんな切り傷がまるで
『昔からいましたけど何か?』
という表情で居座っているのです。


とはいえ、大きな痛みでもなく
接触さえなければ、
痛みもまったく感じない。


僕は気を取り直して、
ふたたびパソコン画面に向き直りました。


けれども、見覚えのない切り傷は、
僕宛に届いた
送り主のわからない不幸の手紙のように、
どことなく気持ち悪さを感じさせました。


そして、キーボードを打つと、
もう一度わずかな痛みを感じました。


そこで、気付きました。


僕がキーボードのEnterボタンを押すときには、
必ず中指の腹の外側を使っていたことに。


そうです、ちょうど
その切り傷のある箇所に
ジャストミートするのです。


僕は眉をしかめながら、
人差し指を伸ばして、
Enterボタンを押すように心がけましたが、
習慣の恐ろしさを甘く見てはいけません。


ちょっと時間が経てば、
ふたたびわずかな痛みが指先を襲います。


無意識に中指の腹の外側を
使ってしまっていたのです。


意識をしなければ、つい
いつもの動作でキーボードを打ってしまう。

その後も、何度か同じ過ちを犯して、
徐々にストレスが溜まってきました。


ほんの5ミリの傷は、
僕を嘲笑うかのように
チクチクと痛みを与えてきます。


そこで、僕はもう
この痛みに慣れてしまおうと思いました。


決して耐えられない痛みではない。

この痛みとともに耐え凌ごう。


そう決意して、
パソコン業務を行っていると、
痛みにも慣れてきました。

また、徐々に
中指の腹の位置をわずかにずらすことで、
痛みを分散できる技術も身につけたのです。


僕は我ながらこの
臨機応変な対応力を自画自賛していました。


しかし、
事態はそう上手く行きませんでした。


休憩時間に席を立ち、
トイレに入ろうとすると、
ふたたび指先に痛みが走りました。


そこで、僕は
トイレのドアを開ける時にも、
中指の腹の外側を使っていたことに
気づいたのです。


痛みに慣れてきたとはいえ、
キーボードのタイピングの痛みと
ドアを開ける時の痛みは大きく違っています。


ドアの重み。
その重み分、痛みも増してくるのです。


僕はため息を吐きながら、
これは治るまで
中指を使わないように意識するしかないな、
と思っていた矢先に
ふたたび指先に痛みが走ったのです。


今度は携帯を持っている時。

中指の指先の外側を使って、
携帯を支えていたことに気づいたのです。


すぐに左手に携帯を持ち替えて、
痛みを回避しました。


その後も、昼休憩になり、
外へ買い物をしようと
エレベーターに乗り込むと、
ふたたび指先に痛みが走りました。


エレベーターの階数ボタンを押す時に、
中指の指先の外側を使って、
ボタンを押していたことに気づいたのです。


そこで僕はハッとしました。


「めちゃめちゃ中指の指先の外側に依存してる!?」


今までまったく気付かなかったのですが、
僕はことあるごとに、
右手の中指の指先の外側を
多用していたことに気づいたのです。


たった5ミリ。


ほんの5ミリの切り傷によって、
こうも日常生活が不便になるとは
思いもしませんでした。


その後も2、3日は、
この5ミリの切り傷は治らずに、
ストレスの多い日々を過ごしていました。


そして、2、3日後、
あの5ミリの傷は跡形もなく
消えてしまいました。



『痛みに耐えて、よく頑張った!
感動した!!』


と、純一郎さんがぬっと現れて
あの名言を言ってくれるはずもなく、
普段と変わらぬ日常が訪れました。


いつもは、まったく意識していないながらも、
僕たちは全身のさまざまな箇所を使って
生活を送っています。


そして、わずか5ミリであっても、
体調は万全なものではなくなってしまう。


あらためて、
体を大切に扱っていかなければならない。


そう強く思いました。


2022年カタールで
開催されたサッカーのワールドカップ。


日本対スペイン戦で、
世界中から話題になった出来事。


「三笘の一ミリ」


今回の出来事は、
後世までこう語り継がれることでしょう。


「ツナギビトの5ミリ」





はい、あなたもお分かりの通り、
このエッセイの着地点を
見失ったうえの苦肉の策。


それが、「ツナギビトの5ミリ」




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余談ですが、
日本対イングランド戦を観たいのですが、

寝坊してしまう自信があります。

けれど、強豪との一戦はきっと観る価値あり。

寝坊覚悟で見届けたいと思います。




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