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最後の春休み_アルファベットの名前順さえ あなたはひどくはなれてた


春休みのロッカー室に
忘れたものをとりに行った
ひっそりとした長い廊下を
歩いていたら泣きたくなった
目立たなかった私となんて
交わした言葉数えるほど




『最後の春休み』は、ユーミンがハイ・ファイ・セットへ提供し、その後1979年のアルバム『OLIVE』でセルフカバーしました。


つまり、最初から「自分だけの体験談」として書かれたというより、歌として完成された作品でもあります。

この曲は恋愛というよりも、

「伝えられなかった想い」

を描いた作品のように感じます。

歌詞には

* 「アルファベットの名前順さえ あなたはひどくはなれてた」
* 「交わした言葉 数えるほど」

とあり、ほとんど接点のなかった相手への憧れが描かれています。

さらに

「思い出してもくれないの」

という一節があるので、主人公は相手からは特別な存在ではなかったことを自覚しています。

だからこそ、

「ひっそりとした長い廊下を歩いていたら泣きたくなった」

という冒頭が胸に響くのでしょう。

この曲には、ユーミンらしい「大事件は何も起きていないのに、人生が変わる瞬間」があります。

卒業式ではなく、
告白でもなく、
別れの場面でもない。

誰もいない春休みの校舎を歩くだけで、もう二度と戻れない時間を悟ってしまう。

その静けさを描けるのが、ユーミンのすごさだと思います。