🌙星の泉と願いの光②
この物語は、チュチュ・テイルの世界を旅する記録です。
シルエットで描かれた猫たちや動物たちが暮らす世界✨
白いうさぎの旅人 エトワール の旅日記として綴っています。
はじめての方は固定記事からどうぞ🌙
これは、光の行方を追う旅がはじまる、少し前の出来事。
この夜に生まれた光が、やがて旅のはじまりへとつながっていきます。
小さいうさぎの願いが、星の泉で小さな花に変わった出来事は、ぼくの中に深い感動を残しました。
この場所には、たくさんの想いが流れ着いている。そしてそのひとつひとつが、やがて光となり、やさしい花へと姿を変えていくのだと。
気がつくと、泉の水面は——
小さな花たちで満たされていました。
それはまるで、想いがそのまま浮かんでいるような、静かな花の海。

そのとき——
ふと、まわりの空気が、わずかに揺れました。ざわり、としたかと思うと、すぐに、しんとした静けさに包まれます。
光の中に、ひとつの輪郭が、やさしく浮かび上がりました。夜の色をまとい、星のきらめきをたたえた存在。
——ムーンキャット。

彼女は何も言わずに泉へと近づき、水面に浮かぶ花のひとつへ、そっと手をかざします。
三日月の杖が、静かに光を帯びた瞬間——
花は、淡い光へとほどけ、やがて四つのやさしい光へと分かれていきました。
光は、やわらかくほどけながら、どこかへと導かれるように静かに流れていきます。

ぼくは、その光を見つめながら、ひとつのことに気づきました。
この泉に集まった想いは、ここに留まるためのものではない。受け取られ、分かたれ、そしてまた、世界へとめぐっていくのだと。
遠く離れた場所で、その光は静かに届いていきます。
夜の中で、そっと寄り添う光。
心に小さなときめきを灯す光。
やさしさを芽吹かせる光。
あたたかな気配として残る光。
どれも目立つことはなく、けれど確かに、誰かの心に触れている。
星の泉は、願いを叶える場所ではありません。
ここは——
想いが集まり、かたちを変え、やさしく世界へとめぐっていく場所。
その静かな流れを、ぼくはただ、見つめていました。それは、とても小さくて、けれど、とても確かな魔法だったのです。
この夜に見た光をきっかけに、ぼくは、その行方を追う旅へと出ることになります。

←前のお話
→次のお話
🌙はじめての方へ
👉 チュチュ・テイルの世界はこちら
