イサム・ノグチという存在。
アーティストには、ときどき「考え方」に影響を受ける人がいます。
自分にとってその一人が、Isamu Noguchi です。
最初に彼の名前を知ったのは、照明でした。
和紙の光の彫刻とも言える
Akari Light Sculptures 。
柔らかい光を放つその照明を見たとき、
とても美しいと思いました。

けれど後から知ったのは、
彼が単なる照明デザイナーではないということでした。
世界的な彫刻家であり、
家具デザイナーであり、
ランドスケープデザイナーでもある。
ひとつの分野に収まる人ではありませんでした。
むしろ、
境界を横断していくようなアーティストでした。
彼の言葉の中に、
とても印象に残っているものがあります。
「アートからアートに向かうのではなく、
自然からアートに向かうとき、アーティストは成功する。」
この言葉を知ったとき、
とても腑に落ちました。
表現は、表現から生まれるのではない。
光や風、
石や水、
そういう自然の感覚から生まれるものなのかもしれません。
もう一つ、
強く印象に残っている言葉があります。
もし自分の作品が
「ひとつのスタイルに落ち着いた」と感じたとき。
そのときは、独自性の鋭いエッジを失ったと思え。
この言葉は、
少し怖い言葉でもあります。
スタイルが確立することは、
普通は成功の証のように思えるからです。
けれど彼は、
そこに留まることをよしとしませんでした。
常に変化し続けること。
常に新しい表現に向かうこと。
それがアーティストの姿勢だと
言っているようにも感じます。
写真を撮ること。
光を扱うこと。
自分がやっていることも、
もしかすると同じなのかもしれません。
もし表現が
「いつものスタイル」に落ち着いてしまったら。
そのときは、
少し疑ってみる必要があるのかもしれません。
イサム・ノグチの言葉は、
そんなことを思い出させてくれます。
light office ~LIGHTING DESIGN STUDIO~
「光を描き、光を灯し、光を写す」をコンセプトに、静岡県浜松市を拠点に活動しています。
