むかし語り コミックのアニメ化、実写化とか・・・ 【シニアの独言】①
空から鉄人28号がやってくる
小学生の頃、近所に2学年ほど下の男の子がいました。
ある日、その子がずっと空を見上げています。
ー 何を見ているの?
そう聞くと、
ー 鉄人28号が飛んでくるのを待っているんだよ
と答えました。
ー 鉄人28号は漫画だから、実際には飛んでこないよ
と言っても、
ー だって、テレビに出てるもん
と返して、その後も空を見続けていました。
子供ながらに驚いた記憶があります。
しかし、今振り返ると、この出来事はテレビという新しいメディアの力を象徴していたのかもしれません。
テレビが夢を現実に近づけた時代
調べてみると、鉄人28号のテレビアニメ放送開始は1963年10月20日でした。
その前年には鉄腕アトムのテレビアニメ放送が始まっています。日本のテレビアニメの幕開けともいえる時代です。
翌1964年には東京オリンピックが開催され、テレビは急速に家庭へ普及していきました。
テレビで見るものは、子供たちにとって本当に存在するものだったのです。
新しい話題を話したときに、周りからは
ー 嘘だあ!
と言われても、
ー テレビで言っていたもん
この一言でみんな黙ってしまいました。
この言葉には、正当性を主張するのには、絶対的な説得力がありました。
それほどテレビが神格化されていた時代だったのでしょう。
実写化されたヒーローへの違和感
現在では漫画やアニメの実写化は珍しくありません。
しかし当時は、漫画や小説を実写化することが先でした。
鉄腕アトムや鉄人28号もテレビで実写化されています。
ただ、実際に見た子供の感想は、
ー 何か違うなあ
でした。
アトムは人間が帽子をかぶって演じ、空を飛ぶ場面も想像とは違いました。
鉄人28号も、本来は巨大ロボットなのに、人間より少し大きい程度のサイズでした。
まだ特撮技術が現在ほど発達していない時代です。
それでも子供たちは夢中になりました。
なぜなら、テレビという媒体そのものが新鮮で、大きな力を持っていたからです。
《テレビで言ってたもん》の時代
こうして私はテレビ全盛期を過ごしました。
野球、相撲、プロレス、ドラマ。
大人も子供もテレビに夢中でした。
テレビから流れる情報は、多くの人にとって共通の話題でした。
テレビで言っていたなら、本当なのだろう
そんな感覚が社会全体にあったように思います。
もちろん、テレビだからすべて正しいわけではありません。
しかし当時、テレビは家庭の中心にあり、人々の価値観や流行を大きく動かす存在でした。
一方で、テレビの影響力が強まりすぎることへの批判もありました。
評論家の大宅壮一氏が「一億総白痴化」という言葉でテレビ時代への懸念を示したことも、その一例です。
《テレビで言ってたもん》は今どう変わったのか
私は現在、テレビをほとんど見ません。
家にもテレビはなく、コンテンツはYouTubeや配信サービスで楽しんでいます。
そのため、同年代の人たちとの会話でテレビの話題についていけないことがあります。
そんな時、時々聞くのが、
ー テレビで言ってたんだけどね
という懐かしい言葉です。
では、今の時代、人々が無意識に信頼しているものは何でしょうか。
もしかすると、
ー YouTubeで言ってたもん
という言葉になるのかもしれません。
流行を作る媒体は変化する
半世紀以上前、娯楽の中心は映画からテレビへ移りました。
新聞や雑誌も大きな影響力を持っていました。
しかし現在では、インターネットが情報発信の中心になっています。
スマホ一台で、誰でも好きな時間に好きなコンテンツを楽しめる時代です。
映画、テレビ、書籍、漫画、インターネット。
時代ごとに主役となる媒体は変わってきました。
そして、これからも新しい媒体が登場していくでしょう。
昔、空を見上げて、鉄人28号が飛んでくると信じた少年の姿を思い出すと、メディアとは単なる情報伝達の道具ではなく、人々の想像力に大きな影響を与える存在なのだと思います。
過去を振り返りながら、次の時代のコンテンツがどこへ向かうのかを考えるのも、また一興でしょうか。
ではまた、続きは次の機会に!
私ごとです。
kindleで絵本を出版しました。
シニアでもできるぞ、という激励になれば幸いです。
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応援ありがとうございます😭