yosugala─不器用一生懸命エモ(にゃんぽこらフェス!予習)
はじめに
2025年11月2日と3日、ベルサール汐留で「にゃんぽこらフェス!vol.2」が開催される。
わーすた主催のこの大規模アイドルフェスには、2日間で数十組ものグループが出演する。せっかくの機会だから、事前に出演グループを知っておけば、フェスがもっと楽しくなるはずだ。
そこで、この連載では気になる出演グループを1組ずつ紹介している。
今回取り上げるのは、yosugala(ヨスガラ)。2022年6月にデビューした4人組で、わずか3年で日比谷野音でのワンマンライブを実現させた実力派グループだ。PassCodeやAliAといった人気アーティストの名前と共に語られることも多い彼女たちだが、その魅力は決してそれだけではない。
「夜通し夢を見続ける」。そんな覚悟を胸に、4人は今日も夜を駆け抜けている。
夜明けを待ちわびた、4人の物語
2022年6月22日、恵比寿LIQUIDROOM。約300人のキャパシティを持つこの会場に、4人の少女たちが立った。それぞれが異なる場所で夢を追い、時に挫折を味わい、それでも諦めきれなかった想いを胸に。
株式会社we-B studiosとsakibiが共同で立ち上げた「WEXS」プロジェクトから誕生したyosugalaは、「終夜(よすがら)」という言葉をグループ名に冠している。「一晩中、夜通し」を意味するこの言葉には、「ずっと夜のような日々が続いても、一晩中夢を見たい」という強い想いが込められている。
現在のメンバー4人には、それぞれ異なる背景がある。

引用:http://we-b-studios.co.jp/yosugala.html
黒坂未来は、会社員として働きながら3つのグループのオーディションを受け続けた。すべて最終段階で不合格。その縁から現在の事務所を紹介され、別のグループからの誘いを断ってyosugalaへの参加を決断した。最初にプロジェクトに参加したメンバーとして、約2年間メンバーが揃うのを待ち続けた。安定した包括的な歌唱力でグループのハーモニーの基盤を形成し、美しさと遊び心を併せ持つ存在として評価されている。

引用:http://we-b-studios.co.jp/yosugala.html
汐見まといは早稲田大学を卒業した異色の経歴を持つ。歌舞伎町のコンカフェで働いていた時にスカウトされた。「学歴を捨ててこういう業界に入るのは勇気がいったけど、その決断をした自分を誇りに思う」と語る彼女は、「ハカナ系美少女」というキャッチフレーズで知られ、圧倒的なビジュアルとソウルフルな歌声でDIVAのような存在感を放つ。自称「グラビアに抵抗がなく、生まれつきグラビアができる人間」。

引用:http://we-b-studios.co.jp/yosugala.html
君島凪の加入までには、1年半もの時間を要した。幼少期からAKB48のファンでアイドルを夢見ていたが、中学生時代に地元のアイドルグループに合格したものの、親に反対され断られた。大学時代はアイドルコピーダンスサークルに入ろうとしたがダンスが下手すぎて複数のサークルで落選。バンドサークルで汐見まといと出会い、yosugalaの4人目のメンバーが見つからず事務所が「懸賞金10万円」まで出していた時期に、まといから高田馬場駅のロータリーでスカウトされた。一見穏やかだが、力強い歌声とエネルギッシュなパフォーマンスでグループに勢いをもたらす。

引用:http://we-b-studios.co.jp/yosugala.html
未白ちあは最年少メンバーで、中学生時代からアイドルを志していた。何度もオーディションを受けたが不合格が続き、服飾系の学校に進学して衣装制作の立場からアイドル業界に関わろうと考えた。元々uijinのファンだったが、SNSのDMで「PassCodeとuijinの事務所が新グループを作る」という見知らぬ人からのメッセージを受け取り、当初は「詐欺では?」と疑った。渋谷のエクセルシオールカフェで会った「知らないおじさん」が事務所社長だったと後に判明。極めて可愛らしい外見とは裏腹に、ライブでは少しハスキーな声質を生かしたクールなラップパートを担当し、ギャップのある魅力を発揮している。ハロプロが好き。
汐見まといはグループの特徴を「不器用一生懸命エモ」と表現する。「4人とも性格はバラバラだけど、不器用で一生懸命で芯がある共通点を持っていて、yosugalaの曲を歌うことで一つになる」。当初はメンバー同士の方向性が分からず衝突もあったが、歌うことで団結できることに気づいたという。4人の声が重なり合う時の独特な心地よさと、個々の強い個性が起こす化学反応こそが、yosugalaの最大の魅力なのだ。
デビューからの軌跡
yosugalaのプロジェクトは2021年3月22日、we-B studiosとsakibiが共同で「WEXS(ウィクス)」を発表したことから始まった。大阪を拠点とするwe-B studiosはPassCode、Kolokol、Axelightを運営し、東京のsakibiはuijinとraymayを手がけていた実績を持つ。
最初の3人が揃ったのは2021年5月だが、4人目のメンバーが見つからず1年半もの時間を要した。黒坂未来は「このまま見つからなければ事務所を辞める!」と詰め寄ったという。その2週間後、君島凪が加入して4人が揃った。
2022年5月15日に公式Twitterアカウントが開設され、6月2日には4人のメンバーとアーティスト写真が公開。6月22日に恵比寿LIQUIDROOMでデビューライブを開催した。先輩グループのKolokol、PRSMIN(元uijinメンバーありぃがプロデュース)がゲスト出演した。
【yosugala】【we-B studios × sakebi】
— yosugala (@yosugala_info) June 2, 2022
君島凪(@nagi_ysgl)
黒坂未来(@miku_ysgl)
汐見まとい(@matoi_ysgl)
未白ちあ(@chia_ysgl)
6/22 debut live LIQUIDROOMhttps://t.co/kQcUiDkYli#yosugala pic.twitter.com/A1UrAF8cLS
デビュー直後の7月には「prologue」と「僕のわがまま」を2日連続で配信リリースし、8月には4週連続でシングルを発表。デビューわずか1ヶ月後にはMAWA LOOP EXTRA 2022でトップバッターとして8時間のアイドルフェスティバルに出演し、新人らしからぬ堂々としたパフォーマンスを見せた。
12月4日には渋谷Spotify O-Crestで初のワンマンライブを開催。同月には初のMV「夜明けの唄」を公開した。
2023年は、グループにとって飛躍の年となる。5月20日に1stフルアルバム「ヨモスガラ」をリリース。6月22日の1周年記念ライブはSpotify O-WESTで開催され、チケットの先行発売初日に即完売という快挙を達成した。このライブで黒坂未来は、涙ながらに胸の内を明かした。
「yosugalaはuijin、PassCode、AliAという名前のおかげで注目されている。でも、実力が伴っていないのに評価されることが、嬉しくもあり、辛くもあった。有名になるにつれて傷つくことも言われるようになって、心が追いつかなくなる時もあった」
その言葉は、彼女たちが抱えてきたプレッシャーの大きさを物語っていた。
8月3日にはフジテレビ「ねる、取材行ってきます」で地上波テレビ初出演を果たし、TOKYO IDOL FESTIVAL 2023にも出場。9月から10月には初の東名阪ツアー「yosugala QUATTRO tour2023」を開催し、全公演完売を達成した。
2024年2月16日に2ndアルバム「ヨモスガラ2」をリリースし、18日にはデビューの地である恵比寿LIQUIDROOMで満員のワンマンライブを開催。4月から6月にかけて初の全国ツアー「yosugala tour2024」を実施し、6月22日の2周年記念ツアーファイナルはSpotify O-EASTで開催され完売。
2025年2月8日のLINE CUBE SHIBUYA公演は重要なマイルステーンとなった。2,000人キャパシティの初のホール公演であり、初のバンドセット(AliAのERENらによる生演奏)での公演でもあった。この公演でファンクラブ設立と大型ツアーが発表された。
6月20日には3rdアルバム「ヨモスガラ3」をリリースし、6月22日の3周年記念ライブは日比谷公園大音楽堂(野音)で開催。松明が灯される演出やウォーターキャノンなど、野外ならではの大規模な演出が施された。

引用:https://natalie.mu/music/news/629990
この3年間で、ワンマンライブ会場のキャパシティはO-Crest(約250人)からO-WEST(約600人)、O-EAST(約1,300人)、LINE CUBE SHIBUYA(約2,000人)、そして日比谷野音(約3,000人)へと着実に拡大している。そして何より特筆すべきは、デビューから一度もメンバーが欠けることなく活動を続けていること。この安定性は、アイドル業界では極めて異例と言えるだろう。
ロックとエモーションが交差する音楽世界
yosugalaの楽曲は、2つの異なるクリエイターチームが手がける楽曲の融合に最大の特徴がある。
一つは、ロックバンドAliAのメンバーによるチームだ。ギタリストのEREN(メインコンポーザー)とキーボーディストのTKT(メイン作詞家)を中心に、キーボードやバイオリンを効果的に用いたエモーショナルなロック・ポップスサウンドを提供し、楽曲の過半数を担当している。
もう一つは、PassCodeのサウンドプロデューサーである平地孝次を中心とするチーム。シンセサイザーを多用したラウドなロックサウンドが特徴で、平地が作曲・編曲を担当し、we-B studios社長の法橋昂広や元uijinのありぃが作詞を手がけている。
両チーム間の共同制作も行われており、異なるアプローチが融合することで、グループの音楽的な多様性と強みを生み出している。
本格的なバンドアレンジと生演奏を想定した楽曲構成も大きな特徴だ。ジャンルはロック、ポップス、ラウドロック、エレクトロニックと幅広く、ハードな楽曲からメロディアスなナンバーまで多彩。「存在感の薄い曲が本当にひとつも存在しない」と評されるほど、すべての楽曲が高いクオリティと個性を兼ね備えている。そして、4人それぞれの歌声が絶妙なバランスを保ちながら、感情豊かに重なり合うハーモニーが聴く者の心を揺さぶる。
yosugalaの現在地と未来
yosugalaは今この瞬間も、着実に成長を続けている
2025年6月20日に3rdアルバム「ヨモスガラ3」を配信開始し、リード曲「何億分の1を」は6月27日にMVが公開された。6月28日から7月25日には広島、大阪、福岡、高松、名古屋、仙台、小樽、札幌を巡る9都市ツアーを実施し、Zepp DiverCity TOKYOでファイナルを迎えた。
2025年10月以降も精力的にライブ活動を展開しており、にゃんぽこらフェス!への出演もその一環だ。汐見まといがNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」に高島屋おひさ役(寛政三美人の一人)で出演するなど、メディア露出も拡大している。
汐見まといは3周年記念ライブで「3年やってきて『もう無理かも』『頭打ちかも』と思ったことはまだ一度もなくて」と力強く語り、未白ちあは「4周年はもっと大きいところでお会いしましょう」と宣言。黒坂未来は3周年ライブで完売とはならなかったことに触れつつも「去年の2周年ライブの倍のファンの方がいらっしゃる」と前向きに捉え、確実な成長を実感している。
yosugalaの躍進を支える最大の武器は、「アイドルの枠を越えた」と評されるその本格的な音楽性にある。
これは、AliAやPassCodeといった、それぞれ異なるスタイルのロックシーンを牽引してきたクリエイター陣が楽曲制作の核を担うことで実現されている。エモーショナルなロックとラウドなロック、二つの本格的なサウンドが融合した楽曲群は、従来のアイドルファンだけでなく、ライブハウスに通うロックバンド好きの心をも掴むだろう。
この戦略が単なるコンセプトに留まらないことは、ライブの動員数が証明している。デビューからわずか3年で、ライブハウスから日比谷野音まで着実に会場の規模を拡大させてきた軌跡は、彼女たちがインディーズでありながら、確固たる実力でファンベースを広げていることの証左だ。
この地に足のついた成長こそが、「そのジャンルで天下を取る勢い」とまで言わしめるyosugalaの現在の姿なのである。
夜はまだ終わらない
yosugalaが歌う「終夜」というメッセージは、メンバー自身の物語そのものだ。それぞれが異なる場所で夢を追い、時に挫折を味わい、それでも諦めきれなかった。yosugalaという場所に集まった4人は、互いを支え合いながら、夢に向かって走り出した。
デビューから3年。一人も欠けることなく、着実に成長を続けてきた。恵比寿LIQUIDROOMから日比谷野音へ。完売公演を連発しながら、確実にキャパシティを拡大してきた。PassCode、uijin、AliAといった名前と共に語られることの多いこのグループは、しかし今や自らの実力で評価されている。
「不器用一生懸命エモ」。汐見まといが表現したこの言葉が、yosugalaのすべてを物語っている。
ロックとエモーションが交差する楽曲、4人の声が重なり合う独特のハーモニー、エネルギッシュで畳み掛けるようなパフォーマンス。そして何より、ひたむきに走り続ける4人の姿。 会場で、夜を駆け抜ける彼女たちのステージを目撃しよう。
