スマホが油没し、家電が泣く。——制御不能な私の『電気体質』について
私は「電気を通しやすい」らしい
「私はどうやら、生まれつき『電気を通しやすい』体質らしい。
記憶を遡れば、小学生の理科の時間。左右の手で電圧計(検流計)の端子を握ったとき、針は測定不能なほどに振り切れ、クラス中が騒然となった。大人になった今も、車のドアに触れれば指先から青白い稲妻が走り、冬場でなくともパチリと火花が散るのが日常だ。
友人たちは笑うけれど、私にとっては少し厄介な、でも切っても切れない『自分の一部』。
そんな私の内なるエネルギーが、今、人生の転機を前にして、周囲の電化製品を媒介に暴走を始めているのかもしれない。そんな独り言から始まった数か月。
昔から、転機の前には決まって電化製品が機嫌を損ねる体質だったけれど、今回のそれは、今までにないほど激しく、容赦のないものだった。
何かが大きく変わる前触れ。
スマホの「油没」という喜劇
きっかけは、料理中にスマホがフライパンの油へダイブしたことだった。 水没ならぬ「油没」。 真っ黒になった画面を抱えて駆け込んだ販売店で、店員さんに「油落ちは初めて聞きました」と笑われてしまった。
泣く泣く手に入れた最新式のスマホ。痛い出費に震えながらも、その鮮やかな画面に映ったのは、これまでより少しだけ解像度の高い「私の未来」だったのかもしれない。
PCが上げた「断末魔」の意味
さらに追い打ちをかけるように、長年連れ添ったPCも悲鳴を上げた。 これまでの買い替え時は、いつも静かにブルー画面で事切れていたのに、今回は違った。
楽曲制作ソフトが落ち、音が激しく割れ、映像ソフトが動かなくなる。 それは「寿命」というより、私の作りたいエネルギーに対して、PCの処理能力が完全にオーバーフローを起こしたような、激しい拒絶反応だった。
「今、もっと大きな器が必要だ」 そう言われている気がして、私は新しいデスクトップPCを迎え入れる決意をした。
殻を破り、外界へ
過去、私は何度も「外界の雑音」に負けて、自分の殻に閉じこもってきた。 音楽の道にいたわずか9ヶ月の間に経験した、信じていた人からの裏切りや、楽曲の搾取。 今なお、歌うこと、自分がやりたいことを阻まれたDVの後遺症で悪夢にうなされ、意味もなく熱が出る日々。
「好きなことをやれば殺されるかもしれない」と、いう洗脳された恐怖が 常にあり、自分のことは常に後回し、音楽から回避し続け、子供たちを守るために必死に働いた生活もようやく終焉して、息子から「いい加減好きなことをやってください」と、言われ、「本当にやりたいことは?」
と、考えなくても答えは出ていた。
それでも病による葛藤と前進、後退を繰り返してきたが、今回ほど身の回りの電化製品がこれほどまでに壊れていくのを見て、悟った。
もう、元の場所へは戻る必要がないのだと。
4月下旬、その先へ
3か月間の激震から、ようやく「立ち上がらなければ」という意志が、身体の電気と同期し始めた。
3〇年前、誰かに奪われた私のいくつもの楽曲。隠された単独でのプロへの合格通知。 それらすべてを「今の私の声」で塗り替えるための関門が、4月下旬に待っている。
これまでは、壊れるたびに「うまくいかない」と嘆いてきたけれど。 今は、この崩壊こそが、最高の再起動だと信じている。
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