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#93 読書記録㉒ 『フルハウス』

最近、読了した本の記録と感想です。

『フルハウス』
(堂場瞬一著、東京創元社、2025年)

ラグビー小説です!

私、ラグビーは、かなり観て育ちました。
というか、幼稚園のころから、週末は親に連れられて、ラグビーのグラウンドでした。

兄二人が、ラガーマンでして。
小学生のころから、週末は、練習やら試合やら。
場所が近所というわけではないので、当然、親がつきそいます。つきあわされる末っ子の私・・・。

友だちがおうちのひとと遊園地に行った!と楽しそうに話すのを、いつもうらやましく思っていました。

なぜ、私はいつも、ラグビーのグラウンドなの?
その当時は、見ててもつまらないので、グラウンド横の草地で、バッタとったりして遊んでました。

中学・高校生あたりになると、門前の小僧で、ラグビーのルールもそれなりに理解して、兄たちの試合をちゃんと観るように成長。冬のグラウンドは寒かった。

ラグビーシーズンは、花園の試合とか、大学選手権とか、みんなでテレビ観戦する家庭でした。
(母校が出場した時は、花園まで行きました!)

花園の試合、最近は、全国放送の地上波では決勝しかやらないのが、さびしいです。全国大会なのに。

前置きが長くなりましたが。

この本。『フルハウス』。
ご自身がラガーマンであられた堂場瞬一さんならではの小説です。

試合の描写がところどころ長い!そして細かい!
読みながら、映像が浮かびました。
(この本をこれだけ楽しめたのは、両親と兄たちのおかげ。ラグビー観てきてよかった!)

ただ、あまりラグビーを観たことがない層には、試合シーンは ? な印象かもしれません。

でも、ご安心ください。
そこは、ストーリーテラー堂場瞬一の作品✨
試合の細かい描写がわからなくても、心に響く人間ドラマがあります!
(これをきっかけにラグビー観たくなるかも。)

名選手の内なる葛藤。歩んできた歴史。主人公のチームメイト、そして過去のラグビー仲間たちが語る言葉。

そもそもラグビーにおける「フルハウス」とは。

一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。

東京創元社HPより

聞いたことなかったです。「フルハウス」。
確かに、全部そろえるのは、難しそう・・・。
ラガーマンって、ことさらに個人の記録ねらいでプレーするという印象はない。(あくまで私の印象です。)
主人公がフルハウスにチャレンジするのにも、それなりの理由がありました。

この小説の設定の肝はそこではなく。

主人公が、日本人初のオールブラックスメンバーなのです。あの、真っ黒なユニフォームで、試合前に「ハカ」を行うニュージーランド代表チームの一員に、日本人が!

これだけで、読みたくなりますよね。なりますよね!(二回言う)

ちなみにラグビーは、一定の条件を満たせば、国籍にかかわらず、当該国の代表選手になれます。日本代表にも、魅力あふれる諸外国出身の選手のみなさんがたくさんおられます。


主人公早見(ポジションは司令塔のスタンドオフ)の、ニュージーランドのラガーマンについての述懐が印象に残っています。

・・・・・・ラグビーで一番大事なのはコミュニケーション能力である。試合中には様々なサインが行き交う。一歩先の作戦を確認するためにも、やはり言葉は大事なのだ。試合だけでなく、普段の練習から、ニュージーランドの選手はとにかくよく話し合う。特に、失敗した時は、原因について全員が納得するまで、その場で議論を続けるのだ。これが早見には新鮮だった。分析と反省ー日本の高校時代には当たり前だったが、ニュージーランドでも同じにするのが意外だった。

『フルハウス』197頁

そもそも、ニュージーランドでトップレベルにいく選手は、歩き始めると同時にラグビーボールで遊ぶようになるという。子どものころからパスを回し、ステップを切って相手を置き去りにすることを遊びにしているから、ラグビーの基本が自然に身につくのだという。トップレベルになると、何も言わずとも相手の考えが読めて、自然に複雑なプレーができると想像していたのだが、実際は違った。新しいプレーを試す時、失敗を修正する時、ひたすら話し合う。

『フルハウス』197頁

ニュージーランドにおいて、どれだけラグビーが日常の中に溶け込み、人々に愛されているか、ラガーマンへの敬意があるかというくだりも、なるほどと思いました。


10代のころは、ラガーマンと結婚する気満々でした。
「ラガーマンかっこいい!」というのは、幼いころからの刷り込みかもしれませんが、兄とその友人たちとの関係性が、私の目にそれだけ魅力的に映ったのだと思います。

結局、ラガーマンとは、結婚しませんでしたが。


さて、堂場瞬一さんと言えば、警察小説。
そして、スポーツ小説。

人気シリーズがたくさんあり、シリーズものの新刊が出ると、つい買ってしまいます。

私のリアル本棚。警察小説。横積みで背表紙が読めない。

警察もので一番好きなのは、鳴沢了シリーズ。こちらは完結していてこれ以上増えないのが、ありがたくもあり残念でもあり。でも、他の警察シリーズに、鳴沢了は名前だけ登場することが多いので、ファンとしてはうれしい。


スポーツ小説は、ほぼ長距離もの。

スポーツ小説では、箱根駅伝が題材の「チーム」シリーズが好きです。
こちらも、最近、新刊『チームⅣ』が出たばかり!
(記念すべき著者の200作目にあたります!)

堂場瞬一著作200作記念の公式noteはこちら。


最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
この冬は、ラグビー、もっと、見ようと思います。

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