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🌎結局今も歴史の一部

 一応3ヶ月に1度の投稿を目指している世界史Note。毎度書くたびに時代が流れているのを感じる。連載を始めて3年弱。あれからどれだけのことがあっただろう。歴史の教科書に載りそうな事件がいくつ起こっただろう。え、これって普通でしたっけ?これまでも世界ってこんな速さで動いてたんですか。私が意識できていなかっただけか。「その時、歴史が動いた」ってそんな頻繁に起きることでしたっけ?……と思いながら今回も書いています。

 初めて迷い込まれた方に説明しておくと、このマガジンは私の身の回りに起こった身近な事柄から世界や歴史を考える、日記のような、エッセイのようなものです。バックナンバーはこちら↓

 先日ひょんなことからトレバー・ノアのスタンダップコメディに行きました。彼のことはグラミーの司会者として知っていたので、「行ってみたい!」と二つ返事でOKしたんです。だって、以前私の推し(BTS)と写真撮ってたの見たことあるもん!…って、思い返せばなんてミーハーなんでしょう。

 まぁそんなノリでチケットを予約。そして今年のグラミーが開催され、騒動が起こりました。

 彼がMCで述べたエプスタイン文書に関するジョークが大統領の逆鱗に触れた。この騒動でショーは完売。いや、この騒動がなくても元々人気コメディアンなんだけど、時の人となった今こそ直に話を聞きたくなりますよね。

※ エプスタイン事件は胸糞悪い話ですので、ここでは扱いません。詳しく知りたい方は↓をご確認ください。

 彼はグラミーの司会を終えた後、飛行機移動でスマホを切ってのんびりしてたらしく、電源入れたらものすごい量の通知が来てて、あらゆる人から「大丈夫?」「生きてる?」「気をしっかり持て!」と言われたらしい。そして意外だったのが空港では大体黒人の方が「やべーよあいつ…」ってオドオドした目で見てきてて、白人の方がサムズアップで「応援してるぜ👍」って感じだったんだそう。そうしてようやく事態を把握した、と。

 「過去に飛んで南アフリカにいる9歳の僕に会って言いたい。『君はね、将来アメリカの大統領に訴えられるんだよ』『えぇぇ?!僕、一体何したのぉお?!』……まぁそうなるわな…」 最強の持ちネタができちゃったねw

生まれたことが犯罪

 ショーに行くので彼について事前リサーチしたんです。そしてかなり重い過去を背負ってることを知った。恥ずかしながらただお笑いライブを見に行く感覚だったので、生い立ちを知って衝撃を受けました。

 アパルトヘイト体制下の南アフリカ共和国で、コサ民族の血を引く黒人の母パトリシアと、ドイツ系スイス人の白人の父との間に生まれた。当時の南アフリカでは白人と黒人の結婚は違法で、法を破った者には5年投獄という罰則があった。だが異なる人種間の性交を違法とする背徳法(1927-)や結婚を禁止する雑婚禁止法(1949-)は、トレバーが生まれた翌年1985年になくなった 。それでも人種別に住居を厳密に定める集団地域法(1950-)は1991年に国会で撤廃が宣言されるまで存在したため、周りの子供より色の白いトレバーは「カラード(混血)」に「分類」され、通報されると母親たちと一緒に住めなくなる、それを恐れた家族から家の外へあまり出してもらえなかったという。

wikipediaより

 Audibleに彼自らが読み上げた自伝があったので聞いてみたんですが、とにかく壮絶な半生。そうしてアメリカに渡り、芸を極めてグラミー賞の司会者まで上り詰めた。まさにアメリカンドリーム。特にショービジネスの世界はそうして特殊な環境から苦労してのしあがってきた人たちが多いから、今の政府の政策に色々と物申したくなるのも分かります。

 グラミーでは司会のトレバー・ノア以外にも、受賞したバッドバニーやビリーアイリッシュがICE(移民税関捜査局)を批判したことで話題になりました。

 移民問題は私にとっても他人事じゃないので悩ましい。一方は「真面目に働いてる人もいるんだから一緒くたにするな」と言うし、一方は「ヤバい犯罪者もいるんだから一括で取り締まれ」って言うし、そりゃ永遠に話が噛み合わないわ。そもそもアメリカは日本の話とはまた違って、長い年月の間書類の管理が適当で、基準が上の気分次第で全然信用できない構造にあると思います。前は「いいよー大丈夫、テキトーで!」って言われてたものが突然アウトになったり、過去の書類に突然難癖つけられたり。かつ、政府の人員も減らされてて審査がまともに進まない中で強行的な取り締まりを強化してる。だから私も今は合法移民でも、次の更新で不法移民になる可能性だってあるわけで。
 「移民を好ましく思うか思わないか」と「今の移民政策を見直すか見直さないか」は別の話だと思うんだけど、一緒にしてる人たちが多いんですよね……。この2つを混同している限り議論が進まない気がしています。


これこそブラックジョーク

 元々私はあまりアメリカのコメディが好みじゃないんです。相手をこき下ろしたり、不謹慎で攻撃的なものが多いので。サタデーナイトライブも人気だけど、いまいち笑いのツボが分からない。
 あ、でもこの日本の「はじめてのおつかい」パロディはちょっと笑っちゃいましたけどw

 欧米ジョークがあまり理解できない悩みは前にもNoteに書いたことがあります。

 でも今回のショーでなんとなく理解できた気がしました。不謹慎だけど笑っちゃう感じ。やるせないことを笑い飛ばすことで前に進める感じ。なんか上手く言えないけど。思い返すと全然笑い事じゃないし、割と深い話してたんですけど、その時は笑い続けてほっぺたが痛くなった。とにかくそれだけ話術が巧みだということですね。

 今私が再現しても何も面白くならないだろうけど、彼がDCにある国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館を見に行った話を少々。私もここは行ってみるべきとよく耳にしていたけども、まだ行ってない。話を聞いて余計気になっています。

 どうやら地下から展示が始まるらしく、奴隷の時代から現在までの世界を追体験していくらしい。彼は展示を見て、改めて「自分がその当時に生きてたらどう生きるだろう」と考えてみたらしい。多分めちゃくちゃ農場主に媚び売ってただろうし、仲間に脱走持ちかけられても絶対断ってたし、「解放?ないない!ありえないって!」と言ってたタイプだと思う。だから解放される未来があると信じて、希望を持って進んだ人たちはすごすぎる、と。でも未来から見ると今も歴史になるんだよな。いずれこの現在も過去のものとして展示される。これからの時代はどうなるんだろう? 今の世の中何が起きるか分からない。何だって起こりうる。
 展示を見終わって感傷的になり、思わず自分をアメリカに来るよう誘ってくれた心の友(白人)にメッセージを送った。

「なぁ…もしアメリカに奴隷制度が戻ってきたらさ…俺をお前の奴隷にしてくれるか」
即電話が来た。
「いやお前、何言ってんの?!」
「奴隷として生きるの俺多分耐えられないからさ…でもお前の奴隷にしてくれたら、何時間でもゲーム付き合うし…」
「嫌だよ、お前を奴隷になんかしたくないよ!」
「でもお前がしないなら俺は他の誰かの奴隷になるんだぞ!俺が酷い目にあってもいいって言うんだな?」
「いやお前、何言ってんの?!」
「頼む、今すぐ答えてくれ!」

その後、色々やりとりして、そういう事態になった時はその友人の奴隷にしてもらうことになったよ、というオチ。

……あれ?やっぱり文字に起こすと全然笑えないし、ヤバい話だな?!
でもとにかくそのやりとりの一人芝居が面白すぎて爆笑の渦でした。

 でも、ここで更に興味深いのは、「俺は長いものには巻かれるよ」と豪語してる本人がリアルタイムで大統領にブチ切れられてることですよね。

 今回のNoteでもし彼のコメディを聞いてみたいなって方いたらNeflixにもあるのでどうぞ。

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