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ITストラテジストだけど、会社のDXに失敗した話#2 開発編

まだ誰も実現していないであろう、完璧なDX企画を考えたぞ!

 

すっかり気分が上がった私は、企画書を一気に書き終えた。そしてすぐに上司と役員へ企画書を見せた。

既存のデータ活用に加え、小規模事故の削減が見込まれると、反応は良好だった。

「これは外部にも売れるよ!」

「この予算でここまでできるならバッチリだ!」

私は上司と役員の承認を得られ、ウキウキした気持ちで、すぐに開発へと取り掛かかった。

現場の意見は聞かずに。

開発方法の検討

アプリの開発を進めるにあたり、1から開発する方法と既存製品をカスタマイズして開発する方法がある。

今回の予算を聞いたところ、1からの開発は予算が合わなかったため、既存製品のカスタマイズ案でいくことにした。

今回のアプリでは、スマホでKYの内容を入力して、その内容をデータベースに保存する。これを実現できるシステムを探すと、いくつかあったため、最も安価なA社製品を選定。

カスタマイズも自作でなんとかなりそうだ。

これにより、ROI(投資利益率)を最大限にできる。

私は、社内で表彰を受けたときのことを想像して、胸を躍らせた。

完成後の打合せ

アプリが完成したので、私は再度、役員と上司にくわえ、モデル現場の所長を交えて、デモを含む打合せをすることにした。

「このアプリを使うことで、管理者は現場のKY入力状況が把握でき、安全指導しやすくなります。また、現場もスマホ入力でペーパーレス化し、書類管理の手間が減ります」

役員と上司は、これなら上手くいくだろうと頷き、導入への手続きの方法などの相談に移った。

しかし、私は現場所長の顔が少し曇っていたことが気になっていた。

打合せが終わったあと、所長が私に声をかけてきた。

「……いい企画だとは思うけどね。現場って、そんなにスマホ使えるほど余裕ないんだよ。」

「えっ?」

「入力する人がどんな人がわかってる?60代の人がスマホで長い文章を打てると思う?」

私は少し面食らった。

「でも、役員の方が問題無いって…」

「うまくいくといいけどね」

小さな違和感だった。けれど、それはこの先、大きなトラブルの前兆だった。


最後、導入編に続きます


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