【ショートショート】雨乞い難民
アフリカ大陸のとある地方に、全く雨の降らない土地があった。そこに暮らすフラーヌ族は、鉱石を掘り出し、他所から水を買うことでなんとか暮らしを保っていた。
やがて鉱石も掘り尽くされ、フラーヌ族はついに先祖伝来の土地を捨て、流浪の旅に出た。
しかし彼らの行く先行く先、太陽が追いかけるように雨が降らなくなった。彼らを受け入れた国の草木は枯れ、井戸も干上がった。
次第に彼らは呪われた民として迫害を受けるようになり、入国を拒否され壁まで築かれた。
「雨ってなーに?」
そんな子供の疑問に答えられない大人たちは、心の中で涙を流した。とうに流す涙は枯れていた。
ある日、ひとりで旅に出ていた仲間が戻ってきた。生まれて初めて雨を浴びたという。彼らは気付いた。
フラーヌ族が集まると、雨が降らないのだ。
彼らはお互いを固く抱きしめ合うと、世界に散り散りに散っていった。また会える日を夢見て。
彼らのいなくなった地に、ぽつりぽつりと雨の雫が落ち、土に染みを作った。
終
たらはかにさまの毎週ショートショート【雨乞い難民】に参加させて頂きました。
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