新品じゃないモノが、どうしてこんなに愛しいのか。
中古のカメラって、
なんでこんなにときめくんだろう。
「15年前のオールドコンデジの写りが最高でした。」
そんなNote記事を読んだのが、すべてのはじまりでした。
この記事に出てくる写真たちは、ノスタルジックで、どこか優しくて。スマホとは違う、フィルムでもない、不思議なあたたかさがありました。
読み終わるころには、気づけば私は中古のカメラを探していて、
購入したのが、PENTAX Optio w60という2008年生まれのコンパクトデジカメ。

このカメラで撮った写真を見た瞬間、なんだか胸がきゅっとなったんです。少しざらっとした画面。くすんだ色味。どこか懐かしいような、時間を巻き戻すような写り。


「ああ、こういうの、好きだなあ」って、思いました。
最初は、「カメラにしては安いし、ちょっと面白そう」くらいの軽い気持ちで手に取ったのに、気づけば愛おしさでいっぱいで。
なんで私は、こんなにも「古いモノ」に惹かれるんだろう?
ふと、そんなことを考えるようになりました。
観光学を学んで気づいた「モノの見方」
大学では、観光学を専攻していました。といっても、最初は「旅行を計画するのが好きだから」という、ほんのりした動機。
でも学んでいくうちに、「観光」という言葉の奥深さに驚くことばかりでした。
観光学って、旅のプランを考えたり、観光地のPRを学ぶだけじゃないんです。
「場所に宿る記憶」や「人の思い出」「過去と現在のつながり」——
そんな「目には見えない感情・歴史・文化」を、ていねいにすくい取ろうとする学問です。
たとえば、何気ないミカン畑も、「歴史があり、この地を守ってきた人がいる」ことを知ったとたんに、風景の見え方が変わる。
「ただの場所」が、「ストーリーを持った場所」に変わる瞬間です。


ふと、それって、モノも同じなんじゃないかと思ったんです。
私が中古のカメラや、古着、古本なんかに惹かれるのは、きっと
「モノの奥にある時間」や、「見えない誰かの記憶」に触れたいからなんじゃないかって。
観光学を通して、「目の前にあるものの見方」が、少しずつ変わっていった。その変化が、いまの自分の「モノの選び方」にもつながっている気がしています。
このカメラの持ち主は、
どんな暮らしを送ってたんだろう。
中古で買ったPENTAXのoptio w60は、15年前のモデルでした。私は当時小学3年生。
電源を入れてシャッターを押すと、スマホにはない「間」があって、ピントも少し甘くて、でも、その不完全さがなんだか愛しく思えてくるんです。
レンズのまわりには、よく見ると細かい傷がついていて。画面の液晶は端が黒くなってる。
でもすごく状態が良かったから、きっと前の持ち主が丁寧に使ってくれてたんだと思います。
子どもの運動会を撮ったのかな。旅行中に撮った写真、あとで誰かと見返したのかな。
自分が撮った写真を見返しているのに、このカメラの「前の時間」まで写り込んでるような気がして。


今まで「古いモノ=中古品」って、単にモノの状態の話だと思ってた。でも実際に手にしてみて思ったのは、これは「時間のかたまり」なんだ、ってこと。
過ぎ去った時間が、小さなカメラの中に、ちゃんと存在してる。そんな感覚がありました。
観光も、中古も、
「誰かの物語」に出会う旅だった。
観光って、結局「誰かの物語に触れに行くこと」なんじゃないかと思います。
ガイドブックに載っている観光地も、もともとは誰かの日常だった場所。昔から暮らしている人にとっては、あたりまえの景色。
でもそこに旅人が足を運ぶことで、「物語」が生まれる。
風景に目を向けるだけじゃなくて、そこに流れていた時間や記憶を想像すること。
それこそが、観光の一番おもしろい部分だと、私は思っています。ロマンっていうやつかも。

そしてそれは、中古品と向き合う時間にも、どこか似ている気がするんです。
誰かが使っていたものを手に取るとき、
「どんなふうに大切にされていたんだろう」とか
「どんな日常を一緒に過ごしてきたんだろう」とか、
そのモノの中にある小さな旅の続きをなぞるような気持ちになります。

観光も、中古も、「消費」じゃなくて「出会い」なんだと思う。
モノにも場所にも、物語を宿す力があって、それに気づいた瞬間、自分の世界が少しだけ豊かになる。
だから私は、中古のものが好きなんだと思います。ただの道具じゃなくて、時間を引き継いだ存在だから。
値段じゃ測れない、モノの価値がある。
このカメラを手に入れてから、
「モノの価値って、なんだろう?」と考えることが増えました。
便利さ?
新しさ?
値段が高かったかどうか?
もちろん、それもひとつの指標だけど、
時間をまとったモノには、それとは別の価値がある気がしています。
少し傷があったり、型が古かったりしても、そこに流れてきた時間や、見えない記憶がある。
わたしにとって、それはすごく愛おしいことです。

観光学を学んで気づいた、「目に見えないものを想像すること」。
それが、中古のモノとの出会いにもつながって、
わたしの「モノの見方」は、少しずつ変わってきたように思います。
これからも、そんな「深さ」をくれるモノたちと出会っていきたい。
たとえそれが、新品じゃなくても。
あなたにとって、
「時間をまとったモノ」ってありますか?
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夢に向かって奮闘中の新卒1年目です‼️節約しながらも全力で突き進む私を、よかったら応援してもらえたら嬉しいです❤️