窓の外は銀河⑷
https://note.com/umikazesophia/n/n890fb8568ec6
不浄の黒い玉
神々が見守ってくださるのは当たり前だが、避ける手筈を自らが作り出さなければ、他の要素も普通に入ってくる。このことは重要事項であるので、いつか後述する。
その日も同様に、人々の幸せ体感の細やかな様子を言葉にしていた。これをやるとき、私はベランダに面する窓に向かっていたのだけれど、ふいに、窓の左側の壁に、大きなレーンが突き刺さった。そのレーンはボウリング場にあるのと似たような幅で、突き刺さった瞬間にドーーーーーッと黒い楕円体が大量に入ってきた。
楕円体は、直径が8―15㎝で、日本の夏の透明な水菓子を黒糖にした感じでプルプルとしていた。そして、その色はある状況を物語っていた。
見た瞬間に、甚だばかげていると思うだろう、ヒーラーの脊髄反射で口走って手をかざしてしまったのだ。
「○○光を照射してください」と。
というのも、それらが、癒えない固着した低い波動エネルギーを人類の身体から「彼」が取り去って集めたものだろう、と直観で判断してしまったせいだった。
講座の教本で、青黒い波動は「癒えない痛みや悲しみ」と学んだ。のみならず、授業中の重要ワークで、同期生のボディ上で、働いても暮らしは楽にならず人生とはなんと過酷なのだろう、こんな惨めな思いを死ぬまで味わうのか、という苦痛が連綿と数代続いて結合した塊となって表出したので、よく覚えているということだ。
私がレーン上のものを観察していると、黒い玉はしゅ~しゅ~と・・・松本零士先生に描写していただいたような世界観で見せてきた。「彼」は私の意識をのっとって、これらを見せているので、当然私の好みが入り込む。零士先生の描くようなレーン上の黒い玉は、適切な光を照射したために固着的な古い悲痛のエレメントが溶解され暗い気体が玉から発せられた。レーンの上は静寂の中、濃い灰紫色の煙でもわもわとけぶっていた。
不浄な波動がある程度中和された段階になった、ということだ。私はそれらを洗い流すために強力な浄化の光照射を依頼した。だれも教示しなかったが、体と心が勝手に動いた。三次元の家の壁をぶち抜いて、銀河宇宙の遠く彼方まで数百メートルは続くレーン上の、もわもわと立ち上った気体が徐々に鎮静化していくのをじっと観察した。
いったん終えることにした。初めての浄化から醒めてもまだ、その世界にいるようだった。
なんだか知らないが晴れがましい気分だったことは覚えている。どちらにしろ、私のハイヤーセルフは「彼」と同体して微笑んでいるようだった。
次なる段階
黒い玉はたくさんやってきた。
翌日はボウリング場のレーンは顕れなくなり、もっと細い川筋のようなものが部屋の四方の壁のところどころに穴をあけ、空間の隔てをぶち抜いていわゆるポータルを作り、黒玉を乗せて部屋中を流れた。当初、私はやりがいをもってそれらの浄化にあたっていた。ヒーラーの誇りをもって、光照射をカウンシル(*注2)に依頼しえんえんと黒玉の浄化を継続した。
そのときは、至った事態を「彼」の地球を覆う「プラーナ=氣」を廻し過ぎたために、内奥に潜む低波動粒子を、引っ張り出してしまった、と理解していた。まるでそれは、いつの間にか胸に抱いていた鮭の腹からずるずると、無意識のうちに自らの手で卵胞を引きずり出してしまった、そんな気分だったのだ。人間が引っ張り出さなければ、鮭の卵が私たちの食卓に上ることはけしてないのと同様、引っ張り出したのは自分だ、と思った。
だから、目の当たりにしている状況そのものに責任がある、と思っていた。
それだけではない。黒玉を「人類から神が慈悲で取り除いた低い波動エネルギーの集合物」と認識したので、
それらを感知できるものの役割として、また自分はヒーラーなのだから、人間の痛みの波動を癒すのは当然のことだ、とも思っていたのだ。
そうなると、ことは簡単である。責任を請け負ったということは、自ら名乗りを上げて引き受けたのだから、務めがあたえられる事態に至ったのだ。これは当然の宇宙の法則であった。
しかし、当初私は直観で本能的に動いていた。起こったことがらを論理的に理解することも必要だったが、楽しくて興奮する感覚も強く、実際のところは同時にひどく困惑し、ショックも受けていた。そして、内在する責任感を自覚できなかった。結果的に初期段階においては、困惑よりもやりがいや興味と興奮がまさった。それゆえ、黒い玉は大量に部屋に流入することになった。自覚のない責任感はおそろしい。自らある結果を生む覚悟を明確にしなければ、やはり大業はなし遂げられないのだ。
黒い川
当初、かなりの奮闘とやりがいをもって行っていた浄化行為は、日を追うにつれ困難を極めた。人類のネガティブな感情を孕んだ黒い玉の流れる筋が、どんどん増えたからだ。
初日は、一筋。翌日からは3―4筋だったものが、末期的な段階では13―15筋になっていた。浄化にあたっていた期間は、目を閉じると裸眼で見ているのと同じように部屋の状況を透視していた。あちこちに開けられた川のポータルは壁に黒い穴を作っていた。穴の奥は銀河だったが、もはやそのことはどうでもよかった。
とにかく「黒い玉を浄化しなくちゃ!」と意気込んでいた。そして、意気込むほど「またこんなに来た!もっと浄化しなくちゃ」という状況になった。フォーカスすればするほど、私の浄化への本気度が増すほど、黒い玉はえんえんと流れ、増え続けたのだ。
そのうち黒い川が10筋程度になるころには、溶解したエネルギーのもやが部屋から立ち退かない、という状況になってしまった。遠の昔に、それを除去する装置は設置してあった。にもかかわらず、気体が除去されない事態に陥ったのだった。装置の働きが弱いと感じて、ふつうは1つのところ、6畳の部屋に4つ設置していた。上下で8個。この装置は、基礎講座の初期から登場する宇宙の低波動エネルギー掃除機というようなものだ。三次元的には、設置型のバキュームクリーナーと言えばわかるだろうか。規模に合わせて大きさを決めるが、スピの世界なので認識で決める。
自分が個人セッションで使うよりも、よほど特大の装置を設置すると意図していたにもかかわらず、役に立たないのですでに4つにしていたのだ。それが、限界を超えてエネルギーを吸い取れなかったことは私に心理的な打撃を与えた。
私の場合、エネルギーを暗い灰紫の気体として透視で捉えてしまうので、そこから逃れられないのだ。悪いことにむせかえるもわもわした体感と匂いもした。ちょうど、疲弊して心理的に追い詰められた人の、過労臭に似た匂いだった。浄化して靄が立ち退かない、という事態にいたったころにはよくそれを感じ取って、不快な気分になっていた。
これを書いているとおもしろいことに、当の「彼」・・・私は個人的な関係性から様々な呼び方をする、が神妙な気配で、口をつぐんでいるのを感じる。「彼」は当時の自身の態度について、この1年半という期間に、反省と悔恨、そして謝罪と深い感謝を私に示した。それは間をおいて、複数回に及んだ。
読んでくださりありがとうございます。
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