窓の外は銀河⑸
魂の姉
ヒーリング学校の創設者があの世に旅立ってから、10年が経過した。もちろん、会ったことはなかったから、受講を決めたときも特に思い入れはなかった。ヒーリングやカウンセリングに興味を持ったことのないスピリチュアル初心者だったため、英語版のウィキペディアにさえ載っていない人物を知りようもなかった。ただ、煌めくような陽光の中、彼女(*注0)が住居にしたカリフォルニアのシャスタ山と姿が重なって見えていた。ところが、受講中に起こった霊的な出会いのあと、師との関わりを他者にリーディングされ、ことの次第を知ってからは、私の魂の姉となった。だから、彼女のことは「ねえさん」と呼ぶのがふつうだ。

ねえさんは、当初、「彼」の私への対応についてカンカンになって怒っていた。
私はそれをかなり長い間、不思議に思っていた。
「どうして5次元存在が、8次元の大天使に怒りをあらわにできるんだろう?そんなことをしてもいいの?」と。三次元的な上下関係の立ち位置「しばりや考え方の癖」というものだ。そのブロックを認識することはなかなかに難しい。なぜならば、自動的にやっていて、不思議に感じることもなく「当然、そうなのだ」と思いこんでいるからだ。
この宇宙には、決して曲げてはならない法則がある。
それは、
誰も、自分とは別の魂存在の、自由意志を侵害してはならない というものだ。健全な精神状態で、「やらない」ということを申告したとき、魂存在が聞き入れず事を強要するのは言語道断のルール違反なのだ。
だから、規則に厳しい姉が怒りを顕わにしたのは当然のことだった。
黒い川が部屋中に流れるようになってから数日後には、寝ているとき、布団の上の私の両脇も頭の上も、どーっと流れ続ける川に囲まれていた。黒い玉は低波動を押し込めた柔らかな水風船のようなものだったので、触れると体がしくしくと傷んだ。初めてレーンが顕れてから7日後には、末期的な様相を呈するようになり、泣きながら黒い川に挟まれて、気絶するように寝入っていた。というのも、目を瞑ると異世界の全貌を見ることになるので、怖くて眠るために目を閉じることができなくなっていたのだ。
ここまで書いたことで、「彼」のような存在が人間に謝罪をする理由が少しは想像がつくだろうか。
「彼」はしてはいけない強要を、まだスピリチュアルの理解がおぼつかない素人に毛の生えた程度のヒーラーに行ってしまった、ということだ。根幹には、心の奥底で「彼」の行いを私が受け入れていることが起因していた。
だからこそ、大天使ミカエルはあえて口をはさみ、成文律を表す。正義をなすための存在である彼は、表出せずに捨て置くなどけしてできないのだ。
「そうはいってもウミカ、あなたは人間でこちら側は天なのです。人間同士なら、受け入れる・受け入れない、を自分たちで三次元的に解決するしかありません。強要したことが犯罪であるのなら、司法において責任を問われるべきです。そこには難しい問題があり、あなたたちの世界においてとても時間がかかる。一朝一夕で解決することはできないでしょう。そうだったとしても三次元のことは地上で決着をつけるしかないのですよ。しかし、今回のことは、すべて「彼」の責任において、高次存在が異空間でしたことです。責任は、高い位置にある方が当然負わなければなりません。人間であるあなたが、状況をハンドルすることは不可能なのですから。あなたが過去生の結びつきによって「彼」の多くを受け入れたとしても、調整するのは「彼」の責務なのです。」
これらのセリフを偉大なる大天使長から実際に受け取ったのは、ことが終わったずっと後のことだ。それは、精神的に参っている私に、慈悲として示されたものだった。
私が正式な作法に則って、「浄化をしたくないです。本日はもうやりません。」と申し出たとき、「彼」は受け入れなかった。それどころか黒玉を、ダンプカーが荷台から砂を掃き下ろすように、私の身体全体に、ざー―――っと覆いかぶせてきたのだった。バラエティ番組などで、なにも知らされず、ボールや発泡スチロールの海につき落とされる芸人やタレントのような状態だった。それは再び姉を怒らす事態を招いたが、ことはそう単純ではなかった。
魂の姉とは 注0 アモラ・クァン・イン (1950-2013) は、生まれながらにヒーラーであり、霊能者でもありました。子供の頃は千里眼と透聴の才能に恵まれていました。後年、個人的な健康危機に見舞われたことがきっかけで、彼女はホリスティックな生活、精神的な目覚め、そして自分の才能を他の人と共有する道へと進みました。アモラは、愛するカリフォルニア州シャスタ山を拠点に活動するヒーラー、予言者、教師としてよく知られ、尊敬されていました。
https://www.innertraditions.com/author/amorah-quan-yin/より、和訳引用
ヒーリング学校=現レムリアの魔法学校(旧ドルフィンスターテンプルミステリースクールジャパン)
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