🇪🇸サラゴサの世界遺産②アルハンブラを彷彿させるアルハフェリア宮殿
前回は、スペイン サラゴサにある3つの「アラゴンのムデハル様式の建築物」の世界遺産のうち、ラ・セオとサン・パブロ教会を訪れました。
今回はその3つ目、アルハフェリア宮殿(Palacio de la Aljafería)を訪れます。
アルハフェリア宮殿の歴史
9世紀にはすでに塔が建っていた地に、11世紀にサラゴサを治めていたイスラムのタイファという王国の王が余暇を過ごすための宮殿として建設されたアルハフェリア宮殿。9世紀の塔は宮殿の壁の一部となったそう。 12世紀初めにサラゴサがキリスト教のアラゴン王国の支配下になるとアラゴン王の宮殿となり、16世紀には軍の兵舎などとして使用されます。

18世紀にスペイン国王、カルロス3世によって半円の塔が取り除かれシンプルで機能的な外観に改築されました。

19世紀中ごろには老朽化が指摘されるようになり、20世紀中ごろに大規模な改修工事が行われ、正面と両サイドにあった半円の塔を復活させました。1987年からはアラゴン州の州議会が建物の一部を占めており現在に至ります。
タイファ時代の大規模なイスラム建物としては唯一残る建物だそうで、グラナダのアルハンブラ宮殿、コルドバのメスキータと共に最も重要なスペインのイスラム建築の建物とされています。
数々の塔が見事な外観
正面から見ると20世紀に元の姿に戻された16の半円の塔が際立ちます。19世紀の写真と比べると本当に同じ建物なのか疑問に思うほど。濠が建物の周りをぐるりと囲み、宮殿というよりは「城」の面持ちです。一見外観からはムデハール様式の特徴はあまり見られませんが、正面の入口などはイスラム建築特有の鍵穴型。


拝観料7ユーロ(2025年2月現在)を払って正面入り口から入場するとすぐ中庭。礼拝堂への入口はゴシック・ムデハル様式が見受けられます。

ムデハル様式全開の豪華な内部
1つ目の中庭から更に門をくぐると、建物の中心部分となるサンタ・イザベル庭園に出てきました。アルハンブラ宮殿を彷彿させる美しいタイファ時代のアーチとたわわに実るオレンジ。

観光客の数は少なく、チケットは数か月前でも完売になるアルハンブラ宮殿とは天と地との差です。

独り占めにできる幸せ。

タイファ時代のモスクの入口も彫刻のディテールが素晴らしいです。

キリスト教の王の下では祈祷所として使用されていたそうで、厳かな空気を感じます。

キリスト教の王によって作られた部屋の入口もどこかエキゾチック。

部屋によって大分雰囲気が異なります。落ち着いた部屋も。

アラビア語なのかデザインなのかわかりませんが、イスラムの雰囲気の壁の装飾。

天井の装飾がとにかく素晴らしかったです。こちらは西洋のデザイン。

幾何学模様のイスラム様式と西洋のモチーフが合わさった天井も。

大広間の天井は息を呑む美しさ。

ゴヤの作品やアラゴン州議会も
サラゴサ近郊出身の画家、フランシスコ・デ・ゴヤの絵画を展示するゴヤ美術館が改装のため閉館中なので、彼の作品62点が宮殿に特別に展示されていました。まさかこんなところでゴヤに出会えるとは思っておらずラッキーでした。

最後はアラゴン州議会の議事堂にも訪れることができます。州議会の部分は廊下なども含めモダンな内装でした。

サラゴサのムデハル様式の世界遺産を3つ訪れてみました。ムデハール様式はサラゴサの南に位置するテルエルの方が良く知られているのでそちらも訪れてみたいです。
次回はサラゴサの街歩きです。世界遺産以外でも異国情緒のムデハール様式の建物がありエキゾチックなサラゴサです。
