🇪🇸ゴヤのフレスコ画も!スケールに圧倒のサラゴサのピラール聖堂
前回の記事はこちら。旅はスペインのサラゴサから始まります。
スペインのアラゴン州の州都であるサラゴサは、マドリード、バルセロナ、バレンシアに続いてスペインで4番目に人口の多い都市。その割には日本での知名度はかなり低いのではないでしょうか。
サラゴサは、バルセロナーマドリード間の高速鉄道が停車するため、バルセロナからもマドリードからもアクセス抜群のロケーション。この路線は3社が競合しているため運賃は変動するものの比較的安いのが◎。バルセロナからは1時間半以下で到着しました。

そして、サラゴサといえば、エブロ川沿いに重厚に構えるピラール聖堂(Catedral-Basílica de Nuestra Señora del Pilar)が有名で、一度訪れてみたいと思っていました。今回はバスク地方に行く途中でサラゴサで乗り換えることになるので、せっかくなのでサラゴサに1泊することに。
まずはさっそくピラール聖堂を訪れてみました。
聖母マリアが出現したピラール聖堂の歴史
12使徒(イエス・キリストが多くの弟子の中から自らが選んだ12人の弟子)の一人でスペインにキリスト教をもたらしたというヤコブ。紀元40年、そのヤコブがサラゴサの現在ピラール聖堂が建つ場所で祈りを捧げていると聖母マリアが出現したといいます。この当時まだマリアは存命だったとされ、存命中の唯一の出現だったとされています。出現した聖母マリアはヤコブに碧玉(ジャスパー)の柱と自身を模った木像を与え、その場所に彼女の「家」となる礼拝堂を建設するように指示したと伝えられています。
1年後にはマリアを祭った礼拝堂が建設され、その後も増改築や再建が繰り返され、現在の姿はロマネスク様式で1681年から1872年の間に建設されたものだそう。1930年代のスペインの内戦では聖堂にいくつかの爆弾が落とされたものの、不発弾で爆発することはなく、奇跡として語りつがれています。
同じ広場に面している世界遺産のラ・セオとともにサラゴサの「大聖堂」として機能し、史上初めて聖母マリアに捧げられた教会とみなされていることから、歴代のローマ法王も訪れている重要な位置づけの大聖堂です。
スケールの大きいピラール聖堂
新市街のほうから歩いて行くと通りの突き当りにあるピラール聖堂のドームの大きさに圧倒されます。

エブロ川の対岸から望むピラール聖堂は全体像を把握でき特に圧巻!ロマネスク様式の聖堂は4つの塔と1つの大きいドーム、そして11の小さいドームから成り、長さ130m、幅67mという大きさ。4隅にある塔はそれぞれデザインが異なっているのが面白いです。

入口は川とは反対側にあります。聖堂前を歩く人の大きさを見ると建物の大きさが分かると思います。

EU最大の歩行者専用の広場
巨大なピラール聖堂の前にはPlaza de Nuestra Señora del Pilarという広場があり、前にするとその大きさにまたびっくり!今までに見たことのないような長い広場で、なんでもモスクワの赤の広場に次いで欧州で最も大きい歩行者専用の広場で、EUに限定すると最大規模だとのこと。写真だとあまりあまり大きく見えないのが残念。

ピラール聖堂内部は豪華絢爛
聖堂内部もスケールの大きさに圧倒されます。教会というよりは宮殿という趣の豪華な装飾。

聖なる礼拝堂(La Santa Capilla)にはマリアの木像と碧玉の柱が正面右手に安置されており、多くの人がお祈りを捧げに訪れています。

マリアによって託された木像は火災で燃えてしまったそうで、現在見ることができるのは15世紀に作成されたものだそう。そして2000年の時を刻んだとされる碧玉の柱が輝きます。
ルネッサンス様式とゴシック様式の祭壇も見事です。

論議を醸したゴヤのフレスコ画
小さいドームの一つにスペインが誇る画家、フランシスコ・デ・ゴヤが描いた聖母マリアのフレスコ画があります。50m下から見上げることを計算して、ゴヤは精密には描かずに2か月という短期間でかなり大雑把に描いたそうです。それを未完成と捉えた教会側は憤り、ゴヤが描くはずだった2つ目のドームの依頼をキャンセルしたそう。

下からフレスコ画を見上げるとかなり距離があり、大雑把に描かれているようには見えないのでゴヤにとってはさぞ悔しかったことでしょう。

もう一つゴヤが描いたのがこちらのフレスコ画。

ゴヤ以外の画家によるフレスコ画もいくつかあります。キャンドルの煤のせいか大分黒ずんでいて状態があまり良くないものも。

中央のドームにもフレスコ画が描かれています。こちらは更に距離があるので何が描かれているかほとんど確認できません。

ピラール聖堂はスケールの大きさだけでなく、今まで訪れたスペイン国内の大聖堂と雰囲気が異なっていて新鮮でした。夜も訪れてみたところ、昼間よりも厳かな雰囲気で、エブロ川対岸から眺めるライトアップされた聖堂も綺麗でした。

次回はサラゴサの世界遺産を訪れます。
