終わらない時代 第11話
『アオバシティ』
生存者の町を出発して数時間後。
小型トラックは1本道を走っていた。
「あれは…!」
ミネルは小型トラックを停めて降りた。
ミネルの足元には黒ずんだ植物。
「もうここまで影響が…?いいえ、それはおかしい…。いや、でも…。」
ミネルは一人で考え込んでいる。
「ミネル…また一人で喋ってる…。ジュリア、あとどのくらい?」
「後、2時間ぐらいね…。」
ジュリアは地図を指差して答える。

……。リンは何も言わなくなった。
明らかに不満な表情。
2時間後、3人はアオバシティに到着した。

アオバシティは緑が多く、人間と自然が共存している街だ。
風力発電のプロペラが幾つも回っていて、至る所にソーラーパネルが設置されている。
道路脇には花壇や街路樹が幾つも並んでいて、平和な様子。
巨大樹の影響が全く見られない。
ここだけが、崩壊した世界から切り離されたようだった。
「うわぁ…!」
リンは荷台から身を乗り出す。

ジュリアは静かに街を見つめる。
ミネルはハンドルを握り、役所へと向かう。
役所の中は広く、手入れされた植木が並ぶ清潔感がある空間だった。
受付や職員の姿はなく、用件は全てタブレット端末で対応するようだ。

ミネルは受付のタブレット端末を起動させた。
「えっと…『求人』、『研究職』っと…。」
画面には、『研究員助手』、『資料整理』、『サンプル採取』の求人が表示された。
「何これ…?雑用ばかりじゃない…。」
ジュリアが呆れた表情で呟く。
「ん?この『調査隊』って何?」
リンが画面を指差す。
「アオバシティ周辺の異変を調査する仕事みたいね。給料は…あまり良くないみたい…。」
ミネルは他の仕事を探そうとしたが、リンが止めた。
「ミネル!調査隊がいい!この仕事にしよう!」
乗り気なリン。
「私達にピッタリの仕事ね。接客や掃除の仕事より調査隊が良いかも。」
ジュリアも納得の様子。
「…わかったわ。この調査隊の拠点に行きましょう!」
3人は役所を出て調査隊の拠点へ向かった。
調査隊の拠点に着いた3人は窓口で入隊を志願する。
拠点内はシホロ基地とは違う雰囲気で、壁には周辺地図や調査報告書が貼られている。
通されたのは会議室。
テーブルを挟んで二人の男が座っていた。
一人は軍服の男。
もう一人は白衣の科学者。
軍服の男が口を開いた。
「俺はこの調査隊の隊長を務めているカイルだ。」

3人も名乗る。
「ジュリアです。」
「リンです。」
「ミネルです。私達はシホロ基地で勤務していました。」
カイルは3人を観察するように見た。
「ほう…シホロ基地か。最近、巨大樹が出現した基地だな…。」
「はい。私達はその生き残りです。」
ミネルが答える。
「君達の素性は分かった。この調査隊は人手不足でな…軍人なら大歓迎だ。」
「だが…調査は危険な仕事だ。軍人とはいえ安易に入隊させる訳にはいかん。」
カイルは3人の顔を睨むように見た。
「今からお前達をテストする。ジュリアとリンだったか?俺について来い。ミネルはここにいてくれ。別のテストを受けてもらう。」
3人は調査隊に入隊する為の試験を受けることになった。
試験の内容は?
軍の試験と何が違うのだろう?
不合格なら今後どうすればいい?
「ジュリア?何難しい顔してんの?」
ジュリアは慎重な様子だが、リンはいつも通り笑っていた。

(やるしかない…!)
ジュリアは拳を握り締め、試験に挑む。
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