終わらない時代 第7話 再会
廃工場から脱出したジュリア達は宿にミネルを運んだ。
ミネルは眠り続けているが、ジュリアとリンは一睡もできなかった。
あと少し遅れていたらミネルを失っていたかもしれないという恐怖。
ゆっくり眠ることなどできなかった。
そして夜が明けた。

「ミネルは大丈夫だよね…?」
今にも泣き出しそうなリン。
「大丈夫に決まっているでしょ…。」
ジュリアは小さく答えた。
「ん……?ジュリア…?リン…?」
ミネルはまぶたを開いた。
「ミネル!!」
ジュリアはミネルの胸に飛び込んだ。

「ミネル…ごめん…私は…あなたを置き去りにしてしまった…。」
涙と感情が溢れ出す。
「ジュリア…。いいのよ。あなたは間違ってない…。もう泣かないで…。」
ミネルは優しい声で囁く。
「ミネル?大丈夫なの…?」
リンは涙を浮かべながら聞く。
「…誰かに呼ばれたような気がしたの。でも…よく分からない。」
ミネルはそう答えた。
3人はようやく再会できた。

3人は食堂で食事をしながら語り合った。
基地から脱出した後の話。
この町に来てからの話。
そして、廃工場の話。
「あの廃工場の虫。宿主を操るのね。」
ジュリアがそう結論づける。
「うん。でも、意識ははっきりしていなかったの。」
ミネルは自分の体験を話す。
「それで、あの赤い球体はどうするの?」
リンが問う。
「あのままにはしておけない。いずれこの町にも影響が出るかも知れない。」
ミネルはそう分析する。
「色々準備する物があるんだけど、あなた達チケットは持ってる?」
ミネルは2人に聞いた。

「……。これだけ?」
固まった表情のミネル。
「うん。この宿、思っていたよりも高くて…。」
ジュリアが答える。
「これじゃ、今夜の食事代にもならないね。」
リンが呟く。
「ジュリア、リン。チケットを稼ぎましょう。」
ミネルの提案で3人はチケットを稼ぐ事にした。

ジュリアとリンは運搬の仕事を選んだ。
この町には車が少なく、小型トラックは貴重な存在だった為か報酬はかなり良かった。
「リン。燃料は貴重品だから慎重にね。」
「分かっているよ!」
2人は軽口をたたきながら働いた。

その頃ミネルは役場の掃除の仕事をしていた。
廊下で職員が立ち話をしている。
「例の廃工場、奥に大量の骨が転がっているらしいぞ。」
「何だって?奥に猛獣でも居るのか?」
「いや、巨大な球根だって話だ。」
(巨大な球根?一度調査する必要がありそうね…。)
ミネルは掃除をしながら聞き耳をたてていた。
(情報収集も兼ねて役場の掃除を選んだのは正解ね。)

3人が働き始めてから1週間後。
チケットが貯まってきた。
「かなり貯まったね!」
喜ぶリン。
「そうね。私達かなり頑張ったよね…。」
ミネルは満足そうに呟く。
「それで、何を用意するの?」
ジュリアがミネルに尋ねる。
「色々あるけど明日にしましょう。」
ミネルの提案で今日は休む事にした。
その頃――
廃工場の奥で巨大な球根が脈打っていた…。
球根は少しずつ大きくなっていく。
