終わらない時代 第6話 親友の奪還
ジュリアとリンは町に戻った。
少し肌寒い風。
昼間とは違う静かな市場。
営業している店は僅か。
ジュリアとリンは買い取り店の中に入る。
「色々持ってきたけど、どう?」
「……見せてみろ。」
店主は手に持った部品を見つめる。

「お!これ欲しかった部品だ!」
さらに別の部品を持ち上げる。
「そしてこいつは……」
少し考える。
「まあ、使えるか……。」
リンが身を乗り出す。
「おじさん、どう?」
店主はゆっくりうなずいた。
「全部買い取ってやる!」
棚から袋を取り出す。
中からチケットを数えてリンに手渡す。
「何これ?お金?」
リンは店主に問いかける。
「ん?お前等この町に来たばかりか?」
「この町には通貨が普及していないんだ。取引はそのチケットで行うんだよ。」

「チケットには食糧や水の絵が描かれているだろう?それらと交換出来る。勿論宿にも泊まれる。」
「へぇ…そうなんだ。ジュリア!疲れたし宿に行こう!」
宿に向かう途中、2匹の動物を見かけた。

「え…!目が…赤く光ってる…!?」
犬と猫はそのまま同じ方向へ歩いていき、暗闇に消えていった。
2人はそれを黙って見ていた。
「おい!ジュリア!リン!」

突然声を掛けられる。
振り返るとそこに立っていたのは一人の男。
「え、教官!?」
「お前達!無事だったか…。」
安堵する教官。
「あの…教官。他の人達は?ミネルは居ませんでしたか?」
ジュリアは教官に尋ねる。
「実はな…。」
教官の話によると基地から脱出した後、巨大な蔓が襲い掛かってきて兵士達は散り散りになってしまったらしい。

「ここに着いたのは数人だ…。逃げるしかなかった…。」
「ミネル?ああ…あの科学者か?俺達とこの町に来たんだが…気が付いたら居なくなっていたんだ。」
「……そうですか。」
ジュリアは俯いて返事をする。
「そういえば目が赤かったような…。」
!?ジュリアの脳裏に、廃工場で見た赤い目の牛とネズミが浮かんだ。
(まさか…あの廃工場…!)
「リン!行くよ!」
「おい!どうした!」
教官の声を振り切って2人は小型トラックに乗り込み走り出した。

廃工場に到着した2人は小型トラックから飛び出す。
「ジュリア!きっと奥だよ!」
2人は廃工場の奥に向かう。
「ミネル!!」
しかし、ジュリアの呼び掛けに反応しない。
「ミネル?大丈夫?」
リンはミネルの肩を揺すったが無反応。
ジュリアは腕の赤い甲虫に気付いた。
「この虫…まさか!」

ジュリアは腕の赤い甲虫を引き剥がす。
その時。
「えっ!?」
ゴゴゴゴゴ……

赤黒い蔓が3人に向かって伸びてくる!
「マズい!逃げるぞ!」

リンはナイフで赤黒い蔓を切り払う。
まるで廃工場全体が動いているようだった。
3人は廃工場から脱出。
「ジュリア!ミネルを乗せて!」

「リン!出して!」
「了解!行くぞ!」
小型トラックが走り出す。
……あの赤く光る球体は何だったんだろう?
ミネルは何故あそこに?
ジュリアは離れていく廃工場を見ながら考えていた。
