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【AOE2DE】手持ち文明の戦術メモ(4)ポーランド

こちらのシリーズの第4弾です。ポーランドは2021年8月リリースの「公爵たちの夜明け」DLCボヘミアとともに登場。3x3マスのフォルワルクや上がりきらない鉄工テクなど当初は微妙と思われたが、後に活用法が確立されて人気文明の一つとなった。ただ、大会等ではほとんど見かけない。戦術が読まれやすいから、もあるだろう。


ポーランドの文明特性と基本戦術

「騎兵の文明」……という建前だが個人的には疑問(理由は後述)。フォルワルクによる畑のボーナスや石/金資源の収集などに強みがあり、領主中盤~城主にかけて爆発的な威力を発揮しうる文明。反面、城主以降で騎士に全振りしているとラクダや砲撃手、象&象弓等への対処が難しい。帝王では重石弓を主力にオブヒと大砲を添え、別働隊のウィングドハサーで荒らすような構想が有力。状況に応じて剣士も活用可。

ユニークユニットと天敵

ユニークユニット: オブヒ(55F20G)。育成が速く(9秒)安価な歩兵で、攻撃がヒットするたびに対象の防御力を(-1/-1)する(0/0になるまで累積)。チュートンナイトやシチリアの騎士、マリの剣士、魏の騎乗ユニット等の「防御力を売りにしたユニットへのアンチ」として輝く。エリート化コスト800F600G。天敵は、射手や弓騎兵、砲撃手等。
他に、ハサーに代わるユニークアップグレードとしてウィングドハサー(以下、Wハサーと表記)へアップグレード可能(リトアニアと共通)。通常のハサーに比べHP+5、攻撃力+2、近接防御+1、聖職者へのボーナスダメージ+2。アップグレードコストは(ポーランドに限り)300F800G。

内政面

粉挽所の代わりにフォルワルク(3x3マス、100W)を建てて畑の食料のうち10%(デフォ17.5→25→37.5→最終55)を即座に回収できる(しばらくは8%だったが2025年8月アプデで10%に復旧)。最近のオート畑設置機能で格段に使いやすくなった。人口枠5人(家1軒分)のおまけつき。

2026年2月のアップデートで、既存の畑に隣接して建てることでその畑の残食料から10%を即座に回収できるようになった。例えば敵TCを破壊した跡地で有効かもしれない。他に、帝王で輪作研究済みならフォルワルクの周りに畑を8枚張る→即座にフォルワルクを破壊して立て直すなどで、100Wを投じて500弱の食料を更に回収する、などの手段が考えられる(回数を重ねると効率は悪くなる)。

できれば領主で引き具の研究を済ませてから最初の畑を張りたいところ。帝王で輪作まで研究済みならば、フォルワルク1個+畑8枚の追加で100+480 = 580Wを消費して55*8=440Fが即座に入手できる。Wハサー4.5体に相当。

石を掘るときに同時に33%相当の金を得る。石の売値はデフォで91Gなので、石100を掘って売ると91+33=124Gを得られる。

テクと出せないユニットのメモ

鉄工所テク

馬鎧3と弓鎧3研究不可。終盤に脆さを感じるので帝王序盤までに勝負を決めたいところ。

文明ボーナス

(2024年10月以降)新規文明ボーナスを追加:血統と斥候系列のアップグレードコストの食料コスト‐50%
もともと食料に強みのある内政なので恩恵は薄い。

チーム ボーナス: 斥候系ユニットが射手に対して攻撃力+1
領主戦、特にチーム戦で輝くボーナス。

ユニークテクノロジー

城主ユニテク: シュラフタの特権(500F300G)
騎士系統の金コスト‐60%(60F30Gになる)。単純計算で20体以上出す+城のコストを考えると城主で元を取るのは大変そう。
シュラフタとはポーランドにおける士族階級のこと。騎士が安価に出せるのは彼らが武装を自弁するからと解釈すると、特権とは……。クロニクルDLCのアテナイの帝王ユニテク「エイスフォラ」と類似の効果だがこちらは「戦時特別税」の意味。

帝王ユニテク: レヒトの遺産(750F550G)
斥候、騎兵、Wハサー等が範囲ダメージを与える。後半戦で活躍するテクノロジー。

出せないユニット・使用不可テクノロジー

戦士小屋……近衛剣士まで出るがギャンベゾンなし。剣士の育成時間はデフォ21秒なので、戦士小屋3つ建てるくらいなら城からオブヒ出していたほうが良いかもしれない。矛槍兵へのアップグレード不可。ラクダや象、サヴァール等が想定される時は聖職者を準備しておいたほうが良さそう。またはオブヒ+(重)石弓。
弓小屋……重石弓、精鋭散兵、重弓騎兵が出るが弓鎧3やパルティアン戦術がない。砲撃手が出ない。
馬小屋……ウィングドハサーにアップグレード可能(2024年10月のアップデートで研究にかかる食料コストが半減したため、使いやすくなった)。更に帝王ユニテク(750F550G)で範囲攻撃ボーナスを得る。
騎士→重騎士どまり。馬鎧3もないため意外に脆い。ただし城主ユニテク(500F300G)で金コストが下がり、60F30Gで育成できるようになる(1体あたり金45の節約≒単純計算で18体以上出せばもとが取れる)。
兵器小屋……大砲・白ラムは出るが破城投石機とヘビスコは無し。
聖職者……償い(敵の聖職者を転向)、異端、啓蒙(信仰の回復速度up)が研究できない。
学問所……防御塔と砲台が建造可能。建築学と火砲学が研究できない。
内政テク……両引きのこぎり(帝王テク)、金の掘削、組合が研究不可
海軍……乾ドック、造船技術研究不可。サイフォン・焼夷兵器なし。重爆破工作船、機動キャノンガリオン船アップグレード不可。詳細は割愛。

オープンマップで使用時の留意点

これは某プロの受け売りですが、果実に寄せて1個目のフォルワルクを建てるのは仕方ないとして、その周りに無理に畑を張る必要はない。木を惜しまず2個目のフォルワルクを初期TCの背後、3マス離れたところに建てて安全に食料を回収するのが良い。別案として、金のかわりに掘ってる石で塔を建てて守ってもよい。

キャンペーンシナリオ等

ポーランド・リトアニア連合王国の女王ヤドヴィガのキャンペーンシナリオ(全6戦)がある。最近(2025年7月)、Heraがプレイしている。ヤン・ジシュカ(ボヘミア)でも重要な役割。他にバルバロッサ(チュートン)、チンギス・ハーン(モンゴル)、イヴァイロ(ブルガリア)、「勝者と敗者」からオットー大帝(チュートン/936)、ムスチスラフ(スラヴ/1203)等で登場。

戦績(2024年7月時点)

チーム戦(4vs4)では121戦して46勝59敗(不戦勝9不戦敗6、1無勝負)。アリーナや大森林で後衛をピックすることが多かった。1vs1では2勝5敗(アラビアで1勝1敗、アリーナで1勝4敗)。

負けパターン分析

まずチーム戦のアリーナ: 逆サイの即死などを除くと、城を寄せたもののきっちり対処される。その後ラクダやハスカールなど苦手なユニットを出されて押し切られる……というのが多い。

大森林(深い森)だと、序盤好調であっても帝王に入って改良型/破城投石機で森を焼かれて侵入を許しggというのが目立つ。逆に、強い内政を活かして帝王進化で先行できた時は安価な重騎士を突入させて荒らして押し切れるもよう。1vs1のアリーナ戦だと城寄せを読まれて予め領主軍を溜められていた、とか城寄せ撃退された後ラクダや砲撃手など苦手ユニットを出されて詰み、などが目立つ。オープンマップでのピックはチーム戦・1vs1とも少ないので割愛。

対策案

畑のボーナスや石を掘る必然性などから戦術が読まれやすい、というのが無視できない欠点。後述のユニテクで安価になった騎士が強いのは城主~帝王前半までで、それ以降はウィングドハサーを荒らしに使いつつ、後衛であってもオブヒ+重石弓&大砲or白ラム、みたいな編成にシフトすべきかもしれない。もちろん前線に小屋を建てるのが必須。前提として石はどうせ掘っているので、城を複数建ててオブヒを溜めるのは有力か。
シュリヴァムシャに対しては安価な騎士やWハサー、象弓に対しては精鋭散兵、と即座に対応できるようにやはり小屋は多めに建てたい。フォルワルクの効果で畑の更新ペースが早いことに留意。

参考動画

一例: 「なぜポーランドが”急に"強文明の一角を占めるようになったのか」

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歴史のうんちく

キャンペーンシナリオ解説

ヤドヴィガハンガリー王ポーランド王ラヨシュ1世の3女(末娘)として生まれた。ラヨシュ1世には男子がおらず両国の継承権は娘たちの配偶者とその子孫が得ることになっていた。ヤドヴィガは当初はオーストリアのヴィルヘルム*と婚約していたが、(恐らくハプスブルク家の影響力強化を嫌った在地貴族らにより)破談。かわってポーランド南部の貴族が支持するリトアニア大公ヨガイラが招かれて結婚(1386)、ポーランド・リトアニア連合王国を形成した。26歳もの年の差婚(ヤドヴィガ12歳の夏であった)。
*Wikipediaの肖像画はむさいオッサンだがヤドヴィガの記憶の中では永遠に金髪の美少年のままであったろう。この婚約破棄の悲劇はキャンペーンシナリオの1戦目Outroで語られる。

ヨガイラは以後、ポーランド式にヴワディスワフ2世と名乗るようになる。ヨガイラの父親であるリトアニア大公アルギルダスについてはリトアニアの記事を参照。

ヤドヴィガはハンガリーからハールィチを奪回した他、リトアニア領内へのキリスト教布教、クラクフ大学(現在のヤギェウォ大学)の復興など学術振興にも力を入れた。これはキャンペーンの2戦目で扱われる。その後、ヴワディスワフ2世は従兄弟のヴィータウタスとの抗争(3戦目)に入るが最終的に和解し、リトアニア大公位を譲る。1394年のヴィリニュス攻囲戦(4戦目)もその抗争の一環で、チュートン騎士団(ドイツ騎士団)による1ヶ月にわたる攻撃でヴワディスワフ2世生誕の地でもあるヴィリニュスは荒廃した。なお、史実ではこの時点でのヴィータウタスはまだ敵で、ヴィリニュス攻囲軍に加わっている。ドイツ騎士団とは1398年に和解が成立し、ヴィータウタスはノヴゴロド遠征に向かうも、ジョチ・ウルスとの連合軍はヴォルスクラ河の戦いティムール朝に大敗(5戦目のモチーフ)。

いずれにしてもこの時期のドイツ騎士団との休戦は、後のタンネンベルクの戦い(1410、6戦目)に備える時間を恵んだ。この戦いの意義についてはボヘミアのページもあわせて参照。ヤドヴィガは1399年に難産がたたって死去、生まれた娘も生後間もなく死亡するが、10年後のドイツ騎士団に対する勝利こそが「ヤドヴィガの人生をかけた働きの果実」というべきものであった。

ポーランド王国時代の通史

ポーランドの名は「平野の人」を意味する「ポラン族」に由来するという。西スラヴ人たちはフン人アヴァール人マジャール人らアジア東方からの侵略者たちから逃れてこの地に定着。8~9世紀までに幾つかの部族連合を形成した。西スラヴ語群のうち北部、すなわちおよそポーランドに分布する諸言語をレヒト諸語といい、それを話す諸民族をレヒト人と呼ぶ。帝王ユニテク「レヒトの遺産」の元ネタである。

10世紀後半のポーランド公ミェシュコ1世はチェック(ボヘミア)公国と姻戚関係を結び、神聖ローマ帝国の影響力を排除、周辺諸国を併合してポーランド王国を形成するに至った(ピャスト朝)。13世紀前半の君主コンラト1世(マゾフシェ公)は、原住民プルーセン人への対処のためにハンガリーからドイツ騎士団を招聘したほか、ユダヤ人等の移民政策を推進した。しかしドイツ系都市民の増加は、東方植民の動きとも相俟ってポーランド社会に分断の種を蒔く結果となってしまった。1333年に即位したカジミェシュ3世は国内統合を強力に進めた他、ボヘミアやドイツ騎士団との巧みな外交により勢力を伸張し「大王」と呼ばれる。

カジミェシュ3世に男子がいなかったため、甥(姉の子)にあたるハンガリー王ラヨシュ1世がポーランド王を兼ねた(1370-82)。彼がヤドヴィガの父親である。その後のポーランド・リトアニア連合の形成については上述の通り。婿のヴワディスワフ2世(ヨガイラ)はポーランド、リトアニア、ボヘミアおよびハンガリーに及ぶ王朝連合の創始者となった。彼はヤドヴィガの死後、亡き妻の又従妹にあたるアンナ・ツィレイスカと結婚。54歳と16歳の年の差婚であったがここから生まれた娘(ヤドヴィガ)も23歳で死去。結局、4度目の結婚(71歳と17歳!相手は異母兄の外孫で、大姪にあたる)で生まれた男子たちが王位を継承することになる。ともかく、この連合は約1世紀の間覇権国となったが、曾孫の代に至ってハンガリー王・ボヘミア王だったラヨシュ2世が1526年にオスマン帝国とのモハーチの戦いで敗死すると崩壊。ハンガリーの大部分はオスマン領、ボヘミアはハプスブルク家の王領となった。この時期以降のポーランドは、ドイツ騎士団やオスマン帝国、クリミア・ハン国と周囲に敵を多く抱えて苦しい時代となった。

ユニテク・建物名の由来

シュラフタとはこの時期に発展した貴族制の一種である。もと地主階級から始まった世襲の身分だが、自ら就労して俸禄を得ていた点で日本の武士階級(士族)に近い存在ともされる。第一次大戦後に廃止されるまで続いた。16世紀になると宗教改革がポーランドへも波及してくる。もともと民族的、宗教的多様性に富んでいたためもあり、ローマ・カトリック、東方正教、プロテスタントそして数多くの非キリスト教系宗教が共存。ヨーロッパにおいてユダヤ人に対する差別が最も少ない国家となり、彼らの中からシュラフタ貴族になるものまで出た。フォルワルクとはこの時期の東欧に特有の大規模農場のことで、収穫された穀物は海港都市のグダニスク(ダンツィヒ)を経由して西欧へ盛んに輸出された。貴族たちは農民からの搾取により経済格差を拡大させたが、ゲーム内での収穫先取り機能はこの収奪がモチーフとなっていると考えると暗澹たる気持ちになる。ポーランドは当初低湿地であったのが、気候変動と技術革新により耕作適地となり穀物収穫量が増大、これが富の源泉であった。しかし17世紀に入るとアメリカ新大陸からの穀物ならびに銀の輸入量が増大し、経済不況が訪れる(AOE2の時代はこのあたりまで)。

ウィングドハサー

ハサー(フサリア、ユサール)自体はハンガリー(ゲーム的にはマジャール)発祥とされるが、ポーランドへは16世紀前半にトランシルヴァニア公国から婿入りした国王ステファン・バトーリに持ち込まれた。その後独自の進化を遂げ、毛皮を着込み、巨大な鳥の羽飾りを背負った「いわゆるウィングドハサー」が誕生することになった。といってもただの飾りではなく、白兵戦における投げ縄対策として有効だったという。ポーランドとリトアニアは上述の通り同君連合を形成したので、リトアニアでも同様にウィングドハサーが使用可能なのだと思われる。18世紀にこの分野でも英国が台頭するまでは、軍用馬の最先端技術はポーランドが独占していたという。

ポーランド分割・復活と2度の大戦

16世紀後半にポーランド・リトアニア共和国選挙王制に移行。中にはスウェーデン王家出身であったため盛んに外征し、モスクワを占領するに至ったものもある(ロシア・ポーランド戦争、1605-18)。1683年にオスマン帝国によるウィーン包囲を破ってこれを解放したヤン3世ソビェスキも選挙王の一人であった。ポーランドの南東部はタタールのクリミア・ハン国に接していたため常に半戦争状態にあった。東南部に住むウクライナ・コサックモスクワ・ロシアが保護下に置くなど介入が続く。バール連盟戦争(1768‐72)はロシア帝国による保護国化に対する抵抗であったが敗北し、その後3度にわたるポーランド分割(~1795)でポーランド王国は消滅してしまった。コシチュシュコらの蜂起(1794)も失敗に終わる。

ナポレオン戦争期にフランスの衛星国家としてワルシャワ公国が建国され(1807)、1815年には戦後処理でロシアの属国としてポーランド立憲王国が成立するが、ほんとうの意味での独立回復は第一次大戦末期にロシア・ドイツの両国で革命が起きて帝政が崩壊したため権力の空白地帯となってからのことである。アメリカ大統領ウィルソンの提唱した十四か条の平和原則に基づき1918年、ポーランドは独立を回復した。この時に活躍したのがユゼフ・ピウスツキである。彼は没落したポーランド貴族の家柄で、現在のリトアニア領内で生まれヴィリニュスで教育を受けた。ロシア皇帝暗殺計画に連座して流刑地にある囚人農場での強制労働に5年間服役。ここで出会ったポーランド人流刑者や社会主義思想家の影響を受け、解放後にポーランド社会党を創立。1908年には後のポーランド軍となる私設軍隊を創設。第一次大戦ではオーストリア軍の一部として参戦した。戦後は独立を回復したポーランドの国家元首となり、1935年に死去するまで指導的立場にあった。国民からの人気も根強く、日本の偉人で例えるなら坂本龍馬と西郷隆盛に伊藤博文を足したような存在だろうか。

ピウスツキ体制のポーランドは、1923年まで盛んにソ連圏諸国に攻め込み版図を拡大した。日本のシベリア出兵と同様、社会主義革命の拡大を恐れた欧米各国が支援したためもある。ピウスツキの晩年にはドイツ・ソ連両国と不可侵条約を結んでいたが、1939年8~9のナチス・ドイツによる侵攻の前には無意味となりソ連も東部から侵攻。1カ月足らずでポーランドのほぼ全土が占領されてしまった。この時ドイツの戦車団に対しポーランド軍には騎兵が現役だった、と揶揄されることもあるが偵察部隊で騎兵を活用するのは当時ではまだ一般的であった。その後、独ソ戦が始まってからは両国による占領支配が相次いだことにより、ユダヤ人300万人を筆頭に国民数百万人が犠牲となった。これは当時の全人口の2割以上にあたる。

戦後のポーランド

戦後は国境策定で東部領土を削られ、西方ではドイツの一部を得た。このため住民の大移住が起こったという。グダンスクからもドイツ系住民が去り、ポーランド人の都市となった。冷戦期は東ドイツと並んで東側陣営の最前線となりNATOに対する軍事同盟にワルシャワ条約機構と名を冠している。経済・食料価格統制策等の拙さから1980年にストライキが起き、戒厳令(1981~83)につながる。また1984年には政府批判を行っていたポピュウシュコ神父が内務省職員により暗殺された。1980年代後半にソ連でゴルバチョフ政権が誕生したことを受けて民主化運動が始まり、1989年の選挙の結果を受けてポーランド共和国(第三共和国、現在のポーランド)が成立。1999年にはNATO加盟、2004年にEUに加盟して「中央ヨーロッパへの復帰」が進んでいる。ただし通貨は2025年現在でもユーロではなく独自のズウォティ(ズロチ)が使われており旅行者には不便。

近年の動向

2015年の選挙で右派政党「法と正義(PiS)」が政権を奪還。党首のヤロスワフ・カチンスキ(1949-)は2006~07年に首相、2020~22年に副首相に就き政界の最高実力者とされる。日本でいうと麻生太郎のような存在だろうか。PiS政権は憲法違反の疑いのある法律を次々に制定、2021年には憲法裁が「EU基本条約一部条項が自国憲法と『相いれない』と判断」するなど他のEU諸国との間で緊張が高まっていた。しかし2022年のロシアによるウクライナ侵攻に際しては反露の立場を示したことで(独裁的政権運営でありながら)称賛されている。同年11月、ロシア製ミサイルが着弾し2人の死者が出ている。ウクライナが敗北すればロシア(・ベラルーシ)による次の標的となることは明らかであり、ウクライナ支援に当初から積極的なのも理解は可能。

2025年9月追記。ロシアによるウクライナ爆撃の一環として無人爆撃機(ドローン)がポーランドの領空を侵犯し、撃墜されるという事態が発生。東欧情勢は予断を許さない。

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