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【AOE2DE】文明メモ(33)イタリア

西ヨーロッパ文明シリーズの〆はイタリア。2013年のフォーガットン拡張パックで追加された、準古参といって良い文明。時代進化コストが安く、以前はジェノヴァ石弓や火薬ユニット等、城主~帝王で強い文明という印象だった。2025年4月のバランス調整で旧城主ユニテクの効果が前倒しで領主から有効になったため、オープンマップでも領主での弓合戦で活躍するようになった。もちろん海マップ・ハイブリッドマップが主戦場。


文明特性と基本戦術

「射手と海軍の文明」。進化コストの安さを活かすためにはやはり先行して領主in、防御力の高い射手で先手を取りたい。城主でも引き続き石弓+投石機を主力とするのが文明ボーナスを活かしている。城が建てば相手の騎士対策はUUのジェノヴァ石弓が強力。なければ長槍を添える。別案として、重騎士やハサーが使えてフルアップするので中盤から馬を主力にしても良い。終盤は火薬ユニットが安価なボーナスを活かすためユニテク入り砲撃手や大砲を中心に進軍する。

ユニークユニットと天敵

ユニークユニットのジェノヴァ石弓兵(45W40G)は騎士や象などの騎乗ユニットに対して有効な徒歩射手。数が溜まれば騎士などは寄せ付けない。また、最初から命中率100%。訓練時間は14秒。EL化(900F750G)では見かけのスペックはそれほど変化しないが、騎乗ユニットや象へのボーナスダメージがさらに+2上乗せされる。天敵は、精鋭散兵や投石機等の兵器。

チームボーナスとして帝王の時代に戦士小屋でコンドッティエーレ(50F35G)が利用可能。英語圏ではコンドティエーロ。足が早く火薬ユニットに対するボーナスダメージを持つ。歩兵を出していたら相手が砲撃手に切り替えてきた、というような場合に有用。重剣・近衛剣士には基礎スペックでは見劣りするもののHPが高く、またアップグレード不要で戦士小屋からすぐ出せることと移動速度が魅力。マリやゴートなど歩兵に対するボーナスのある文明で活用すると強みが活かせる。天敵は射手やヘビスコなど火薬を使わない射程ユニット。

内政面

時代進化コスト-15%
……3回の進化で合計495(345F150G)節約できる。即進化を考えるならそれぞれ農民1~2人ずつ短縮できそう。ビザンティンの帝王進化だけ優遇されるボーナスよりも使い勝手は良い。
港と学問所の技術コスト-25%
……海マップで勝率第5位(2024年6月時点)の原動力。2026年2月のアップデートでナーフされた。
陸上でも弾道学や化学、砲台などコストが嵩む技術が多いのでありがたい。全テクノロジーを研究した場合、港で1900弱、学問所で2000強の資源が節約できる。
漁船のコスト-15%
……海マップでの原動力その2。木64で出せるのは遊牧マップ等でのタイトな資源繰りのもとでは大きい。

テクと出せないユニットのメモ

文明ボーナス

歩兵射手コンドッティエーレ近接/射程防御+1/+1
……最近のアップデートで追加されたボーナス。以前は城主ユニテク(大盾/パヴィス、200W150G)だった。これが開始時から有効になったので、陸マップでの射手戦術でも最強文明の一角となった。
火薬ユニットのコスト-20%
……砲撃手、大砲等の高価なユニットが低コストで出せる。数字は後述。

チーム ボーナス: 上述の通り、帝王の時代からコンドッティエーレが使える。チーム内のイタリアのプレイヤーが帝王進化している必要はない。

ユニークテクノロジー

城主ユニテク: シルクロード(250F250G)
交易ユニットのコスト-50%。以前は帝王ユニテク(コスト500F250G)だった。いずれにせよ1vs1では死にテク。
帝王ユニテク: ピロテクニア(650F500G)
砲撃手の貫通ダメージが+15%増加し、命中率が向上する。

*イメージとしては貫通弾というより流れ弾かな、という感じはする。攻撃力17の15%=2.55なので恐らく切上げで3ダメージ。

鉄工所テク

3兵種3段階すべて研究可能。こちらはコスト削減はなし。

出せないユニット・使用不可テクノロジー

戦士小屋……ギャンベゾンがなく、矛槍兵へのアップグレード不可。騎士対策はUUで。
弓小屋……重石弓、安価な砲撃手(36F40G)が出せる。弓懸研究可能だがUU中心に進めるなら後回しでも良い。重弓騎兵アップグレード不可、パルティア戦術なし。
馬小屋……近衛騎士アップグレード不可だが、ハサーと重騎士はフルアップなのでガチの馬文明以外が相手なら主力に据えても良い。
兵器小屋……白ラム、破城投石機、ヘビスコ等のアップグレード不可。早めに化学(200F133G)を研究して大砲(180W180G)を使え、ということだろう。
聖職者……異端以外の
学問所……攻囲技術のみ研究不可。他のすべてのテクノロジーを33%引きのコストで研究可能。他に、城テクの土木技術研究不可。
内政テク……金の掘削が研究不可
海軍……重爆破工作船のみアップグレード不可。その他のアップグレードを含む全テクノロジーを33%引きのコストで研究可能。漁船のコスト64W。詳細は割愛。

イタリア即帝王を考える

細かいビルドオーダーは割愛するが、トルコの29+2+2の改変で26+2+2くらいでも帝王inだけなら可能だろう。学問所と兵器小屋で進化。帝王in後から、化学を研究しつつ戦士小屋・弓小屋x2を建てればおそらくトルコの帝王inに少し遅れたくらいのタイミングで砲撃手と大砲を作り始められるはず。

戦績・対策

対・イタリア入りチームの戦績は52勝31敗で悪くない。長らく、アリーナ等でジェノヴァ石弓くらいしか使えない文明と認識されていたため対策しやすかったのもあろう。自戦ではいずれも2022年以前の使用なのであまり参考にはならない。チーム戦では2回使用して2敗。移住の前衛で海で勝ったが陸で負け。もう一戦はメガランダムで文明もランダム、逆サイの放棄で不戦敗。1vs1ではずっと前にアリーナで1戦だけして負け(対フランク)。

キャンペーンシナリオ等

ルネサンス期の傭兵隊長、フランチェスコ・スフォルツァ(1401-66)の半生を扱った全5戦のキャンペーンシナリオがある他、神聖ローマ皇帝のイタリア遠征、十字軍シナリオの脇役やコンスタンティノープル攻囲戦での傭兵など登場機会は多い。他に、アッティラ(フン)など本来なら(西)ローマを当てるほうが適切と思われるシナリオでも、イタリアの諸都市として登場する。

参考動画

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歴史のうんちく

西ローマ帝国は、476年に最後の皇帝が廃されて滅亡した。ゲルマン人の王たちを排して東ゴート王国が成立するも、20年にも及ぶゴート戦争(535-54)により滅亡。都市ローマはその間に6度も主を変え壊滅し廃墟となった。帝政ローマ時代の遺跡が地下深くから出土するのは、この瓦礫に埋もれて数世紀が経過したからである。東ローマによる支配も長くは続かず、北から襲来したランゴバルド人と、新興のサラセンによる南伊一帯への沿岸襲撃によりイタリア半島の受難は続いた。この時代の集落は内陸部の丘陵地帯に移り、街路も複雑な迷路のようになって外敵の侵入に備えていた。8世紀に入ってようやく人口回復の兆しが見えるようになる。

都市国家群の勃興

8世紀のもう一つの出来事としてフランク王国の成立が挙げられる。カール大帝はイタリア半島北部~中部までを版図に収めた。先んじて、大帝の父に当たるピピン3世ラヴェンナを征服してローマ教皇に献じ(ピピンの寄進)、イタリア中部に帯状のローマ教皇領が成立していた。中伊の諸都市が東ローマからランゴバルド(ロンゴバルド)、フランクと帰属先を変えていく中から、アマルフィピサ、といった海港都市国家が発展し始める。ジェノヴァもその中の一つで、これがAOE2におけるイタリアのモチーフと考えられる。

遠くロシアの地で、しかも異教徒のモンゴル軍に雇われたジェノヴァ人傭兵もいたようだ。

中世のジェノヴァはイタリア王国(3つに別れたフランク王国の一つ)に属する自治都市として発展を始めた。共和国としての成立は1005年、自治都市となったのは1100年。1098年の第一次十字軍に海運サポートとして参加し、以降に中東のシリアや小アジアのスミルナ、黒海沿岸の諸地方や地中海の島々に居住地・植民地を設けていった。コンスタンティノープルガラタ地区の居住地は「勝者と敗者」キャンペーンシナリオでも登場する。しかしオスマン帝国の台頭とともに海外植民地を失っていく。ジェノヴァ自体の支配権もミラノ公国領からフランス領、スペイン(神聖ローマ帝国)領と移ろっている。スフォルツァはそんな時代にミラノ公国を舞台に活躍した人物の一人であった。

キャンペーンシナリオ

フランチェスコ・スフォルツァは15世紀前半のイタリア人傭兵隊長。当初ミラノ公フィリッポ・マリーア・ヴィスコンティに仕え、ブレシアの反乱(1426-27)を鎮圧した(1戦目)。ブレシアの市街地にこもるヴェネツィア兵としては、ポルトガルのユニットが当てられている。その後スフォルツァはマルケ、出身地に近いエミリア=ロマーニャを転戦(2戦目)。傭兵隊長としてのライバルであったニッコロ・ピッチニーノ(英語版wikipedia)を打倒した。ゲーム中では、策略を使って次々に沿岸部の都市を寝返らせる様を体験できる。

3戦目は「カルマニョーラ伯」ことフランチェスコ・ブッソーネとの戦い。彼は元ミラノ公の傭兵隊長という点でスフォルツァの先輩だったが、裏切ってヴェネツィア共和国についた。しかし両国を天秤にかけた不遜さが災いして、1432年に処刑されてしまう。スフォルツァは後継者の居なかったミラノ公の娘婿となるが、その後共和国となったミラノはスフォルツァを敵視して追放してしまう。進退窮まったスフォルツァも、先輩と同様にヴェネツィアの力を後ろ盾にミラノへの復讐戦へと突き進んでいくことに。4戦目はパヴィアの占拠とピアチェンツァカラヴァッジョの攻囲戦がモチーフ。このシナリオでは占拠した都市にある建物で金を消費して騎士、大砲やジェノヴァ石弓を入手可能。まさに傭兵隊長らしい戦いが味わえる。

最終の第5戦は「ビバ・スフォルツァ」(スフォルツァ万歳)で分かりにくいが、英語版では「新たなミラノ公」で、こちらのほうが意味が通る。スフォルツァを嫌って追放した共和主義者たちと違って、ミラノ市民からの彼への人気は高かった。スフォルツァの侵攻は市民たちには侵略者ではなく解放者と映った。ゲーム内ではフランクの攻勢を凌ぎつつ態勢を整える。ミラノを解放した後は例によって裏切ってくるヴェネツィア軍を打倒してクリア。

都市国家の斜陽の時代

ジェノヴァ出身で15世紀後半-16世紀に活躍したアンドレア・ドーリアは主に神聖ローマ帝国(スペイン)の海軍提督となり、生涯を通じてオスマン帝国との戦いに従事したが1538年のプレヴェザの海戦での敗北以降は主導権を取り戻すことはできなかった。彼の大甥ジャナンドレア・ドーリアらも参加した1571年のレパント海戦を機に、地中海での主導権はキリスト教国側に移っていく。この頃になると一都市国家ではなく広大な領土をもつ大国が歴史の主役となっていく。例えばレパントの海戦で総指揮を執ったドン・フアンは神聖ローマ皇帝カール5世の庶子であった。

15世紀末に新大陸を発見したクリストファー・コロンブスもジェノヴァ出身であるが、彼自身の拠点はポルトガルやスペインであった。伝統的に共和国内部での分断・対立が深刻であったため、彼のように他国で生きねばならなくなったジェノヴァ人も多かったという。

スペインの一部のようになったジェノヴァは、その財力とネットワークをもってスペインの国家運営に深入りするようになる。しかし権力を持たない商人の悲しさで、度々破産するスペイン国家財政の煽りを食うはめに。17世紀には後にイタリア王家となるサヴォイア家や、フランス(ブルボン朝)との対立が深刻化。18世紀のオーストリア継承戦争での敗北やフランス革命軍の侵攻が決定的となってジェノヴァ共和国は解体された。

なお同じ時期、ヴェネツィアも有力な海軍国家であった。こちらも5世紀以降のフン族やランゴバルド人によるイタリア侵攻から逃れるために湿地帯に築いた避難所が起源であったというが、AOE2のモチーフからはややズレるので詳述は控える。

民族の象徴のモチーフはジェノヴァのサン・ロレンツォ大聖堂(英語版wikipedia)。3世紀の殉教者で聖人であるローマのラウレンティウスに捧げられたもの。同じ名前の大聖堂は中北部イタリアに複数ある(フィレンツェ、ミラノ等)。12世紀から市街地の中心として機能。14~17世紀にかけて増築・戦災からの再建等を経て完成。現在の姿は19世紀末の修復による。

その後のイタリア(統一~現代)

フランス革命前後のイタリアは教皇領やいくつかの都市国家(中程度の領土を持つようになっていた)と、サヴォイア家のような大きめの公国等に分かれていた。皮肉にもナポレオン軍によってこれらの割拠状態がほぼ一掃されたことが、統一の機運につながる。ナポレオン失脚後には原状回復を目指して小国乱立状態が再開したが長続きしなかった。1820~40年代に各地で起こった革命は失敗に終わったが、1859年に至ってサルデーニャ王国の首相カヴールがナポレオン3世との同盟を背景にオーストリア軍を追い出して北~中伊の統一に成功。翌1860年にはジュゼッペ・ガリバルディ千人隊がシチリアやイタリア南部でブルボン朝の軍を駆逐。ガリバルディはこれをサルデーニャ王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に無償で献上し、ここに近世イタリアの統一が成った。その後はエチオピアへの侵略やニ度の世界大戦を経験。1970~80年代の政情不安、90年代のマフィアとの抗争を経てなかなか安定しない。工業化が進む北部に比べ、農業地帯の南部が貧しいままである格差の問題や、地中海を渡ってくる難民・不法移民の影響も無視できないようだ。2022年に就任したメローニ首相は、2025年現在の先進各国首脳の中で最もドナルド・トランプの扱いが上手いと目されている。


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