【AOE2DE】文明別メモ(29)ケルト
歩兵文明シリーズ。ケルトは最近の歩兵強化の恩恵を受けた文明の一つだが、単体での人気はいまいち。騎士も射手も直接のボーナスがないとなればチーム戦でも使いづらい。一方、隘路を塞いで帝王戦で森を焼くようなマップでは全文明でも最強クラスの兵器が頼りになる。Rage Forest等の特定の大会で(BAN含め)上位ピックになるゆえんである。
文明特性と基本戦術
「歩兵と攻囲兵器の文明」。伐採速度アップを背景に足の速い歩兵と回転の速い兵器で攻める……というのがコンセプト。とはいえ最初から民兵/軍兵に全力投入はできないので、木を消費するユニットである射手/散兵を使うのがセオリー。城主からは積極的に兵器を絡めていきたい。奇策として、即城主から兵器小屋2個建ててスコピRも成立するだろう。騎士を出すときは耐久力に難があるので相手を選ぶ。帝王では足の速い矛をメインに、攻め口にUUのウォードレイダーを投入するような展開になるだろうか。チーム戦では脇役に徹し、味方の強いユニットをサポートするような働きが求められる。大森林(深い森)や道、アマゾンのトンネル等のマップでは森を焼く役割を積極的に買って出たい。フルアップの破城投石機は数が溜まれば並の城ならば遠投不要で割れる。剣士が有効になるのは相手がイーグルや槍散兵の時、と考えると状況は限られそう。
ユニークユニットと天敵
ユニークユニットのウォードレイダー(70F25G)は足の速い長剣/近衛剣士に近いスペック。訓練時間は10秒で騎士(30秒)1体出る間に3体出せる。EL化(1000F800G)で攻撃力+4アップするのはなかなか強い。一方で基礎近接防御/射程防御 0/1なので、近接ユニットには若干打たれ弱い。天敵は、射手、砲撃手の他、騎士や近衛剣士等と正面から撃ち合うと勝てない。機動力でうまく立ち回りたい。
内政面
木こりの作業速度+15%
……序盤から終盤まで強力なボーナス。一例として木こりを1~2人少なくしたビルドオーダーが成立する。
ケルトユニットの視界内にいる家畜は盗まれない
……逆に言うと、斥候で相手TC下の羊を盗み放題である。
テクと出せないユニットのメモ
文明ボーナス
歩兵の移動速度が暗黒/領主/城主/帝王の時代でそれぞれ+5/10/15/20%増加
……暗黒民兵は微々たるものだが、領主inと同時に従士研究済と同等になり、城主~帝王でさらに加速する。
攻囲兵器の攻撃速度が+25%増加
ヘビスコや破城投石機の数がたまると大変な脅威である。
チーム ボーナス: 兵器小屋の作業速度+20%
ローマやスラヴ、中国等の兵器が強い文明と組むと効果を発揮。
ユニークテクノロジー
城主ユニテク: 牙城(250F200G)
城と見張り台系の攻撃速度が+33%増加。自陣・交易路を塔で守るような後半戦になれば有用。しかしジョージアの塔やポルトガルの砲台等に比べると見劣りはする。
城が7タイル以内の味方歩兵を回復。「歩兵」だけなのがなんとも使いづらい。これはおまけの効果と考えるべき。
帝王ユニテク: ケルトの怒り(750F450G)
兵器小屋ユニットのHP+40%。これがメインである。2025年8月アプデで遠投投石機にも適用されるようになった。
鉄工所テク
鉄工所テクは馬鎧3と小手(射手の攻撃力・射程アップの3段階目)が研究不可。
出せないユニット・使用不可テクノロジー
戦士小屋……近衛剣士、矛ともフルアップ(従士/武者修行研究不可だが城主以降は文明ボーナスで逆転)
弓小屋……重石弓、砲撃手が出ない。また重弓騎兵は出せるが弓懸もパルティア戦術もない。
馬小屋……血統と馬鎧3がないため、ハサーや近衛騎士を出しても耐久性に劣る。
兵器小屋……大砲が出せないのを除き3種フルアップ。それに加え、文明ボーナスで攻撃速度25%アップ。
聖職者……贖いと活版印刷がないため敵の大砲対策には使えない。他に償い、啓蒙、神政等がないので使い勝手は良くない。
学問所……意外にも建築学(建物強化2)と砲台以外はすべて研究可能。
内政テク……両引きのこぎり(3段階目、+10%)が研究不可だが文明ボーナスでまだ上回っている。他に輪作研究不可。
海軍……高速火炎船、機動キャノンガリオン船へのアップグレード不可。また、サイフォン・焼夷兵器なし詳細は割愛。
戦績・対策
チーム戦では大森林(深い森)などで主にピックして15勝8敗。騎士を出すのは味方に任せ、しっかりと兵器を出すのが勝ちパターン。金が尽きないように長期戦なら交易をしっかり回すこと。また対ケルト入りチームの戦績47勝29敗でこちらも悪くはない。残念ながら騎士が弱体かつ射手系統も終盤失速が見えているため、UUと兵器を軸にせざるを得ない。自分の手持ち文明はだいたい射手・砲撃手が強く大砲も持っているので、相性が良いのだろう。1vs1では使用ゼロ、対戦結果は2勝0敗だがアラビアでの刺し違えとアリーナでの泥仕合なので参考に成らない。
キャンペーンシナリオ等
ウィリアム・ウォレスの反乱(1296-98)をモチーフにした全7戦のチュートリアルがある。「西の大公たち」DLCでは同じ戦いの前後をブリトン側から見たエドワード長脛王のキャンペーンシナリオが追加された他、「歴史上の戦い」のヨーク(865)ではヴァイキングによる征服対象。「勝者と敗者」DLCでもブリテン島北部の原住民として盛んに登場する。
参考動画
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歴史のうんちく
ケルト人とはもともと紀元前400年ころまでにドナウ川中流域以西、北伊まで含めたアルプス山脈付近や現フランス、スペイン北部等に広く分布した非定住民の他称である。ギリシアやローマの文献にも古くから登場。紀元前390年に異民族としては初めて都市ローマを攻略して居座ったこともある。
紀元前2~1世紀ころになると東からはゲルマン人の圧迫を受け、南からは共和政ローマの征服を受けて多くは属州ガリアの住民としてローマ化した。しかし一部はドルイドの儀式等、ケルトの旧来文化を保ったままブリテン島に逃れた。4~5世紀のローマ帝国崩壊期には空白地を狙って渡海してきたアングロ・サクソン人との抗争でさらに僻地に追いやられるが、現ウェールズやスコットランド、アイルランド等各地にケルト系の国家・集団が残存。大陸側でもブルターニュやイベリア半島の一部等にケルト系集団が生き残り、言語や文化は後の時代までも継承された。
スコットランド前史
伝承によれば6世紀ころには既にスコットランドにピクト人により王国の母体が建国されていたという。具体的な歴史が残るのは9世紀なかば以降で、ヴァイキングの大異教軍による侵攻の時期と重なる。スカンディナビアからの侵略者によりイングランドがガタガタになったためスコットランドにも勢力確立の余地が生まれたのだろうか。ウィリアム・シェイクスピアの同名の戯曲でも知られる11世紀の王マクベスは従兄を殺害して王位を奪い、反対勢力やライバルを抹殺して17年間支配した。AI戦でケルトの君主としてたまに登場する。13世紀後半にアレグザンダー3世が嗣子なくして没すると外孫であるノルウェー王女マルグレーテ(マーガレット)が3歳で女王となる。しかしノルウェーからの渡海時に極度の船酔いのため死去。13人もの候補者による後継者争いが始まり、イングランドの介入を招くこととなる。
AOE2の時代
ウィリアム・ウォレスは13世紀末のイングランド王エドワード1世(長脛王)による過酷な支配に対し立ち上がったスコットランドの英雄である。当時のスコットランド王ジョン・ベイリャルは、そもそも上記の13人による後継争いの結果、エドワード1世の介入によって立てられた傀儡であった。しかし1294-96年に反旗を翻し、イングランドに侵攻するも大敗、ロンドン塔に幽閉される。ウォレスらは蜂起後、1297年にスターリング・ブリッジの戦いで勝利。これはチュートリアルの5戦目の名前になっているが、こちらはまだ基礎的な軍を作ってぶつけるだけ。6戦目のほうが本番である。アンドリュー・モレイ(英語版wikipedia)がモデルかと思われる同盟国とともにブリトンの基地を攻略。ウォレスはこの戦いを期にスコットランド守護官となり、王の不在下での指導的立場に就いた(後にスコットランド王位に就く、ロバート・ブルースの影響下にあったとも考えられる)。1298年のフォルカークの戦いが7戦目のモチーフだが、ゲーム内と違ってウォレスはこの戦いで敗れ、スコットランド守護官を辞する。1305年までに捕縛され、処刑された。それでもスコットランドの抵抗運動は収まらず、上述のロバート・ブルースがロバート1世として王位に就き、1328年の和睦で王権が確立。その後も英仏百年戦争に介入してフランス本土に遠征するなど活発であった。
エドワード長脛王の征服行についてはブリトンの記事も参照。
スコットランドは滅亡するどころか、時代下って1603年、英王室テューダー朝(1485-)がエリザベス1世を最後に断絶すると、ヘンリー7世の玄孫(エリザベス1世から見れば従兄弟の孫)にあたるスコットランド王ジェームズ6世が招かれてジェームズ1世としてイングランド王位に就く(イングランドにおけるステュアート朝)。なんということだろう。イングランド王室は女系&再婚によってスコットランドとウェールズ(後述)の血筋に乗っ取られてしまったのである……。その後、スコットランド議会は1707年に自ら解散、合同法により独立を放棄して正式に統合され、グレートブリテン王国の一部となった。その後は基本的には英国の歴史に合流するが、1998年になってスコットランド議会が復活。分離独立を目指す動きも度々起こっている。
その他のケルトたち
ウェールズ: アーサー王伝説は5~6世紀にアングロ・サクソンに抵抗したブリトン人の王の物語とされている。その後も11世紀のノルマン・コンクエストや、以降のイングランドの度重なる侵略を頑強に撃退し続けた。13世紀ころに政治的統一がなるが、それまで小王国の分立が続いていた。上述のエドワード1世(長脛王)が1282年に征服してようやくイングランドの傘下となる。その後は「ウェールズ大公(Prince of Wales)といえばイングランドの王太子を指すことになった。そもそもがテューダー朝はウェールズを発祥とする。ヘンリー5世の未亡人の再婚相手となったオウエン・テューダーは東ウェールズの王族の末裔であり、そこから生まれた孫が後のヘンリー7世。彼はライバルに戦闘で勝ち、ヨーク家の王女と結婚して正当な王位継承権を確立した。
アイルランド: 古くからピクト人の巨石文化が存在した。5世紀にはキリスト教が伝来し学問と文化が栄えたが、9~10世紀のヴァイキングの侵略によりほとんど破壊されてしまった。「勝者と敗者」キャンペーンのヴァイキング系シナリオで頻出。12世紀には土着王国の継承争いにイングランド王の介入を呼び込んでしまう。14世紀にはアイルランド原住民が勢力を増したため抑制策が取られた。AOE2のケルトの民族の象徴は、現アイルランドにあるロック・オブ・キャッシェル(Rock of Cashel)(英語版wikipedia)がモデル。
ダブリンからバスで2時間程度の街、キャッシェルにある遺跡です。
4世紀頃から12世紀初頭まではアイルランド南西部を治めていたマンスター王国の城、のちに教会となり17世紀にイングランドのオリバー・クロムウェルが侵略してきた事により廃墟化。
地元ではアイルランドの聖人パトリキウスを見た悪魔が驚いて落とした岩と言われているそうです。
16世紀に英国国教会が成立するとアイルランドはカトリック信者の避難所のようになる。17世紀なかば、クロムウェルのアイルランド侵略により事実上の植民地化。清教徒革命と王政復古を経てイングランド共和国の一部となる。19世紀なかばにはジャガイモの疫病により大飢饉が生じ、多くの人々が北米大陸を筆頭に海外へ移住した。20世紀になるとアイルランド独立運動が本格化、1922年までに南部26県がアイルランド自由国として独立。北部6県は北アイルランドとなり英国の一部として残ったが、こちらでも「解放運動」が現代に至るまで活発に紛争を起こしている。
ブルターニュ: フランス北西部の半島。伝説上の初代君主は4世紀に遡る。カール大帝の没する頃には既に王国とみなされていた。874-937年にかけてニ次にわたりヴァイキング(ノルマン人)の侵攻を受けるが936年に公国として復活。8~11世紀のキャンペーンシナリオではだいたい赤(ヴァイキング/ノルマン人)に占拠されている。百年戦争など周辺諸国の争いに翻弄されつつも強かに立ち回って独立を維持。1532年にフランス王国に併合されて州となった後も経済的繁栄を享受した。
