全盛期を終えたスタンプの分配金
LINEスタンプ分配金を安定的に確保するためには「スタンプを創り続けること」と繰り返し書いてきました。
新作スタンプをリリースすると、その直後に売り上げのピークを迎えるので、確かに「創り続ける」ことで分配金の収入を継続的に得ることができます。
では、販売開始から一定期間経過したスタンプは、どれくらいの分配金を得ているのでしょうか?
どうしても新作のスタンプの分配金に目が行きがちになりますが、今回は全盛期を終えたスタンプの分配金に着目します。
最近の分配金推移
最近の分配金推移を見ると、ほぼ一定額で停滞しています。
毎週2個ずつ新作をリリースし、月当たり8個以上のスタンプをリリースしているにも拘らず、分配金は変動なしです。
なぜ????

この記事で解明したいことは、
これまでに蓄積された新作以外の大量のスタンプは分配金の獲得に貢献できていないのか?
という疑問です。
これが明らかになったら、ラインスタンプ分配金の安定確保に役立つかもしれません。

スタンプ分配金推移の典型例
スタンプをリリースすると、その直後に大きな分配金が入ってきます。
そして数か月で分配金が低下し、6か月後のプレミアム対象になった後、再び分配金が増えます。
実際の例を見てください。

このスタンプは販売開始時のピークが5万円程度の「かなり売れた」スタンプですが、翌月から大幅に低下し、6か月経過後にはあまり売れなくなりました。
その後、プレミアムの対象になったことで3~4か月で再び6万円のピークを迎えます。そして約1年後、全盛期を終え、分配金は底をうちます。
別の例を見てください。

この例は、販売開始時のピークが2千円程度の「そこそこ売れた」スタンプの例です。ピークの値は違いますが、ほぼ同じような傾向がみられます。
さらにもう一つ、別の例を見てください。

これは、ラインスタンププレミアムというサービスがなかったころに販売開始した「あまり売れなかった」スタンプの分配金の推移です。
ピーク値自体が小さく、プレミアムがなかったのでかなり傾向は異なりますが、年月を経て分配金が下がっていきます。
ぱっと見「売れている」ように見えますが、このグラフは他のグラフと縦軸がかなり違うので、上の2つの例でもグラフを拡大するとこれくらいの変動があります。
このようにスタンプによって傾向は微妙に異なりますが、多くのスタンプは、販売開始から1.5年間程度(※これを「全盛期」と書きます)を経過後、大幅に分配金が下がります(※これを「余生期」と書きます)。
では、スタンプの「余生期」の分配金はどれ程のものなのでしょうか?
今回は、全盛期を終えたスタンプの分配金に光を当てることにします。

この分析結果は、「新作スタンプをリリースするのをやめた場合、どれくらいの分配金が期待できるか」(不労所得の期待値)を問うことに相当します。

「余生期」の分配金推移
スタンプの分配金データから、そのスタンプの「全盛期」(販売開始年月~1.5年間(18カ月))のデータを除去して、スタンプの分配金を集計しました。

なかなか興味深いグラフになりました。
棒グラフが各月の分配金の金額です。ただし、繰り返しになりますが、各スタンプの販売開始年月~1.5年間(18カ月;全盛期)のデータは除去してありますので、この数字は、スタンプの「余生期」の分配金だけを集計したものとなります。
最近の金額を見ると約50,000円です。最近の分配金の総額は約20万円なので、約75%は「全盛期」のスタンプ、約25%は「余生期」のスタンプが稼いでいるということがわかりました。
赤い折れ線グラフは、その分配金の獲得に寄与したスタンプの数です。
新作スタンプをリリースし続けているので、分配金の獲得に寄与するスタンプの数も増えていきます。
今現在販売中のスタンプの数は約350です。その内、250以上のスタンプがいくらかの分配金を得ているということです。
つまり「余生期」のスタンプも分配金の獲得に貢献しているということです。
ちょっとびっくりの結果でした。
想定では、新作リリースあるいは比較的新しいスタンプだけが稼いでいて、古いスタンプはほとんど分配金に寄与していないと思っていました。
以上から、以下の結論が導かれます。
「全盛期」のスタンプが分配金の約75%を稼ぎ、「余生期」のスタンプが分配金の約25%を稼いでいる。

その分配金は、単体販売?それともプレミアム?
そうなってくると、気になるのが、「余生期」の分配金が単体販売によるものなのか、プレミアムによるものか?ということです。
内訳を調べてみました。

集計期間全体における単体販売からの分配金の総額は約112万円、プレミアムの分配金の総額は約96万円となりました。総額では単体販売からの分配金が多いですが、グラフの傾向をみると、今後はプレミアムの分配金が増えていきそうです。
次に分配金に寄与したスタンプの数を見てみました。

プレミアムが始まってしばらくの間は、プレミアムの分配金に寄与したスタンプ数は少なかったようですが、すでに逆転しています。
今後はプレミアムからの分配金が主流になることを裏付ける結果となりました。
次に、単体販売のみ、プレミアムのみのデータを、より詳細に見てみましょう。
単体販売のみ

新作スタンプをリリースし続けているので、分配金に寄与するスタンプの数(折れ線グラフ)も順調に伸びています。
そして、2021年6月あたりに特異なピークがあります。
これは、他の記事でも書いている「ある日突然古いスタンプが売れ出した」ことによるものです。原因は今でもよくわかりません。
詳しくは以下の記事で書いています。
上記の急激な伸びは特異点だと思いますが、分配金に寄与するスタンプの数が伸びて、分配金の総額も伸びていることがわかります。
プレミアムのみ

プレミアムの方も、分配金に寄与するスタンプの数は順調に増えています。新作をリリースしたら、それが分配金として戻ってくる、という効果がよくわかります。
プレミアムの分配金は2024年ごろから急激に伸びてきています。
これはおそらくLINEさんによるプレミアムユーザー獲得のためのキャンペーンの効果ではないでしょうか。
プレミアムユーザー数もかなり増えているようですので、それによって分配金が増えている可能性があります。
そして、ここ半年くらいピークを打って下がってきました(泣)。
キャンペーンの効果が消えてきた!ということかもしれません。要注意ですね!(ドキドキ)

スタンプ別にみるとどうなっているのか?
販売開始1.5年後以降の単体販売とプレミアム分配金の額が、スタンプ別に見たらどんな分布をしているのか見てみました。

かなりのばらつきです。特に関係性はなさそうです。単体販売に強いスタンプもいれば、プレミアムに強いスタンプもいる、そして一つだけ、どちらにも強いスタンプ(右上のプロット)がいる!!
どちらにも強いスタンプってどんなスタンプ?って気になりますよね。
これです!!
ここでふと気が付きました。
プレミアム分配金が0円のスタンプの数が結構あります。
なんでだろう??と思いましたが、すぐに気が付きました。
・「あけおめスタンプ」など年末年始しか売り出さないスタンプ。再販する場合はスタンプIDが変更になるので、プレミアムは必然的に0円になる。
・同様に「猫特集」など、特集期間が終わったら値下げ(250円→120円)して販売しているスタンプ。これもスタンプIDが変わるのでプレミアムは0円になります。
・さらに、不具合を見つけてリリースしなおしたもの、色合いを変えてマイナーチェンジで出したもの等が該当します。
・あとは、海外向けのスタンプもプレミアムの対象外ですね。
そのような「必然的にプレミアムが0円になる」スタンプを除外して、「余生期」の分配金に寄与できるスタンプの数を調べたら、下のような感じになりました(ざっと調査したので若干数が違うかも)。

①は分配金の通知のあったスタンプの数(すでに販売停止しているものも含む)、②はLINEストアで確認した「販売中」の数(いま販売している数)、③は②のうちまだプレミアム対象になっていない比較的最近のスタンプを除外した数、そして④がプレミアムの分配金通知があったレコード数です。
③に対する④の比率は、約94%となりました。
つまり、ほぼすべてのスタンプがプレミアムから「いくらかの分配金を得ている」ということです。
次にここから「全盛期」のスタンプのデータを除外することで、「余生期」における分配金に寄与するスタンプの数を抽出しました。
⑤は、②の販売中のスタンプ数から、販売開始後1.5年を経過していないスタンプの数(すなわち「全盛期」のスタンプの数)を除外しました。
そして⑥は「余生期」において単体販売のあったスタンプの数です。ほぼすべてのスタンプが「余生期」においても売れています(びっくり)。
⑦は「余生期」においてプレミアム分配金のあったスタンプの数です。約83%のスタンプがプレミアムでも利用されていることがわかりました。
「余生期」だからといって、まったく分配金に寄与しないわけではない。
ということが明らかになりました。

スタンプ毎の分配金のばらつきはどれくらい?
では、スタンプ毎に見た場合の、「余生期」の分配金の金額はどれくらいの金額なのでしょうか?
各スタンプ毎の分配金に関して、単体販売、プレミアム別にヒストグラムを見てみました。
※いずれのヒストグラムにおいても「0円」のスタンプは除外しています。理由は上で書いた通り「必然的に0円」となるスタンプがあるためです。
単体販売

上のグラフ(ヒストグラム)の横軸は500円刻みです。
そして右端の数字が極端に大きいため、全体の1%は例外値としてまとめて表示しています。
見ていただくとわかるに、ほとんどのスタンプは500円以下です。
分配金に寄与してはいるものの、その額は「わずか」ということがわかりました。
最大値は、57,219円。つまり一つのスタンプで、500円以下の分配金しかないスタンプ110個以上の稼ぎを得ているわけです。
プレミアム

プレミアムのヒストグラムは、単体販売より更に極端な分布になりました。
大半が500円以下の分配金で、最大値は77,237円です。1つのスタンプが154個のスタンプ以上の分配金を稼いでいます。
以上のことから言えることは
「余生期」のスタンプは無力ではないが、限りなく戦力にはならない。
スタースタンプが生まれるのを待つしかない。
そのためにたくさんのスタンプを生み出すしかない。
ということかと思います。

「全盛期」と「余生期」で分配金はどれくらい違うのか?
次に気になったのは、スタンプのライフサイクルで見たときの「全盛期」と「余生期」の分配金にどのような関係があるのか?ということです。
「明らかになったこと(その1)」で書いた通り、月々の分配金でみると
『「全盛期」のスタンプが分配金の約75%を稼ぎ、「余生期」のスタンプが分配金の約25%を稼いでいる。』
なのですが、スタンプ毎にみたら、どんな比率になっているのでしょうか?
単体販売

横軸がスタンプ毎の「生涯収入」(つまり、「全盛期」と「余生期」を合わせた分配金の総額)です。縦軸は「余生期」の分配金です。
何となく、生涯を通じて稼ぐスタンプは、「余生期」においてもたくさん稼いでいるように見えます。
プレミアム
プレミアムからの分配金に関しても見てみました。

こちらはかなりばらつきました。
「全盛期」のプレミアム分配金が極端に大きいスタンプ2つ(右の2つ)、「余生期」に入ってから大きく伸びたスタンプ2つ(上の2つ)が目立ちますが、それ以外はゴチャッとしてよくわかりません。

もっとわかりやすく統計処理をしましょう。
ここで見るべきは、「総分配額に占める「余生期」の分配金の比率」ですので、この指標をヒストグラムにしてみました。
単体販売

大半のスタンプが5%以下、10%以下ということがわかります。
これを例えると、退職後の給与が現役の5%以下になるということです。スタンプ人生、終わってますね。泣
一方、50%以上を確保しているスタンプもあります。生涯現役タイプのスタンプですね。笑
プレミアム

プレミアムになると様子が変わります。
100%のものが結構な数になります。つまり、「全盛期」には全く使われず、1.5年後以降の「余生期」になって初めて使われるスタンプです。大器晩成型のスタンプですね。笑
それ以外は、5%以下から95%程度まで、広く分布していることがわかります。プレミアムの対象になるのが販売開始から半年後以降ということを考えると、妥当な結果になっているように思います。
比率でみるとこのような結果になるわけですが、ポイントは
「総額が大きく、かつ「余生期」の分配金比率が大きい」スタンプを創ること。
です。それができたら「不労所得」に近い状態を創り出せるはずです。
安月給の生涯現役スタンプではだめです。
高給取りの生涯現役スタンプを目指さなければなりません。
でも、どうやって?
そのヒントは、上記の「生涯収入」vs「余生期の収入」グラフの右上にプロットされたスタンプにあるはず!
もちろん、どのスタンプなのか見てみました。
でも、無料記事で書くのはやめておきます。
またのお楽しみ♪

おわりに
今回は、「販売開始から一定期間経過したスタンプは、どれくらいの分配金を得ているのでしょうか?」という疑問から、全盛期を終えたスタンプの分配金に着目して分析してみました。
クリエイターの皆様にとって、少しは参考になりましたでしょうか?
ひとつだけ確かなことは、「ラインスタンプを創ったら不労所得を得られる」というのは幻想だということです。
これからもスタンプを創り続けていきましょう!
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