今日もお江戸は日本晴れ! 序幕 蒼穹に舞う蝶、回る風車
蒼穹《そうきゅう》の下。黄色い蝶が飛ぶ。
人々で賑《にぎ》わう町をゆく。
やがて蝶は見つける。
裾を上げた桜色の着物の、勝ち気そうな娘。
楽しそうに歩いていた彼女は振り返り、自分に近づく蝶に目を細める。
蝶は彼女の周りを飛び回り、離れ──。
彼女も蝶を目線で追い──首を戻そうとし、
空に太陽。
赤い風車《かざぐるま》。それをもてあそび、青い着物の少年は吐息ひとつ。目の前の清物棚に突っ伏す。
暖簾《のれん》をはためかせる風が、彼の柔らかな前髪を撫でる。ぎこちなく回る風車。
長い睫《まつげ》を震わせ、顔を上げ、店内に迷い込んできた客を眺める。導かれるように客──蝶は、少年のもとへ飛んでくる。淡い黄。
懐かしげに少年は手を伸ばす。
▼次回▼
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