【実例あり】投資のリスク許容度は「トータル資産」で考える
スマホの証券アプリを開いて、毎日の評価損益の増減に一喜一憂していませんか?
相場が荒れると「もっと現金を増やした方がいいのかな」と不安になることもあると思います。
かつての「投資方針が固まる前の私」がまさにそうでした。😅
でも、少し立ち止まって考えてみましょう。
その投資の「リスク」や「資産配分」、無意識に「証券口座の中のお金」だけで計算していませんか?
サイドFIREという働き方にシフトした今、私は「本当のリスク許容度は、スマホの画面の中だけでは測れない」と実感しています。
私たちの生活を支えているのは、金融資産だけではありません。
仕事からの収入(人的資本)や、住居費を極小化してくれる持ち家なども含めた「人生のトータル資産」で俯瞰して初めて、自分が取れる本当のリスクが見えてきます。
今回は証券口座の枠組みから視点を引き上げ、働き方や固定資産を含めた「本当のアセットアロケーション」についてお話しします。
相場に揺さぶられず、どっしり構えて投資を続けるヒントになれば嬉しいです。
1. 投資の成果を決めるのは「銘柄」ではなく「資産配分」

投資を始めると、どうしても「どの銘柄が上がるか」「A社の株とB社の投資信託、どちらを買うべきか」といったことに目が行きがちですよね。
SNSなどでも、こういった銘柄選びの話題は常に盛り上がっています。
しかし、投資の世界でよく言われている重要な事実があります。
それは、「長期的な投資パフォーマンスの大部分は、個別の銘柄選びではなく『アセットアロケーション(資産配分)』で決まる」ということです。
アセットアロケーションとは、「リスク資産(株式など)」と「無リスク資産(現金など)」を、自分にとってどのくらいの割合で保有するかを決める、大枠の戦略のことです。
極端な話、「現金50%、オルカン(全世界株式)50%」という資産配分のルールさえしっかり守れていれば、選んだ銘柄に多少のブレがあっても、全体のリスクとリターンは想定内に収まりやすくなります。
逆に、どんなに優秀な銘柄を見つけたとしても、手元の現金をすべてつぎ込んでしまえば、少しの暴落で立ち直れないほどのダメージを受けてしまいます。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、証券口座に並ぶ個別の銘柄(木)ばかりを気にして、資産全体のリスクと安全資産のバランス(森)を見失ってしまうのはとても危険です。
そして、ここからが本題です。
アセットアロケーションを考えるとき、多くの方は「証券口座や銀行口座にある金融資産」だけをその『森』だと捉えています。
しかし、人生という単位で考えたとき、あなたが持っている『森』はもっと広く、強固なはずなのです。
2. 働き続けるという最強の防御力(人的資本)

投資の世界を少し離れて、私たち自身の「働く力(人的資本)」について考えてみましょう。
たとえば会社員として毎月決まったお給料をもらっている状態は、投資の視点から見るとどういうことでしょうか。
それは、毎月確実に利子を生み出してくれる「超優良な債券(無リスク資産)」をたっぷりと保有しているのと同じ状態です。
仮に、手取りで年間300万円の収入があるとします。
もしこれを配当利回り3%の金融資産だけで生み出そうとすると、1億円もの元本が必要です。
つまり、健康で働き続けているというだけで、実は「1億円の安全資産」を持っているのと同じくらい、強力なキャッシュフロー(防御力)を生み出していることになるのです。
私のように会社員を卒業してサイドFIREに移行した場合でも、この考え方は同じです。
完全にリタイアして金融資産を切り崩すだけの生活ではなく、自分のペースで仕事を続け、事業収入を得ていくスタイルであれば、この強固な防御壁はしっかりと機能し続けます。
この「働くことで得られる継続的な収入」という巨大な無リスク資産がバックにあるからこそ、私たちは証券口座の中にある金融資産で、少し思い切ってアクセルを踏む(リスク資産の割合を高めにする)ことができます。
「給料や事業収入があるから、仮に株価が暴落して資産が半分になっても、明日すぐに生活に行き詰まるわけではない」
この事実こそが、相場が荒れたときでも狼狽売りせずに長期投資を続けられる、最大のメンタルの支えになります。
証券口座の数字だけを見るとハイリスクに見えても、この「働き続ける力(人的資本)」をトータル資産に組み込んで考えてみれば、実はとても安全運転をしていると言えるのです。
3. 盲点!ローンなしの「自宅」は立派な無リスク資産

投資の教科書を開くと、「無リスク資産」として紹介されているのは現金や国債などです。
しかし、私たちの実生活において、これらと同等、あるいはそれ以上に強力な防具として機能するものがあります。
それは「ローンがない持ち家(固定資産)」です。
私自身、以前に一戸建てを現金で購入し、現在は住宅ローンがない状態で生活しているのですが、この「毎月の住居費の負担が極めて少ない」という事実は、日々の生活において絶大な安心感をもたらしてくれます。
家賃や住宅ローンは、家計における最大の固定費です。
どんなに収入が減っても、株価が大暴落して資産が目減りしても、住む場所の維持費は容赦なく毎月かかってきます。
しかし、ローンなしや完済済みの自宅があれば、この巨大な固定費を極小化することができます。
家賃高騰のリスクも、将来的に賃貸契約が更新できなくなる不安もありません。
これは見方を変えれば、不動産という形をした「巨大な安全資産」を保有しているのと同じ状態です。
もし手元に多額の現金があったとしても、毎月高い家賃を払い続けていれば、生活基盤には常にリスクが伴います。
逆に、証券口座の現金比率が低かったとしても、ローンのない自宅があれば、生活が根底から破綻するリスクは極めて低く抑えられます。
資産としての流動性こそ低いものの、ご自身の本当のリスク許容度を測る際には、この「ローンなしの自宅(固定資産)」の価値を、立派な無リスク資産としてトータル資産の円グラフに組み込んで考えるべきではないでしょうか。
4. 【私の実例】リスク資産95%…でも実は「半々」だった

ここで、私自身のポートフォリオを例に挙げてみたいと思います。
実は、私の証券口座の画面だけを見ると、オルカン(全世界株式)などのリスク資産が全体の90〜95%を占めています。
一般的な投資のセオリーからすれば、「その配分は危険すぎる!」「現金比率が低すぎる」と怒られてしまうような、超・攻撃的な「ほぼフルインベストメント」状態です。

しかし、ここで先ほどの「トータル資産」の考え方が登場します。
証券口座という狭い枠組みを取り払い、現在の生活基盤となっている「ローンなしの自宅」の価値を『無リスク資産(あるいは極めて安全な固定資産)』として計算式に組み込んでみました。
するとどうでしょう。
一見するとリスク資産95%という極端なバランスだったものが、人生全体の資産で円グラフを作り直してみると、見事に「リスク資産:無リスク資産 = ほぼ50:50」という、非常に手堅い黄金比に収まったのです。
私が日々の株価の乱高下に一喜一憂せず、相場が暴落しても平気な顔でいられる理由はここにあります。
仮に金融ショックが起きて証券口座の数字が一時的に大きく減ったとしても、私のトータル資産全体から見ればダメージは限定的です。
家賃の心配がなく絶対に追い出されない住む場所(無リスク資産)がしっかりと根を張っており、さらに日々の生活を支える事業収入(人的資本)もあるからです。
かなり極端な例ではありますが、この強固な土台(安全圏)が人生の半分を占めているとわかっているからこそ、金融資産のほうでは思い切ってリスクを取り、長期的なリターンを追求し続けることができるのです。
💡もちろん、賃貸派の方やローン返済中の方であれば、現金や債券を厚めに持った安全な資産配分を心がけるべきです。
表面的な数字だけを見て「自分はリスクを取りすぎているのではないか」と不安になる前に、ぜひ一度、大きな視点で自分の資産の全体像を捉え直してみてください。
まとめ:あなたの「本当の資産配分」を計算してみよう

ここまで、証券口座の枠組みを超えた「人生のトータル資産」で考えるアセットアロケーションについてお話ししてきました。
株価が大きく変動すると、どうしてもスマホの画面に表示される数字ばかりに目が行き、不安になってしまうものです。
しかし、あなたにはこれまで築き上げてきた「働き続ける力(人的資本)」があり、毎月の生活を静かに守ってくれる「住居(固定資産)」があるかもしれません。
それらをすべてテーブルの上に並べて俯瞰してみると、あなたが思っている以上に、ご自身の資産の土台は頑丈で、リスクに対する強力なクッションを備えていることに気づくはずです。
投資の本来の目的は、日々の値動きにハラハラすることではなく、将来の安心と自由を手に入れることです。
表面的な数字に振り回されて、本来なら取れるはずの適切なリスクを避けてしまったり、パニックになって狼狽売りしてしまっては本末転倒ですよね。
この週末、お気に入りのコーヒーでも淹れて、ご自身の「本当のアセットアロケーション」をざっくりと計算してみてはいかがでしょうか。
我が家でも猫がのんびりと昼寝をしている横で、たまにこうやって自分の「本当の立ち位置」を再確認しては、静かに安心感を取り戻しています。
あなたの投資ライフが、よりどっしりと構えられた、心穏やかなものになることを応援しています。

