「なんで?」に理由で返すと、こじれることがある
「なんで言ってくれなかったの?」
そう言われた瞬間、
頭の中で理由を探しはじめることがある。
いや、まだ決まっていなかったから。
先に確認してから言おうと思っていたから。
変に心配させたくなかったから。
こちらとしては、
ちゃんと説明しようとしている。
けれど、なぜか空気がやわらがない。
むしろ、少しこじれていく。
そのたびに思う。
あれ。
私は理由を聞かれたから、
理由を答えたつもりだったのに。
*
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今日は、
「なんで?」という言葉について、
少し考えてみたいと思います。
「なんで?」は、理由を聞く言葉とは限らない
「なんで?」は、疑問文です。
だから言われた側は、
つい理由を答えようとします。
なんで言ってくれなかったの?
なんでそんなことしたの?
なんで今なの?
なんでそうなるの?
そう聞かれたら、
「なぜそうなったのか」を説明しなきゃ、と思う。
でも、会話の中の「なんで?」は、
いつも本当に理由を知りたい言葉とは限らない気がします。
もちろん、
すべての「なんで?」が責めているわけではありません。
本当に理由を知りたい「なんで?」もある。
状況を確認したいだけの「なんで?」もある。
でも、言い方や空気によっては、
そこに憤りや不安や寂しさが混ざっていることがある。
疑問文の形をしているけれど、
中身は、感情の反応に近い。
「どうして?」というより、
「それは嫌だった」
「置いていかれた感じがした」
「軽く扱われた気がした」
「不安になった」
「納得できない」
そういう気持ちが、
質問の形を借りて出ていることがあるのだと思います。
理由で返したのに、言い訳に聞こえてしまう
ここが難しいところです。
こちらは、理由を聞かれたと思っている。
だから、経緯を説明する。
でも相手の中で本当に動いていたのが、
「理由を知りたい」ではなく、
「この気持ちを受け取ってほしい」だった場合。
こちらの説明は、
相手にはこう聞こえてしまうことがある。
言い訳している。
正当化している。
私の気持ちには触れてくれない。
だから、
説明すればするほど、こじれる。
こちらは火を消すつもりで話しているのに、
相手には燃料を足されたように感じられてしまう。
たぶん、そこで起きているのは、
「理由のやりとり」ではないのだと思います。
感情を受け取ってほしい人と、
説明しなきゃと思った人のすれ違い。
このズレがあるから、
「なんで?」に理由で返すと、
なぜか苦しくなることがある。
まず受け取るのは、理由ではなく反応かもしれない
では、どうすればいいのか。
正直に言うと、
これはきれいな手順にできる話ではない気がします。
相手が本当に理由を聞いているのか。
それとも、感情の反応として「なんで?」と言っているのか。
それは、言葉だけでは完全にはわからない。
声の強さ。
タイミング。
表情。
その前後の流れ。
相手との関係性。
そういう空気のようなものも含めて、
こちらは受け取っている。
だから、
「こう言われたら、必ずこう返せばいい」
とは言い切れない。
ただ、ひとつ選択肢として持っておきたいのは、
すぐに理由を述べない、ということです。
たとえば、
「なんで言ってくれなかったの?」
と言われたときに、すぐ、
「いや、それはまだ決まってなかったからで……」
と返す前に、
「先に言ってほしかったよね」
「不安にさせたかもしれないね」
「そこ、嫌な感じにさせたかもしれない」
と、相手の反応を一度受け取る。
そのあとで、
「経緯を話すとね」
と説明する。
理由を話さない、ということではありません。
順番を変える。
説明の前に、
相手の中で何が起きたのかを一度見る。
たぶん、それだけで、
会話の空気が少し変わることがある。
「答えなきゃ」から少し離れる
責任感が強い人ほど、
「なんで?」と言われた瞬間に、
答えなきゃ、と思いやすいのかもしれません。
ちゃんと説明しなきゃ。
早く誤解を解かなきゃ。
正しい理由を言わなきゃ。
そうやって、すぐに頭が動きはじめる。
でも、相手の「なんで?」が、
理由を求めている言葉ではなく、
感情の反応だったとしたら。
そこで必要なのは、
完璧な説明ではなく、
まず「反応が起きたこと」を受け取ることなのかもしれない。
もちろん、
受け取ることと、全部背負うことは違います。
相手が嫌な気持ちになったからといって、
すべて自分が悪いとは限らない。
相手の感情を受け取ることと、
自分を責めることも違う。
ここを混ぜてしまうと、
今度はこちらが苦しくなる。
相手の反応と、自分の責任を分ける
「なんで?」と言われたとき、
すぐに答えを出さなくてもいい。
まず心の中で、こう置いてみる。
これは、理由を聞かれているのかもしれない。
でも、相手の中で何かが反応しているだけかもしれない。
そう思うだけで、
いきなり説明席に座らなくて済む。
答える前に、
一拍だけ、相手の感情と自分の責任を分ける。
相手が嫌な気持ちになったことは受け取る。
でも、それを全部「私のせい」にしなくていい。
この一拍があるだけで、
返事の仕方は少し変わる。
だから、こう言い換えてもいいのかもしれません。
「私は悪かった」と決める前に、
「相手にはそう感じられたんだな」と受け取る。
そのうえで、
必要な事情は落ち着いて話す。
この順番が、
理由説明を言い訳にしないための、
小さな一手になる気がします。
「なんで?」の奥を見る
「なんで?」は、便利な言葉です。
でも、ときどき、
理由を聞くふりをして、
感情が前に出ていることがある。
言う側も、たぶん無意識です。
言われる側も、つい文字どおりに受け取ってしまう。
だからこそ、
「なんで?」と聞かれたときに、
すぐ理由を探しにいく前に、
一拍だけ置いてみる。
これは本当に、理由を聞かれているのだろうか。
それとも、相手の中で何かが反応しているのだろうか。
そう考える余白があるだけで、
会話の入り口は少し変わる。
理由を答える前に、
反応を受け取る。
それは、
相手に負けることでも、
自分の非を全部認めることでもない。
ただ、
言葉の形だけではなく、
その奥にある温度を見ようとすること。
「なんで?」に理由で返すと、
こじれることがある。
だから、すぐに説明しなくてもいい。
まずは、
その「なんで?」の奥で何が動いているのかを、
少しだけ見にいく。
それだけで、
守れる会話があるのかもしれません。
もしどこかひとつでも引っかかったら、スキだけ置いていってもらえると嬉しいです。
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▼合わせて読みたい
「なんで?」と聞かれたとき、
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そんな感覚があるなら、
こちらの記事も近いところにあります。
「なぜ?」と聞かれると、
ただ理由を探すだけではなく、
“正しい答えを出さなきゃ”という緊張まで走ってしまう。
そのしんどさについて書いた記事です。
もうひとつは、
相手の不機嫌や愚痴っぽさを、
すぐ“対応案件”にしてしまう人へ。
相手の感情が強いときほど、
すぐ返すことが正解とは限らない。
「なんとかしなきゃ」と反応してしまう癖を、
少し外から見たいときに読んでもらえたら嬉しいです。
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