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プロンプトを入力するだけで、誰でも簡単に30分で作れる認知的ヒューマン・デジタルツイン(人の行動を行列化し、望ましい行動を支援するセバスチャンシステムの生成) ~生物への応用編~

ご覧いただきありがとうございます。本テーマで第4回目になります。

第1回の記事では、認知的ヒューマン・デジタルツイン(セバスシステムズ)の作成方法、活用方法について紹介しました。
この中では、作成用プロンプトの紹介、自己実現・社員教育・新商品開発などへの活用方法を紹介しました。
まずは使ってみたいという方はこちらの記事をご覧になってください。

プロンプトを入力するだけで、誰でも簡単に30分で作れる認知的ヒューマン・デジタルツイン(人の行動を行列化し、望ましい行動を支援するセバスチャンシステムの生成)|k2



第2回では、構造編としまして、セバスシステムズの各マトリックスの内部構造、セバスシステムズ VS DeepResearchの性能比較について紹介しました。通常の生成AI(DeepResearch)と比較して、どのような有意性があるか検証した内容です。

プロンプトを入力するだけで、誰でも簡単に30分で作れる認知的ヒューマン・デジタルツイン(人の行動を行列化し、望ましい行動を支援するセバスチャンシステムの生成) ~構造編~|k2


第3回では、精度分析編としまして、セバスシステムズの静的システムの精度の限界と動的システムによる精度向上の可能性について紹介しました。さらなる差別化の可能性について検討した内容です。

プロンプトを入力するだけで、誰でも簡単に30分で作れる認知的ヒューマン・デジタルツイン(人の行動を行列化し、望ましい行動を支援するセバスチャンシステムの生成) ~精度分析編~|k2


はじめに

今回は、対象物を人ではなく、昆虫や動物とした場合に、セバスシステムズを生態の構造解明・メカニズム分析へ活用できないかその可能性について紹介するものです。

本セバスシステムズは、刺激ー行動変換システムであり、ゴキブリなどの昆虫や熊などの動物の刺激ー行動変換システムを作成することもパブリックAIでできます。

従来の古典的なアプローチ(伝統的な行動学(Ethology))は、自然環境下での豊かな観察や定性的な記述から始まり、「何が起こるか」という現象の把握には優れていました。
しかし、その「どのように(メカニズム)」を構造的に説明する手段は限られていました。

近年は、脳、身体、環境の相互作用をモデル化する「計算論的神経倫理学(Computational Neuroethology)」という分野が登場し、単なる観察を超えて、神経回路がどのように感覚情報を処理し、運動指令へと変換するかを構造的に理解しようとする試みが始まっています。

本セバスシステムズは行動原理の構造化、およびそのメカニズムの把握(固有値分解等)ができ、生命の基本原理(生存戦略や進化の論理)を解き明かすという現代科学の最前線の考え方と一致するものと考えられます。
従来は「気まぐれ」や「本能」の一言で片付けられていた昆虫の挙動の中に、高度に最適化された生存アルゴリズム(正則行列としての安定性や、特定の刺激への鋭敏な反応性など)という新たな発見が見つかる可能性があると考えられます。
(とは言え、長い歴史の中で、多くの先人たちが行動観察の研究活動で得た知見を、構造的にメカニズムが容易にわかるようにまとめ上げただけのものとも言え、これらの研究活動データあってのものです)

使い方としては、本セバスシステムズを利用した構造解析によりまず仮説を立てる ⇒ 次に実験・観察等で仮説を検証する、の順になると考えます。

対象者=ゴキブリの設定例

対象者を人間から動物・昆虫に変更する場合、Geminiによると、マトリックスの中身は「心理・価値観」から「生物学的本能・反射・習性(エソロジー)」や「学習された条件付け」に置き換わるとのことです。

対象者を「ゴキブリ」に設定した場合は以下のようになりました。

ゴキブリのマトリックスの特性

ゴキブリ(対象者)を生存本能と反射のマトリックスで表現します。そのマトリックスの特性は以下のようになります。

  • 第1段階(感覚受容): 触角による気流・フェロモン検知、光検知。

  • 第2段階(反射・判断): 負の走光性(暗がりへ)、正の走触性(狭い隙間へ)、危険回避(逃走)。

  • 第3段階(行動): 高速移動、停止、摂食、繁殖。

この特徴は、思考ではなく、極めて高速な電気信号的な「反射回路」としてモデル化されることです。

ゴキブリのデジタルツインの活用例

このモデルの活用方法としては、Geminiより以下が考えられるとのことです。

① 「サイボーグ昆虫」による災害救助・狭所探索システム

  • 活用: 生きているゴキブリの背中に電極回路を搭載し、人間の制御信号(入力u)をゴキブリの神経系マトリックスに直接介入させる。

  • 仕組み: 本来なら「右の触角に刺激(入力)」があると「壁がある」と判断して「左に曲がる(出力)」という反射マトリックスを持つ。これをハックし、災害現場の瓦礫の下など、ロボットが入れない場所に誘導し、搭載カメラやセンサーで生存者を捜索させる。

② 「耐性獲得」を逆手に取った、完全駆除用ベイト剤の開発

  • 活用: 従来の毒餌(入力)を食べなくなった個体の「味覚マトリックス(糖分を苦味として知覚する変異など)」を解析する。

  • 仕組み: 「甘い匂い(入力)」→「接近(出力)」までは正常だが、「食べる(入力)」→「不快・危険(認知)」→「吐き出す(出力)」となっているマトリックスを特定。この「不快フィルタ」をバイパスする、あるいは「不快」と感じない別の栄養素をベースにした新しい毒餌(入力)を設計し、巣ごと壊滅させる。

③ ロボット工学への応用(バイオミメティクス)

  • 活用:  ゴキブリの悪路走破能力を数理モデル化し、転倒しないロボットを作る。

  • 仕組み: 「凸凹の地面(環境入力)」に対して、脳で考えずに脚のバネだけで姿勢を安定させる「機械的な反射マトリックス」を持っている。この入出力関係(物理モデル)を四足歩行ロボットの制御プログラムにコピーし、計算負荷をかけずにどんな悪路でも高速移動できるロボットを開発する。

④ フェロモン・ハッキングによる「集合・隔離」誘導

  • 活用:  殺虫剤を使わずに、特定のエリアからゴキブリを退去させる、または一箇所に集める。

  • 仕組み: 「集合フェロモン(入力)」が「安心感・停留(出力)」に変換されるマトリックスを利用。人工合成したフェロモンを特定の場所に配置し、飲食店などで「客席には絶対に来ず、トラップの中だけに集まる」ような見えない結界を作る。

対象者=熊の設定例

対象者を「熊」に設定した場合は以下のようになりました。

熊の特徴を表すと、高い学習能力と執着のマトリックスになるとのことです。

熊のマトリックスの特性

そのマトリックスの特性は以下のようになります。

  • 第1段階(知覚): 嗅覚(極めて鋭敏)、聴覚、視覚。

  • 第2段階(学習・記憶): 「人間=怖い」or「人間=美味しい餌をくれる弱い存在」という過去の経験による重み付け。

  • 第3段階(行動): 襲撃、威嚇、無視、逃走。

この特徴は、個体差が激しく、「学習」によってマトリックスが動的に書き換わる(人馴れする)点が重要とのことです。

熊のデジタルツインの活用例

このモデルの活用方法としては、Geminiより以下が考えられるとのことです。

①AI搭載「スマート追い払い」システム(人獣境界の維持)

  • 活用: 里山に近づく熊に対し、個体ごとに最適な「嫌がる刺激」を与えて学習させる。

  • 仕組み: カメラで熊を認識(入力)。その個体が「大きな音(入力1)」で逃げるか、「光(入力2)」で逃げるか、あるいは「威嚇(出力)」してくる好戦的な個体かをマトリックス判定。

    • 臆病な個体なら → 音で追い払う。

    • 好戦的な個体(人馴れ済み)なら → 痛み(ゴム弾など)や強烈な刺激(唐辛子スプレー)を与え、「人間=危険(マトリックスの書き換え)」を強制的に行い、学習させる。

②「問題個体」の出現予測と先回り対策

  • 活用: 過去の出没データと気象・エサの状況(ブナの実の凶作など)から行動を予測する。

  • 仕組み: 「山のエサ不足(環境入力)」×「この個体の行動範囲・執着心(マトリックス)」=「○月○日にA地区のリンゴ畑に出現する確率90%(出力)」と予測。被害が出る前に電気柵を強化したり、誘引物を撤去したりする「有能な執事」ならぬ「有能な番人」として機能させる。

③動物園・サファリパークでの「ストレス管理と事故防止」

  • 活用: 飼育下の熊の微細な行動(貧乏揺すりや視線の動き)から、次の瞬間の行動を予測する。

  • 仕組み: 飼育員へのじゃれつきが「遊び(入力)」から「捕食モード(出力)」に切り替わる瞬間のマトリックスの変化(瞳孔が開く、筋肉が緊張するなど)を映像解析で検知。「今は檻に入ってはいけない」「機嫌が悪い」と飼育員に警告し、咬傷事故を防ぐ。

④生態系保全のための「種まき」パートナーとしての活用

  • 活用: 熊の移動能力を利用して、森林を再生させる。

  • 仕組み: 熊が好んで食べるが、消化されずに種が排泄される果実(入力)を戦略的に配置。熊の「移動ルート決定マトリックス(安全性×エサの量)」をシミュレーションし、意図的にハゲ山や植生回復が必要なエリアを通るように誘導し、そこでフン(出力=種まき)をさせる。

評価(生成AIによる)

このセバスシステムズを動物・昆虫の生態解明に利用する場合の評価を生成AI(GeminiのDeepResearch)に依頼したところ、以下とのことでした(再掲を含みます)。

  • 本セバスシステムズは、昆虫や動物など他生物の行動の理解において、観察主導から構造的なメカニズム把握への転換を導く技術(道具)として利用できる可能性がある。

  • 従来の古典的なアプローチ、つまり伝統的な行動学(Ethology)は、自然環境下での豊かな観察や定性的な記述から始まった。これらは「何が起こるか」という現象の把握には優れていたが、その「どのように(メカニズム)」を構造的に説明する手段は限られていた。

  • 本セバスシステムズ(多段線形システム)のような手法は、工学分野で「システム同定(System Identification)」と呼ばれるアプローチに近く、刺激に対するシステムの応答を数学的に解析することで内部構造を推定可能。

  • これまでの知見の多くが観察ベースであったのに対し、今回のようなシステム化・構造化によるアプローチは、メカニズムの深い理解に向けた現代的なパラダイムシフト。

  • 他分野でも、近年では、脳、身体、環境の相互作用をモデル化する「計算論的神経倫理学(Computational Neuroethology)」という分野が登場。これは、単なる観察を超えて、神経回路がどのように感覚情報を処理し、運動指令へと変換するかを構造的に理解しようとする試み。

  • DNAやタンパク質も、電子顕微鏡等の道具の発明により、対象物への作用の観察から、構造的メカニズムの把握が可能になって急速な研究発展が生じた。

  • 本セバスシステムズは、昆虫・動物の行動分析の電子顕微鏡的発明となる可能性がある。 

  • 昆虫や動物等の行動の構造解析は、DNAの二重螺旋構造の発見や遺伝暗号の解読と同じ論理的プロセスを辿っている。

  • タンパク質の構造(Structure)がその機能(Function)を決定するように、行動もまた「行動のアーキテクチャ(Behavioral Architecture)」という階層的・モジュール的な構造によって規定されていると考えられている。

  • 構造化を行うことで、以下のような「観察だけでは困難な発見」が可能になる。

  1. 潜在的な行動モチーフの特定: 肉眼では区別できないミリ秒単位の微細な動きのパターン(モチーフ)を数学的に抽出することで、行動の背後にある「文法」や「プログラム」が見えてくる。

  2. 予測と予兆の把握: 例えば、アフリカターコイズキリフィッシュを用いた研究では、一生涯の行動を構造的に追跡することで、若い時期の行動構造からその個体の将来の寿命を正確に予測できることが判明。これは単なる「観察」では到達し得なかった、「構造」が示す予見的特性の発見。

  3. 内部状態の可視化: 外部刺激と行動の間の変換行列(M_2など)をモデル化することで、飢餓や疲労といった直接見ることができない「内部状態(感情や動機付けに相当するもの)」が、どのように行動を制御しているかを定量的に評価できるようになる。

  • 行動をシステムとして構造化することで、生命の基本原理(生存戦略や進化の論理)を解き明かす」という考え方は、現代科学の最前線の考え方。

  • 今回作成したセバスシステムズのようなシステム的な枠組みを用いることで、従来は「気まぐれ」や「本能」の一言で片付けられていた昆虫の挙動の中に、高度に最適化された生存アルゴリズム(正則行列としての安定性や、特定の刺激への鋭敏な反応性など)という新たな発見が見つかる可能性は極めて大きいと言える。

生成AIはこのような評価をしましたが、これは理想像ですね。実際このレベルに達するにはいくつかの壁を越える必要があると思われます。

精度の限界の考察(対象者を昆虫とする場合)

対象者を昆虫(ゴキブリ、バッタ、ショウジョウバエ等)とし、その行動原理に基づく多段線形システムモデルを作成した場合、その静的システムは実際の昆虫の行動の何割をカバーできるかという問いに対する、神経行動学(Neuroethology)、計算生物学、および制御工学の観点からのGeminiのDeepResearchによる考察を紹介します。

  • u_1 : 入力ベクトル(外界からの物理刺激:風速、風向、光強度、化学物質濃度など)。

  • y_m : 出力ベクトル(最終的な行動:逃避角度、跳躍力、歩行速度など)。

  • M_k : 第 k 段階の変換マトリックス。生物学的には、感覚受容体から運動出力に至る神経節やシナプス結合の伝達特性に相当する。

  • 静的(Static)システム: 行列 Mの係数が時間tや内部状態 S に依存せず、定数として扱われるシステム。

昆虫の構造特性

  • ゴキブリの逃避行動を制御する神経回路は、明確な多段構造を持っており、このマトリックスモデルに極めて適合しやすい物理的基盤を持っている。

  • しかし、「ゴキブリという種一般の静的モデル」を作成した場合、実際の行動の分散の約34%しか予測できない。

  • 残りの66%は、モデルでは捉えきれない「ノイズ」や「個体差」、「確率的変動」として現れる。

  • 一方、解析を「個体ごと(Individual animals)」に行い、各個体に固有の回帰係数を算出した場合、R^2 は 0.84 (p < 0.001) まで劇的に向上した。

  • つまり、昆虫の神経系は工場で量産された同一の精密機械ではない。

  • 遺伝的なゆらぎや発育過程での神経配線の微細な違い、あるいは過去の経験(片方の足の微細な怪我など)により、各個体は固有の「変換マトリックス」を持っている。

  • 「個体」にフォーカスすれば、その行動の8割以上は静的な線形関係で説明可能である。これは、ユーザーのシステムが「対象者(個体)ごとのパラメータ調整(キャリブレーション)」機能を備えていれば、極めて高い予測精度を実現できることを生物学的データが保証していることを意味する。

  • 行動に分散があるのは、昆虫が捕食者から生き残るために獲得した**「プロテアン行動(Protean Behavior)」**と呼ばれる戦略にある。

  • 被食者にとって、「行動が完全に予測可能であること」は死を意味する。そのため、昆虫はあえて行動に「確率的なゆらぎ」や「ランダム性」を組み込むように進化した。これをプロテアン行動(変幻自在な行動)と呼ぶ。

  • ゴキブリの逃避方向決定は、複数のGIニューロンによる**「ベクトル加算(Population Vector)」あるいは「協調計算(Collaborative Calculation)」**で行われる。

  • よって、線形代数における「基底ベクトルの線形結合」に非常に近く、「マトリックス演算」の概念が、生物学的実態と高い整合性を持っていることを裏付けている。

  • つまり、マトリックスモデルは生物学的妥当性が高いアプローチであるが、その出力には確率的ノイズが意図的に付加されているというのが正確な理解となる。

  • バッタの視覚システムには、LGMD(Lobula Giant Movement Detector)およびDCMD(Descending Contralateral Movement Detector)と呼ばれる巨大ニューロンが存在する。これらは「衝突検知器」として機能し、その発火パターンは物体の視角とその拡大速度に基づく数理モデルで極めて正確に記述できる。

  • しかし、行動の発現には**閾値(Threshold)**が存在する。線形モデルでは表現困難。

  • また、バッタの跳躍は強力であるため、わずかな重心のズレや足場の滑りが、空中で制御不能な回転(タンブリング)を引き起こし、軌道予測が困難。

  • つまり、バッタの行動において、視覚的な「危険検知」までは静的モデルで高度にカバーできるが、最終的な「跳躍軌道」の予測においては、身体性と環境相互作用によるノイズが支配的となり、カバー率は低下する。

  • 飛行中のハエにとって、姿勢の安定化は生存に直結する課題であり、極めて高速な処理が要求される。この領域において、昆虫はまさに「精密な自動制御機械」として振る舞う。

  • ハエの旋回行動の 93% は、視覚的なオプティックフロー(Optic Flow)から算出される単一のスカラ特徴量によって説明可能。

  • 残りの7%は、外部刺激に依存しない「自発的な(Spontaneous)」行動であり、探索のためにランダムな方向転換を行うプロセスなどが含まれる。

  • しかし、行動のコンテキストが旋回行動のような「反射」から「動機付け行動(Motivated Behavior)」に移ると、静的モデルは破綻する。

  • 昆虫の行動は、空腹、渇き、性欲、覚醒度といった**内部状態(Internal State)**によって劇的に変化する。

  • 例えば、満腹のショウジョウバエ幼虫は特定の匂いを避けるが、空腹になると同じ匂いに誘引される行動へ変化する。これは、空腹シグナル(インスリン低下等)が触角葉の局所回路に作用し、特定の経路のシナプス伝達効率(マトリックスの係数)を反転させるために起こる。そのため、システムが「静的(係数が固定)」であれば、この現象を再現できず、空腹時の行動予測は100%外れることになる。

  • また、求愛行動において、P1ニューロンなどの活性化は、刺激が消えた後も数分間にわたって行動への動機付けを持続させる(ヒステリシス特性)。これは「現在の入力」だけで出力が決まる静的システムの前提を覆すものであり、過去の履歴(メモリ)を持つ動的システム(Dynamical System)への拡張が必要となる。

  • 以上から、飛行姿勢の維持や歩行リズムなど、低次の運動制御においては機械的な予測が極めて有効である(カバー率90%超)。

  • 一方、捕食回避や探索行動においては、**「単純な機械だと思われないこと」**自体が生存戦略(プロテアン行動)になっているため、行動の予測不可能性(エントロピー)が高められている。進化は、昆虫を「予測しやすい静的機械」にするのではなく、「予測しにくい確率的機械」へと導いてきた。

精度考察のまとめ

1.種レベルの汎用モデル(個体差考慮なし)の場合:

  • カバー率:約 30% 〜 40%

  • 理由   : 個体ごとのバイアスや確率的なプロテアン行動が大きなノイズとなり、汎用的なマトリックスでは行動の過半数を予測できない。

2.個体別チューニングを行ったモデルの場合:

  •  カバー率:約 70% 〜 85%

  •  理由   : 個体ごとのパラメータ調整を行うことで、神経配線の癖やバイアスを吸収でき、予測精度は劇的に向上する(R^2 = 0.84)。残りの15%〜30%は、プロテアン行動による本質的なランダム性と、環境要因によるノイズである。

3.特定の反射行動(飛行制御等)に限定した場合:

  •  カバー率:約 90% 〜 95%

  •  理由      : ショウジョウバエのサッカード研究(93%説明可能)が示す通り、生存に直結する高速な姿勢制御行動は、ほぼ決定論的な線形システムとして記述可能である。

精度向上の方法

1.静的マトリックスから「状態依存型動的マトリックス」への拡張

  • マトリックスMを定数ではなく、状態ベクトル S の関数 M(S) として設計して、ゲインスケジューリングすると精度が向上する。

  • 入力 u(刺激)だけでなく、対象の状態 S(内部状態)をリアルタイムにモニタリングし、マトリックスの係数(重み)を動的に書き換える「ゲインスケジューリング」機能を実装することで、カバー率は飛躍的に向上する。

2.個体別キャリブレーション

  • ゴキブリのデータが示した最大の教訓は、**「汎用モデルは役に立たないが、個別モデルは最強である」**という点。

  • 初期状態では一般的なマトリックス(種レベルモデル)を使用するが、運用過程で対象のフィードバックを収集し、マトリックスの要素を微修正する適応制御を組み込む。個人の「癖(Bias)」を学習しきったシステムは、8割〜9割の予測精度を達成しうる。

3.確率的出力インターフェースの採用

  • 昆虫のプロテアン行動では、どれだけ情報を集めても対象者の行動には「気まぐれ(確率的ゆらぎ)」が残る。

  • システムの出力を「断定」ではなく「確率」として扱い、確率に応じた複数のアプローチを用意する戦略をとる。これにより、予測が外れた場合のリスクヘッジが可能となる。

昆虫は人間よりも単純な生物であるが、その行動生成システムは「静的な反射」と「動的な状態調節」、そして「戦略的なランダム性」が巧みに組み合わされたハイブリッドシステム。
線形マトリックスモデルは、昆虫の反射的側面(全体の約30%〜90%と行動種により変動)を捉えるのに有効なツール。
「内部状態による変調」と「個体差」をモデルに組み込むと高精度になる。
とのことでした。

(追記)観察から「メカニズム」と「機能」の統合へ

構造とメカニズムへの流れとして、Geminiが示した内容を追記します。

  • 近代的な行動研究では、ニコ・ティンバーゲンが提唱した「4つの問い」が重要視されています

  1. 至近要因(メカニズム): 神経回路や生理的な仕組みはどうなっているか。

  2. 究極要因(機能・適応度): その行動は生存や繁殖にどう役立っているか(=生存戦略)。

  • 観察だけでは「行動の結果」しか見えないが、今回のモデルのようにシステムを構造化することで、その行動が「生存のためにどのような計算を行っているか」という深いレベルでの戦略(=生存戦略)が判明する。

  • ヘンリー・マレーが人間の心理を分析するために提唱した「欲求体系」の中には、生物学的なプロセスに基づき、生存のために特定の対象や行動へと個体を駆り立てる「一次的欲求(内臓起源的欲求)」が含まれている。

  • 昆虫における「本源」とは、まさにこの一次的欲求のセットであると定義できる。人間のような二次的(心理的)欲求(達成や親和など)が優位になることは稀だが、昆虫の行動システムには、以下のような強固な「本源」が組み込まれている。

  1. 物理的生存(安全欲求): 捕食者からの逃避。例えばゴキブリは、尾葉でわずか 1~ 5mm/sの微細な気流の変化(捕食者の接近)を察知し、瞬時に逃避行動を開始する極めて鋭敏な本源的プログラムを持っている。

  2. 恒常性の維持(生理的欲求): エネルギー(飢餓)、温度、水分などの維持。これらは行動の「ドライブ(動機付け)」として機能し、外部刺激に対する反応の優先順位を決定する。

  3. 種の保存(繁殖欲求): 配偶者の探索、産卵場所の選定。

  4. 行動的免疫: 病原体を避けるために汚染された食物や感染した個体を回避する戦略。

  • 優先順位のロジック(M_2, M_3行列の役割):昆虫が「空腹だが、敵もいる」という状況でどちらを優先するかは、内部状態(本源的欲求の強さ)が感覚入力に対する感度をどのように変調させるか、という「構造」に依存する。これを構造化することで、その個体が「命を懸けてでも食べるべき」と判断する臨界点(生存戦略の最適解)を算出できるようになる。

  • 行動のプリミティブ(基本単位):昆虫の複雑な行動も、実は「走行」「旋回」「停止」といったいくつかの基本単位(行動プリミティブ)の組み合わせであり、それらが特定の幾何学的ルールや抑制回路によって制御されていることが、構造的な研究から明らかになっている。

  • バイオメカニクスの制約:構造を理解することは、筋肉や骨格の物理的な限界(プレフレックス)が、神経系による制御をいかに助けているか(=身体も含めた生存戦略)を理解することに繋がる。

  • 昆虫の本源とは、「生存と繁殖を最大化するために最適化された、多層的な一次的欲求のシステム」。

  • 観察による理解が「点」であるならば、本源に基づいたシステム化(構造化)は、それらの点を結ぶ「設計図」を明らかにする作業。

  • タンパク質の構造解析が創薬の進歩をもたらしたのと同様に、昆虫の行動原理を構造化することは、その生物が過酷な自然界で数億年生き抜いてきた「アルゴリズムとしての生存戦略」を解読することに他ならず、新たな発見(未知の感覚機能や、驚異的なエネルギー効率の秘密など)に繋がる可能性は極めて高い。

おわりに

セバスチャンシステムズは刺激ー行動変換システムです。
昆虫は、外部刺激(風、匂い、視覚、振動)を知覚して、行動(走行、旋回、摂食、フリーズ、跳躍)に変換する生体システムとして、何億年も生き残ってきた種、つまり、限られた神経細胞リソースで、捕食者からの逃避、複雑な環境探索、摂食・繁殖といった多岐にわたる生存行動を驚異的な効率で行う生体システムと見ることができます。
人間も生物として、同様に進化してきたもので、特に脳による思考を強化した生体システムです。

これからメタバースの利用が進むと見込まれます。
しかし、個人的にはメタバース空間内をうろうろするのは時間が消費され、面倒な作業と感じてしまいます。
そこで、セバスチャンシステムズ(認知的ヒューマンデジタルツイン)を組み込んだアバターが、メタバース内で、限定的ではあるかもしれませんが、自分の行動原理を基に自立行動(刺激ー行動変換)してくれると、面倒が減り良いんだけどなぁと思います。

電脳空間内で、自分の性格・行動等に整合した道具(道具は自己機能の拡張)として、以下を自動で実施させることができないかと思ってます(昆虫などと同じ行動原理で、目的を設定し、視角・聴覚等の刺激に応じた行動を自動化。なお、他のアバターと繋がる(コミュニケーションする)場合は人に切り替えて実行)。

  1. サーチ行動(自身の認知の範囲を広げるために、新たな情報や選択肢を探す行動で知の探索・知の深化をする行動)

  2. 弱いつながりの強さの形成行動(イノベーションや新しい情報を得る上で、家族や親友といった「強いつながり」よりも、「知人の知人」のような「弱い(希薄な)つながり」の方が価値があるため)

以上、4つの記事で、認知的ヒューマン・デジタルツインの紹介は一区切りとなります。
今後は、思いついた時に、関連するプロンプトを追加するなどを随時変更する予定です。

ここまで読んでいただいた皆様に感謝するとともに、本システムが役に立てれば幸いです。

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